ノンフィクション「ド底辺バンドマン物語」Vol.2

こんばんは、デッドプー太郎です。

前回のお話
http://bphbxxx.com/2017/07/30/teihen_bandman/

ライブの動員数が平均して2~3名と全く客が来ないバンド

「革新的なプロモーションをしよう!!」と考えた結果、ボーカルが知り合いのおじさんからたくさんもらったパイナップルにバンド名を書いて演奏中に投げたがあまり、 演奏後にライブハウス側から思いっきり怒られた我々ド底辺バンド。

せめてメンバー(4人)より多い動員が欲しいという、頭が痛くなるほど低い目標すら達成できずに悩んでいた。

あまりにも惨めなので「ハノイ・ロックスだってデビュー前は路上で寝た日々もあったんだぜ」と大御所バンドの苦労エピソードを語り合って励まし合っていたが、ただ、スタジオ練習を重ねてライブをするのはどうなのか。これじゃあ落ち込むために音楽しているようなものじゃないか!!

いつまで経ってもラウドパークに出られないし、水着ギャルと泡風呂ではしゃぐ事もできない。

とにかく「お前たちには才能がない」というのが事実だったのだが、俺はバンドの可能性を、そして何より俺自身が日本を代表するギタリストだという根拠のない自信は残っていた。

俺は第一ギターがあまりうまくない。だって練習嫌いだから!!という音楽的な致命傷を棚にあげて、
大卒、マーケティングを少しかじっていたというしょうもない意識の高さをアピールし
SWOT分析(4つの切り口、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat (脅威)から自身及び取り囲む環境を分析する手法。) をして今後の活動に活かしていこうと提案した。

案の定、メンバー全員ガラクタみたいな連中だったので「おまえ、めっちゃ頭いいやん」と疑う事もなく当時一人暮らししていた俺のアパートに集まったのだった。

Opportunity(機会)の部分でボーカルが以前にやっていたバンドで仲良かった人物が今ライブハウスの店長をしているという事がわかり、それは良い発見だったが、

Strength(強み)で「今時珍しいハードコア調の曲が俺たちの強み」と誰かが話していたら「いやいや、今時珍しいハードロックだろ」とバンドの音楽性でいきなり衝突、
それぞれの音楽性の違いがこの場で浮き彫りになり3分で張りつめた空気となった。

その後のWeakness(弱み)では
「前から言おうと思ってたけど、おまえはいつも少しリズムがずれている」
「おまえの音作りが下手。全然低音が出ていない。」
「おまえがバンド活動よりバイトの方ばかり優先するからこないだ呼ばれた大きなイベントの参加を断ることになった」
「なんていうかおまえはルックスがロックじゃない。何より服装がダサイ」
とただの悪口の言い合いになり、お互いを傷つけあった結果、険悪な空気はより一層増したのだった。

そしてThreat (脅威)になり当時メンバー4人中、2人がフリーターだったので「いい加減に定職を見つけないと・・・・」という話になった頃だろうか、 同席していたバンドのホームページを作ってくれていた友達が耐えられなくなったのだろう。
「のど乾いたやろ?コンビニに飲み物買いにいかへん?」と切り出した所でバンドの会議は特に収穫のないままメンバー間のわだかまりを作っただけで 終わったのだった。

後日、バンドのターゲット層を明確にしようとどんな層を狙っていこうかという機会を設けたのだが、
この時も最初こそ「年齢は20代半ばで、普段聞いている音楽は・・・・」と真面目に話合っていたが、時刻が夜中の12時を過ぎたくらいから、
「いつも仲良くしている男友達を好きになってしまって友情と恋愛の狭間で悩んでいる女子高生に元気を与えたい」
「気になっているクラスメイトにどんなメールを送るかで1時間くらい悩むような女の子の背中を押してあげたい」
「普段髪を結んでいる女の子が、髪の毛をおろしているのを見るとドキッとする」
「声がかわいい子が好き」
とただの気持ち悪い男の妄想トークへと変貌していった。

こんな調子だったので結局バンドが浮上する事なく
・暗幕が開いた瞬間、客席にはカレーパンを食べている女の子とおっさんの二人だけだった。
・「いよいよ、次のライブはツーマンですよ!!(出演バンドが2バンドだけの事、通常なら5,6バンドでのブッキングでツーマンとなると普通であれば観客動員数が多く、ライブハウスが売り出そうとしているバンドだけが出来る)」 とライブハウスにそそのかされて当日を迎えたら、その日出演出来るバンドがいなかっただけで、もう一つのバンドは高校生バンドだった。
・当時付き合っていた彼女に愛想を尽かされてフラれた

と光の見えない日々でもがき苦しむのであった。