今からアイツを、これからアイツを殺りに行こうか!シャブ要らずのYAH!YAH!YAH!Netflix版「パニッシャー」

~敵が国家だろうが関係ねえ!連続ハートフル修羅場劇場!~

マーベルのヒーローの中でも割とドン引きされる男パニッシャー

出会って即合体ならぬ、出会って即射殺

『悪党と見れば即殺す』と、とにかく話が早い

悪党の命を『安い・美味い・早い』で調理する吉野家みたいなナイス害である。

おかげさまで話が早いので周りのヒーローからはドン引きされお前はそれでいいや」猪木問答における中西学のような扱いを受けているのだった。

 

だが基本的に話が早い男群れない男には好感が持てる我々ビーパワーハードボイルドである。

なんやかんや、パニッシャーの映像作品を追ってきた。

記念すべき第一作では人間核弾頭ドルフラングレンが主演、暖炉の前で全裸で正座するなど役者魂を発揮するも不発!

続くトーマス・ジェーン版ではジョン・トラボルタをミストの化け物以上に血祭りにあげるも、またもや不発!!

三度目の正直で、ヤケクソみたいに残酷模写をマシマシにしたレイ・スティーヴンソン版が世に放たれるも、こちらも製作のゴタゴタもあり不発!!!

仏の顔も三度まで。

パニやんの顔も3度までと思われた。

 

もうパニッシャーを映像で見れないんだろうか…

だが、まあ三度見れただけでも良しとしよう。

俺は俺で頑張ろう、ラーメン食ったりして

……とか何とか考えていたら、まさかのNetflix版デアデビルにパニッシャーはゲストで出演!

水を得た魚、Netflixを得たパニッシャーといわんばかりに地上波では確実にアウトな処刑ぶりを発揮!

デアデビルが元カノ問題で悶々とするなか、正反対に景気の良い殺戮ぶりを見せてくれた。

これに味を占めたマーベルはパニッシャーの連続ドラマを発表。

世界中のファンは、まさかの4度目の復活に大層喜び、タンスの奥からドクロのTシャツを取り出したのだった。

しかも、まさかの連ドラである。

普段なら「連ドラ見るほど俺の尻の皮は厚くねえよ!」と即答する俺だが、パニやんの殺伐とした日常が見れる!となれば話は別だ。

という訳で、今回はNetflix版パニッシャーをご紹介します。



家族を漏れなく射殺され、原因であろうバイカー、マフィア、カルテルなど計37人を景気良く血祭りに上げたフランク・キャッスルことパニッシャー。

復讐は終わった!多分!とゴキゲンなドクロのボディアーマーを焼却、己の殺伐復讐ライフに終止符を打った。

しかしながら、失恋してヤケクソな気持ちで行った風俗で、結果は出したものの何とも言えない気持ちになったように、日課の復讐も終わってしまい、どうにも気持ちに収まりがつかない。

とりあえずやることもないので、壁を叩き壊す日雇い労働の日々をサービス残業もいとわず送るも、なりゆきでマイティソーより正しくハンマーを振り回し、嫌味な同僚達を漏れなく全員撲殺!

返す刀で証拠隠滅の為に死体をセメント沼へブチ込むに収まらず、サービスで唐揚げをつける感覚で鉄火場のマフィアも全員射殺するなど、引退した割には「ずいぶん殺すなあ!コイツは!」と見るものに感じさせた。

第1話から本業の良い仕事っぷりは健在なのだった 。

そんなこんなで同僚をセメント詰めしたおかげで日雇いをバックれ、そこら辺をプラプラ歩くフランクだったが、彼を監視していた謎の男マイクロから、エロ動画・・・じゃねえや無かった事にしたかった過去のドン引き行為を記録した動画を送りつけられる 。

 

それは、かつて海兵隊時代にアフガンで従事したCIA肝いりの作戦=ケルベロス作戦の動画であった。

そもそも家族が殺された原因は、どうやら自分の過去=ケルベロス作戦にあるらしい!今更感満点で気付かされるフランク。

とりあえずマイクロを全裸にして椅子に縛り付け尋問するものの、なんやかんやで「俺としても国家に恨みがあるから真実を明らかにする手伝いをしてくれろ」と言われ「オッケィ!ただ全員ぶち殺すけど!と手伝うかどうかは分からんが、とりあえず殺る気だけはあるのを伝えるパニッシャーなのだった。

一方、国家安全保障局も意識の高い女捜査官がケルベロス作戦の真相解明に動き出したかと思えば、胡散臭さ満点のCIAもまた思い出したかのように全力で隠蔽、証拠隠滅という名の関係者暗殺に乗り出す。

今回の敵は街のチンピラやヤクザではない。

だが、パニッシャーにとっては、そんなもん知ったこっちゃねえ!

こうして国家レベルの陰謀をターゲットに、パニッシャーは再び復讐を果たすべく動き出すのだった。

 

『めげない・しょげない・泣いちゃダメ』という、ざわざわ森のガンコちゃんばりのスローガンでパニッシャーが巨悪に挑む本作。

なにせ敵はCIAやら国家安全保障局という国家機関である。

普通であれば5秒で諦める所だが、パニッシャーは折れない。

とにかく折れない。

血まみれになりながらも敵に向かっていく。

あるいは何回か血を流して気を失いながらもヘッドスプリングの要領で回復したら即殺しに行く、という狂犬ぶりを披露!

彼氏が「ヴォアアアア!」デスボイスを上げるたびに大変な事態(主に人が死ぬ)が起きるのだった。

まさに『今からアイツを、これからアイツを殺りに行こうか』というシャブ要らずのYAH!YAH!YAH!精神は目を見張るものがある。

 

復讐映画といえば韓国の名産品の一つでもありますが、パニッシャーも復讐が本業なので、韓国映画に負けじとハードコアな復讐を繰り広げます。

こういうヒーローが求められるってのは、アメリカという国が抱える闇が如何に深いかが分かる…と眉間にしわを寄せて、したり顔で言う野郎がいそうだが、そういう人がいたら、即射殺しましょう。

 

全13話、連ドラという形で、どこを切っても毎回誰かしらが血しぶきをあげて死ぬのが本作の見どころである。

全編、これ修羅場

近年稀に見る位の気合の入ったマウントパンチ模写拷問をエロい妄想で乗り切るナイフの危険性を身をもってガキに教えるパニッシャー式授業などヤケクソかつ殺伐としたパニやんの日常ドラマが進むのだった

MCU(マーベルシネマティックユニバースの略。長いよバカ!!って事で、昨今の映画と世界観が共通していると謳ってはいるものの、そこから入った人は間違いなくドン引きするレベルである。

もう嫌がらせレベルじゃねえか!と言いたくなる、この底意地の悪さ。

思わず我々ビーパワーも、マーベルのロゴが入ったTシャツやらパーカーを着た女子に見ろ!さあ!とオススメしたくなりました。

ディズニーランドのアトラクションと思って入ったら、そこは新橋のサウナだった位の温度差を体感できる、とでも言おうか…

 

随分と野心的……ていうか、狂った連ドラであるのは間違いない。

だが、ひたすら群れずにストイックにターゲットに向かっていくパニッシャーには痺れるものがある。

ターゲットが人だろうが仕事だろうが同じだ。

脇目もふらずに人を殺し続けるパニッシャーには学ぶべきことは多い。

という訳で暇なら悪人を殺すほどある人にはオススメですよ。