FFといったら、みなさん何を想像するだろうか?
そりゃあアンタ、「ファイナルファイト」の略でしょ!
・・・と、ここ10年以上そう即答してきた。
世の中的には「FF」と言ったら「ファイナル・ファンタジー」か「ファンタスティックフォー」なわけですが、ファイトも忘れんなよ!という気持ちを込めて。
しかし周りの反応は「どうかしているよ!」と突っ込まれるのが8割なのだった。
今考えると、これが俺なりのファイナルファイトだった、ともいえる。
かつて「FF7」が流行していた頃。
当時、「FF7」はグラフィックや演出が凄いらしい!と話題になっていた。
「俺もFFやってるよ。」と同級生に答えたもんです。
実際には家で「ファイナルファイト2」をやっていたのだが。
田舎では完全にスラム街に位置していた俺の家にプレステ及び「FF」があるという事実に周りの人間は「お前んちFFあるんだ!?」と大層驚いていた。
しかし間違って俺の家に来ようものなら、ファイナルファイト2を黙ってスーファミに差し込む、という嫌がらせを繰り返していたのだった。
最新のグラフィックが見れると思ったら、いきなりムサ苦しい横スクロールアクションをやらされるのである。
同級生の気持ちを考えるにつけ、悪質な嫌がらせだったなあ、と思わざる負えない。
おかげさまでファンタジーよりファイトを取ったおかげで、全くRPGに興味を持てなくなってしまったのだった。
今考えると「つまんねえ経験値上げを見せられる気持ちを知れ!」という気持ちが多少はあったのかもしれない。
ゲームが人生に影響を与えるなんて話があるが、経験値を集める合理性より、勢いでなんとかしようとする俺の性格がここら辺で決まっていた感が正直否めない。
というわけで、もはや映画でも何でもないが、ていうかゲームだが今回は
俺の思い出の1本=ファイナルファイトについて書いてみようと思います。
デヤアッ!!
超犯罪都市メトロシティが舞台の本作。
裸にワンショルダー着用の市長、
白の無地Tにケミカルウォッシュジーンズのあんちゃん
忍者のニート
ちなみに「ファイナルファイト2」は
引き続き裸にワンショルダー着用の市長、
不知火舞未満のスケバン忍者
侍のニート
そんな武骨なキャラクターがシリーズ通して街のチンピラをしばき倒していく!ひたすら!!
あらすじは以上!!
という、色んな意味で画期的なゲームなのだった。
チンピラもただのチンピラではない。
基本上半身裸、放火魔、ニューハーフ、アンドレ・・・
から始まり、ボスに至っては
ミュータント化したスティーヴィー・ワンダー
参考:スティーヴィー・ワンダーとステージ1のボス「ダムド」
日本を勘違いしたアメフト侍、節分感覚で手榴弾を投げる軍人、胸毛丸出しの不良制服警官、牛柄のタンクトップ着用の巨漢・・・・
などなどステージが進むにつれて、どうかしているキャラが文字通り大挙して押し寄せてくるというスリリングさ。
特に天然のアンドレ(体力が高い)と養殖のアンドレ(体力が普通)が入り乱れる、通称「アンドレ祭り」の絶望感。
参考:「アンドレ祭」の様子
これを方向キーとパンチボタン、ジャンプボタンのみで乗り切らなければいけない。
なんなら味方も殴れるので、一瞬のミスも命に繋がる緊張感。
ゲームでありながら、ガキにシビアな現実を教えるように難易度も上がっていくのだった。
色々と罪作りなゲームなわけだが、他にも
・電車の先頭部には何故かデカい樽が三つ置いてある。
・電車にいるチンピラは空いている優先席に座らずたむろしている。
・ドラム缶の中には骨つき肉がある。そしてそれを躊躇なく手づかみで食う。
・特に戦う理由がない、ましてや無職でも「なんと卑怯な!拙者も助太刀致す!」と自分のことは棚に上げなければいけない。
頼もし過ぎるニート
……という現実に対する明らかに間違った認識を俺に植え付けたのだった。
「みみっちく経験値やら武器を集めてる暇があるなら、連打しろ!ボタンを!」
「何がクラウドだ!ガイやカルロス宮本の方がイケメンに決まってるじゃねーか!ニートだけど!」
このフットワークの軽さは見習いたい!!たとえニートだとしてもだ!!
と言っていた俺の気持ちを少しは分かっていただけだろうか?
俺の家の近くがスラム街というのもあり、過剰にどうかしているストリート感に心底痺れたのだと今になると思う。
最近のゲームは全く触れたことのない俺だが、ストーリーやビジュアルなんて映画と見紛うほどだと聞く。
しかもネットで見ず知らずの人とも繋がり一緒にプレイできるとも聞く。
それはそれでいい。
そこへ行くと「ファイナルファイト」なんて時代遅れなゲームかもしれん。
だが、無理やり映画にこじつけると、さっぱりストーリーはないけど何か折に触れて思い出す作品というのが確かに存在する。
みんな忘れているが(主に俺だけの)心を揺さぶったなあ、と。
あるいは当時は全然響かなかったけど、今やってみたら逆に斬新だったり。
先日、タッグパートナーのデッドプー太郎さんの誘いで、「ファイナルファイト」をやる為だけに神奈川から関西のゲームバーへ足を運んだのだが、干支が一回り離れている大人2人がキャッキャッとはしゃいでいた。(一方のデッドプー太郎さんは桃鉄で負債10億を抱え白目になっていた)
そう、よりによって「ファイナルファイト」でだ!
映画、ゲーム、アニメ、音楽ージャンルを問わずに時代を超えて魂を揺さぶる作品がある!!、と「ファイナルファイト」は俺に教えてくれたのだった。
何かと周りの評価を気にして多数決に流れがちな昨今。
周りが分かってくれなくても構わないが、せめて俺だけは大事にしようじゃないの!!と思わずにいられない!!
…というわけで関西で「ファイナルファイトオフ会」なる完全に気が狂ったイベントを開催する予定だ。
流石にどうかしているよ!
ともあれ何かとシビアな現実にぶつかりがちだが、シンプルにA、Bボタンだけで挑むファイナルファイト精神は忘れたくないもんです。
デヤアッ!!