エネゴリ男祭「キングコング:髑髏島の巨神」

怪獣プロレスがたっぷり!!
ここ百年で一番タフガイなキングコング!!エネゴリ

キングコング・・・ゴジラよりも20年以上早く1933年に登場した誰もが知るスター怪獣だが、
作品を振り返ると正直パッとしないキャリアだったりする。

というのも、大抵物語の前半こそ髑髏島の王として、数々の巨大生物を腕力で叩きのめす活躍を見せてくれるのだが、 美女と出会ってから恋に恋い焦がれ恋に泣いてしまい、最後はニューヨークでビルから転落死してしまうからだ。

番外編的な「キングコング対ゴジラ」でも日本の怪獣王ゴジラと日米ガチンコ対決を挑むのだが、決着こそ引き分けになったものの、 試合内容はほぼゴジラの勝ちで、一方的に殴られたり生き埋めにされたりしていた。

2005年(もう12年前!?)のピーター・ジャクソン版では髑髏島の巨大カマドウマ、ヤスデだらけの昆虫地獄というパンチの効いたトラウマシーンこそあったものの、 やはり終盤でラブコメ成分がオーバーヒートしてしまっていた。

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恋するゴリラの瞳。

そして今回の「髑髏島の巨神」である。

公開より先に「キングコング対ゴジラ」「地球最大の決戦」のハリウッドリメイクも決定し、ゴジラとの再戦も内定という成功を約束された状態であるのだが、 果たして100年近くラブコメゴリラを続けていた彼に、2014年版にて大仁田厚ばりの試合運びで俺の涙をかっさらったゴジラと戦う資格があるのか?



自分の目で確かめるために観に行った。

結果として本作のキングコングは最高に頼れる「けものフレンズ」でありエネゴリ(エネルギッシュなゴリラ)であった。

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あらすじ

舞台は1973年、ベトナム戦争敗戦直後のアメリカは未知の島(髑髏島)を発見、「何かおもしろそう」という事で上級議員ランダ(ジョン・グッドマン) とブルックス(コリー・ホーキンズ)は元SASのコンラッド(トム・ヒドルストン)やベトナムで部下を大勢失い絶賛へこみ中のパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)をはじめとしたタフガイ達と調査に行くことになった。

パッカード大佐の「天気は最悪だけど頑張ろう」精神で暴風の中、無事故で到着した一行。

美しい自然に溢れた髑髏島、感動する一行をよそに「生体がいるかどうか確かめるため」という名目で空中から次々と爆弾を投下するパッカード部隊。

ブラックサバスの「パラノイド」をBGMに爆撃する様子は四捨五入というか完全に自然破壊なのだが、 突然ヘリに木の枝・・・というか大木を投げつけられる。

「誰だよ!!」と大木が飛んできた方向を見ると頑固なラーマン屋の親父のような険しい表情のゴリラがいた。

問題はそのゴリラが体長30mだったということだ。

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「あれは何だよ!!」と総突っ込みの中、あまりにもすくすくと育ち過ぎたゴリラは次々とヘリを撃墜。 あっという間に参加者の大半が死亡。

生き残った面々は当初の目的である調査をすっかり忘れ「やばい!!全力で帰ろう!!」というコンラッドチームと「仲間の敵討ちのためにあのゴリラをしばく!!」 というパッカード大佐チームの二手に分かれる事に。

キングコング以外にも水牛やら虫やらメガサイズな生き物が満載の島で、コンラッドチームは自動で開く水門やら芸術センスの高い絵など、何気にレベルの高いスキルを持った原住民達と楽しく過ごしていたマーロウ中尉(第二次世界大戦で漂着して以降28年島暮らし)と合流、パッカード大佐チームは途中、巨大なクモとの戦闘に巻き込まれながら「打倒キングコング」という
無謀すぎるリベンジマッチのため行方不明の仲間の創作と墜落したヘリに武器調達に向かう。

果たしてこの地獄の林間合宿から人類は無事帰宅することは出来るのか?

怪獣映画によっては人類メインで怪獣は牛丼のお新香程度しか出てこない作品もあるが、
本作はひたすら怪獣が殴り合う!!

前述の通りキングコングは最高にエネゴリ君だ。ブリー・ラーソンには親切にこそするものの、今までのように決して恋に悩まない!!

さすがに爆弾を投げ込まれた時は「売られた喧嘩は買うしかない」精神でヘリコプターを全機撃墜させるが、その後は髑髏島一のナイスガイとして島の平和のために戦う。

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シリーズ恒例のタコとの勝負は、引きちぎるどころか、踊り食いを披露。中でも髑髏島一のバッドボーイズであるスカルクローラー、スカルデビル戦は親の仇という事もあり、「ゴジラ(2014)」を凌ぐデスマッチを披露。ご飯を食べた後にレイトショーで観たのだが鑑賞後は腹が減っていた。

とにかく深夜にカップ焼きそばを食べる必要になるくらいカロリーを消費したという事だ!!

キングコング以外の怪獣達もファンタジックだ。「なんとなくもののけ姫風味があるな」と思っていて鑑賞後にパンフレットを読んでみたら、 実際監督がかなりの日本通らしく、ジブリやらエヴァやら参考にしたらしい。きっと今頃は宮崎駿もさらにやる気を出している事だろう。
決して生命への侮辱とは思わないはずだ。

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スカルクローラー、スカルデビルの元ネタは「千と千尋の神隠し」のカオナシ、エヴァンゲリオンのサキエル、そしてポケモンのカラカラらしい!!言われてみれば確かに!!

てかカラカラからこれを思いつくってすごいな!!

そしてサミュエル・L・ジャクソン、「死んだ部下達のためにコングをしばく」という熱い想いを炸裂させるが、 敵討ちも何もケンカをふっかけたのはそっちだし、実際、生き残った部下も表情もどんどん曇っていくのだが、理不尽のその先を超えた説得力を見せてくれる。

特にキングコングとのドヤ顔対決は、キングコングよりサミュエル・L・ジャクソンの方がCGで描かれているのではないかと思うほど人のレベルを超えていた。

今回の顔面力は1ジャクソンを基準とすると3Lジャクソンだ。

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それに真正面から応じるキングコングもいい奴だが、たとえ強大な敵を前にしても動じず「マザファッカ精神」で挑むその姿は同じ人類として尊敬に値する。

お金をたっぷり使って怪獣プロレスを見せてくれたと思いきや最後に「やっぱ家族って良いよね」と清涼感も優しい気持にもさせてくれる。

言い換えれば野菜なし、唐揚げやらフライやら全て茶色い食べ物で固められたカロリーたっぷりのメニューばかりだったのに最後のゆずシャーベットがうまかった的な。うん、これは書くべきではなかったな!!

「キングコング 髑髏島の巨神」鑑賞後、深夜にパンフレットを読みながらニヤニヤするという素敵な時間を提供してくれました。

それと最後まで席を立たないこと!!エンドロール後に何かあるのは現在の映画ではお約束だが、ワイルドスピードでの渋谷にステイサム 以上の破壊力が待っている。

これ以上言っちゃうとお漏らしになっちゃうからお口にパンパース♪