AVP2〜エイリアンVSプレデター2〜プレデターから学ぶ働く男の生き様

ご無沙汰しております。
ビーパワーをかれこれ2~3ヵ月も更新していなかった訳ですが「麻薬カルテルを潰しにメキシコへ行っていた」「未開のジャングルを放浪していた」「未解決の幼女連続殺人事件を追っていた」…などなど色々と言い訳を考えていたら時が過ぎていたのだった。
すみません、更新しなかったのは俺の怠惰です。
かといって仕事は一応しておりましたよ!ええ!それなりに!
 
話しついでに仕事の話をしようかと思いますが、それなりに仕事をしていると「どう考えても燃えるだろう…」「どうしろってんだよ…」「これは自爆覚悟だなあ…」という炎上案件に遭遇するもんです。
 
「そんなもん逃げればいいじゃない」と言われれば「そうですね」としか返せないが、己の意地とか何より生活が掛かっている為に向き合わなければいけない瞬間がある。
 
世の中には炎上案件を収める、あるいは全然収まんねえ仕事を描いた映画が多々あるが、そうした状況に追い込まれた時、折に触れて思い出す映画のキャラがいる。
 
それがエイリアンVSプレデター2ことAVP2で一人孤軍奮闘するプレデター…通称・掃除屋ウルフさんである。
 
前作AVPでは3匹のプレデターと無数のエイリアンの荒れる成人式を描き、ファンなら震えるようなエイリアンジャイアントスイング、プレデターボブスレー、ジャンピング槍攻撃などの眼を見張るプレデター殺法を披露!
だが、そこは若手。
なんやかんや一匹のエイリアンに苦戦したり、あるいは人間とコミュニケーションを取るなど話の分かる奴っぷりを見せてくれた。
俺も公開当時、劇場で見て「いやあ!良かったなあ!」なんて帰りに松屋で牛丼なんかを食っていました。
だが本来のプレデターが持つストイックさ話の通じなさ、何より屈強なシュワルツェネッガーや汗染みのあるダニーグローバー相手にタイマンを張った時の強さが足りない!と若干腑に落ちない面もあったのだった。
 



そんな一部のプレデターファンの気持ちを汲んだのかどうかはサッパリだが、気が付いたらAVP2が公開!
前作のラストでエイリアンとプレデターのハイブリッド=プレデリアン誕生から始まる本作。
案の定、プレデリアンはスクスク育って宇宙船で大暴れ!
人類にとって迷惑この上ない話ではあるが、即Uターンでアメリカのド田舎に不時着するのだった。
 
しかし船内にいたプレデターは、この緊急事態に一匹のプレデターに連絡を入れていた。
そう!それが掃除屋ウルフさんその人であった。
「何かヤベエことが起きてるらしい!」と察知し、電話一本で駆けつけるウルフさん。
早速地球に着いたウルフさんだったが、不時着した宇宙船を訪れると、そこには惨殺された仲間の姿が!
マスクに手を当て、弔うような素振りをみせるウルフさん。
録画された動画を見ると、そこにはプレデリアンに惨殺される仲間の姿が克明に写されていたのだった!!
この時点で普通なら「この話はなかったことに…」見なかったことにしそうなもんだが、ウルフさんは違う。
黙って仲間の武装を回収し、フルアーマーウルフとなってプレデリアン打倒を決意!!
こうして、ウルフさんの地球を舞台にした大掃除が始まるのだった。
 
 
プレデリアンを倒すだけなら、まだいい。
本作のウルフさんは証拠隠滅の為に地道にエイリアンの駆除や、食い散らかした人間の掃除を地道に行う。
人に目撃されようもんなら、問答無用で皮を剥いで木に吊るすなど、人間なんぞ仕事の邪魔位にしか考えていないのが実に思い切りが良い
下水道では己の手でリングを作り、同時に4体のエイリアンを呼び込み、キャノン砲および素手で葬る!

前作AVPの若プレデターは一匹に苦戦していたが、本作のウルフさんは二匹のエイリアンの首根っこを掴むなど景気の良いプレデターっぷりを見せてくれる。

 
他にも道すがら、子供を恫喝するオッサンの頭を吹き飛ばすなど善行も積むウルフさん。
だがウルフさんの努力も虚しく、頑張れば頑張るほどエイリアンは街中にも解き放たれ、事態はドンドン悪化していくのだった。
もう掃除どころか散らかり放題
最終的には光学迷彩を忘れ、プレデリアンがいる病院のドアを前蹴りで破壊して入場!
人間側のビッチな女の子を不本意ながら『女子一刀両断カッター』の餌食にするなど、どんどん仕事が雑になっていく。
そしていよいよ屋上にプレデリアンを追い詰めたウルフさん。
豪雨の中、全武装を投げ捨て、プレデリアン相手に素手ゴロのタイマンを張るのだった。
その勝負の結果については皆さんの目で確かめてほしい。
 
漢気を発揮して、誰かの手も借りずにマメに仕事をこなしていたにも関わらず、最終的に事態が悪化して「もう知ったことか!!」ヤケクソになる。
働いていると、このウルフさんのような状況に陥るのが往々にしてある。
ないじゃない!
あるんだ!!
ともあれ、このヤケクソな状況で頑張るのが俺がウルフさんに惹かれる大きな要因であろう。

 結果はどうあれ。

 
公開当時は、やれ「画面が暗い」などと揶揄された本作ではあるが、そんなもん心の眼で観れば問題ない。
というか、まあ事実暗いんですが。

ともあれ、かつて仕事が立て込んでいる時にウルフさんの雄姿を確認する為にDVDをレンタル、おかげさまで1カ月近く延滞して現金で1万5千円ほど払うほどの魅力が本作にはあった(俺にとって)

 
最近になって改めて見返したのだが、男だろうが女だろうが妊婦だろうが子供だろうが平等に、しかも突発的に死ぬ。
思えば死屍累々を築いてきたエイリアンとプレデターだが、一般市民がアホみたいに死ぬ、このショック摸写は他にはない味ではないだろうか?
エイリアンやウルフさんの前だと青春、恋愛、友情、親子愛といった日常の幸せは理不尽に、しかも思わぬ形で破壊される。
人間の命の安さをこれでもか!と見せてくれる命のダイソー状態。
誰が生き残るか分からない緊張感と諸行無常感が全編にわたって漂っている。
映画としてはアレだが、プレデターとしては正解と言いたくなる。
 
 
 
そんなAVP2ですが1で惨殺されたメガネことシェーン・ブラックが新作プレデターを公開するという。
詳しいところは分からないが、どうやら田舎町を舞台にプレデターが大暴れするらしい。
恐らくシェーンブラックはAVP2を100回は見ているに違いない。
世間的には賛否両論…ていうか否しか聞かないAVP2だが、炎上案件に果敢に挑んだ経験のある人にとってウルフさんの姿には染みるもんがある名作ですよ。