瞬獄殺を出せる奴が学校の人気者だったあの頃。「CROSSOVER GAMEST」イベントレポート

定期的にCROSSOVERさんにて開催しているイベントで「コナン・ザ・グレート」 について語る回の時の事。90年代の格闘ゲームイベントの話題になった。

今でこそスマートフォンのゲームやFPSが人気だが、1991年に「ストリートファイター2」が登場して以来10年ほどは格闘ゲームがブームだった。

※この辺の当時の様子は漫画「ハイスコアガール」で詳しく描かれている。

とはいえど、当時はゲームセンターで遊ぶ事がメインで不良の巣窟。
怖いし、何より当時のゲームは難易度が高い。

というわけで我々30代前半組は「ハイスコアガール」より数年先の1995年以降からゲーセンに通うことが多かった。



その頃といえば、「ストリートファイターZERO」「ヴァンパイアハンター」等超必殺技やコンボが標準装備、格ゲーとしても成熟した頃であり、中でも「X-MEN VS ストリートファイター」は衝撃的だった。

リュウやケンの波動拳が巨大なビームになったし、何よりもアメリカからやってきたド派手な色の全身タイツを着た連中の当時では考えられない技(画面いっぱいのビームとか異常な跳躍力)に俺たちの心は完全にカツアゲされ、ゲームの練習をする傍らでアメコミについても研究したものだ。

というわけで確実に格闘ゲーム、特に「X-MEN VS ストリートファイター」については人生を狂わされて今に至っている。

そんなわけで盛り上がっているうちにオーナーの徳永さんのその場のノリで企画する悪い癖が発動し(笑)、7月1日に開催されたのであった。

前日まで適当なやり取りが続き「きちんと告知しなかったけど、セガサターンと「X-MEN VS ストリートファイター」も確保できたし遊ぼう!!」という全く商売っ気のない徳永さん及び暇人の我々ビーパワーハードボイルド。

デッドプー太郎も最近のゲームはあまり遊ばないが、当時のゲームやのちにダウンロードで買った格闘ゲームをたくさん持っているので、適当にゲームをカバンに詰め込んでクロスオーバーに向かったのだった。

結果、まさかの満員だった。

「マーブルスーパーヒーローズ」での空前のジャガーノートブーム、「X-MEN VS ストリートファイター」でちょっとケンカになるビーパワーハードボイルド、そして精神が壊れるホット・ケノービさんと誰もが少年の心に戻り、30~40代の参加者のちん毛はキレイさっぱりなくなった。

真剣にゲームをプレイする者、お菓子を食べながら後ろで観戦している者、ゲームをプレイしていない間、説明書を読んだり技の出し方を教えあっている者、あの瞬間確実にクロスオーバーは20年前のゲーセン及び友達の家にタイムスリップしていた。友達であろうが初めましての人であろうが、肩を寄せ合って遊ぶというのは楽しい。
プレイしているうちに子供の頃を思い出した。

・瞬獄殺合宿
一瞬画面が真っ白になり次の瞬間相手が倒れているというカッコいいが詰まっていた豪鬼の瞬獄殺。


めちゃくちゃ弱P、弱P→弱K、強Pという難しいコマンドだったためなかなか対戦で出せるものはいなかった。

ストリートファイターZEROが家庭用で発売された瞬間、毎日誰かの家にて強化合宿が開催された。

・初めてのオール
セガサターンで「X-MEN VSストリートファイター」が発売された時、友達の家でハイパー強化合宿(お泊り会)が開催された。

この日は夕飯までに帰らなくて良い。むしろ夕飯後が本番だ!!という事でアドレナリンが過剰に出過ぎた結果、初めてのオールを経験する事になる。

しかし子供にオールはきつ過ぎた。

疲れすぎて朝日が昇る頃にはすっかり弱り切っており、「もう少しで俺ら中学やな」とメソメソと将来への不安を口にする始末。

翌日は隣町まで自転車で遊びに行くプランは中止となり、昼頃に起床した瞬間解散した。

・本当の友達とは何か?
「土日は子供をどこかに連れていきたくない。理由はめんどくさいから」という親の育児方針でたくさんゲームを買ってもらっていた。

その結果、小学校で唯一「ネオジオCD」を持っていた。

俺たち兄弟だけ誰よりも早く「キング・オブ・ファイターズ」を家で遊べる。

俺の家に遊びに来る人間が後を絶たなかった。やがて数か月後、プレイステーションやセガサターンにも移植されたら遊びに来る友達が減った。

本当の友達と利害目的で近づいてくる人間。ネオジオCDは俺たち兄弟を大人にした。

・人生何事もプラスになる。
これは子供の頃ではなく9年前の話だが、社会人1年目の頃、色々な事があって友達が一人もいなくなるという時期があった。(その後2年くらいかけて人間関係を直した)

人生のドン底。誰とも連絡を取れないので土日になると引きこもるしかない。という事でPS3を買い、その時に「ストリートファイター4」とアーケードスティックを買った。

1万円くらいと高価だった割にあまり遊ぶ事がなかったので、もったいない買い物をしたと思ったのだが、このアーケードスティックは今回のイベントで大活躍した。

 

今の60代くらいの我々の親世代は「ALWAYS 3丁目の夕日」を観て「あの頃を思い出す。めっちゃ懐かしい」と感動するが、我々にとっての「あの頃」は格闘ゲームだ。

↓\→+パンチボタンのコマンドを入力すれば、学校からの帰り道の夕焼け、駄菓子の匂い、毎日遊んでいた幼馴染の笑い声を思い出す事が出来る。

この場を作って頂いた徳永さん、一緒に遊んで頂いた皆さん、ありがとうございました。

イベント後、すっかり「あの頃」に戻り切った我々ビーパワーハードボイルドアイスブレイク(ホットケノービさんと3人組になった時の名称、ちなみにケノービさんは一緒にして欲しくない死ぬほど嫌がる)は日本橋に行きレトロゲームを物色しに行った。

「今ならネオジオ(ROMの方)だって余裕で買えるはず!!」と調子づいていたが、プレ値がついてアホみたいな値段になっていた。

金がないのは20年前と変わらなかった。

ビーパワークラウドファンディング
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