木曜ー週末の夜。
我々ビーパワーハードボイルドは仕事もそこそこに難波にあるアメコミバーへ向かっていた。
女の子と飲みに行くとか、そんな有意義な用事ではない!
だが我々は人ゴミを掻き分けながら、急いでいた。
よりによってセガール映画を語る為にだ!
↑会場へ急ぐビーパワーの二人。船で来た。
というわけで、先日はクロスオーバーにて開催の「クロスオーバー木曜洋画劇場」にお越し頂きありがとうございございました。
どんなイベントだったのかを興味のない人にも嫌がらせみたいに説明しますと、「みんなで一緒にB級映画を観る」!
平日の夜に!しかも次の日も平日だ!
まさに小手先の技が通じない、いわばお客さんと俺たちがストロングスタイルで挑まなければ生き残れないイベント。
ビーパワーハードボイルド初のイベント出演にしては随分とトチ狂ったイベントである。
そんな、どうかしている賭けに乗るのが俺たちだ!
この話を聞いたのが去年の年末。
年明けにオーナーの徳永さんと打ち合わせした際に
「セガールの映画を観よう」
「観るならセガールがイントゥ・ザ・サンにしよう」とまではよかったものの、「果たして人が来るのか?」というこちらの問いに
「今最もバズってる映画(クロスオーバーで)と書けば大丈夫‼︎」
「イントゥ・ザ・サンのポスター画像加工したらスースクっぽくなりそうじゃない?」
「これなら勘違いして来る人もいるでしょう‼︎」
とビジョンを語るオーナーに「ここアメコミバーだろ⁉︎ちゃんとやれよ‼︎他にも観なきゃならんもんがあるだろ!」とこっちがツッコミに廻る大惨事だった。
「絶対誰も来ねえよ‼︎」と珍しくマジに答える我々に「来なかったら来なかった時ですよ‼︎」とヤケクソに答えるオーナー。
「この人、マジでどうしようもないわ」と不安でいっぱいになりながら打ち合わせを終えた。
そして1月19日当日、「2.3人来てくれたらそれでいい」と2人で頷きながら扉を開けると、バーいっぱいの人‼︎
感動を通り越して「平日にどうしてこんなに人がいるの?」と参加者にドン引きする我々だった。
そして始まった「イントゥ・ザ・サン」上映会。
セガールが日本で闘う。相手は大沢たかお、無駄に豪華な日本人キャストという、セガール映画にしてはまだ見所のある作品だが、セガールはセガール。
当初こそ全く何を言ってるのかわからないセガールの日本語に笑いが起こるも、一向に進まないストーリー。
主にセガールがキャバクラに行って女を口説く接待が延々と見せられる俺たち!
↑正しい女の口説き方を教えてくれるセガール
日本通で知られるセガールだが、寺尾〝ルビーの指輪〟聡や伊武〝JET STREAM〟雅刀がキッチリ演技して語りかけるも渋い表情で頷くだけで「コイツは本当に日本語を理解してるのか?」疑惑が生まれるのだった。
↑とりあえず渋い表情で頷けば何とかなる!と教えてくれるセガール。
徐々に静かになる参加者の皆様…
まさにセガール映画が冠する沈黙の言葉が我々の頭をよぎった。
だから「アイアンマン」とか「ダークナイト」観たかったのに!
…とイベントの失敗を確信した瞬間、ファッションセンスが最先端すぎる大沢たかおのおかげで場を持ち直した。
↑通気性の良さそうな網のインナーを着こむ大沢たかお。夏の必須アイテムだ!上はコートだとしても!
人生であれほど大沢たかおに感謝したのは初めてだ。
まさに難波の中心で「たかおー!」と叫んだ瞬間であった。
残り時間20分で思い出したかのように話が進み、豊原功補とカンフーが出来るチャイナ娘を召集!
これ人斬れますよ、これ。と意を決するセガール!
何とも言えない表情で耳を傾ける豊原功補!
俺たちも気持ちは分かるぞ!
↑観客の気持ちを代弁する豊原功補の表情
さっきまで俺たちも同じ表情だった!
…というわけで玄関からたかおの家に殴り込みを決行するセガールなのだった。
↑あっ!スターウォーズ・ジェダイの復讐だ!
セガールが歌う主題歌を特に気にする事もなく上映会は終了。みなさんの「やっと終わった」という眠気を耐えきった顔が眩しかった。
その後は「エグゼクティブ・ディシジョン」でセガールは死んだのか否かの考察大会(マジでどうでも良い)、及びヨタ話。何年も前からずっと記事を読んでくださってる方もいらっしゃって、我々は感動のあまり「映画ばかり観るのはどうかと思いますよ」と好意を仇で返していくのだった。
翌日には「あんなの行くんじゃなかった」と思われた方もいるかもしれませんが、お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
さぞ帰った後に夢の中でセガールにうなされた事でしょう。
みなさんのおかげで楽しい上映会になりました。
例えトラウマになったとしても。
ご覧の通り大した事のないおっさん2人組なのでまたお会いした際には気軽に声をかけてください。
最後にクロスオーバーの徳永さん、サムさん、当日はありがとうございました。
もはや初手から「誰が最後まで生き残るのか⁉︎」というデスマッチ的な様相を呈してきたイベントではあるが、え‼︎来月もやるの!?