ヴァンダムが奏でるボヘミアン・ラプソディ!! 「ジャン=クロード・ヴァンダム・ジョンソン」

ドルフ・ラングレンのキャリアが絶好調の今こそJCVDに想いを馳せるそれが正しい洋画ファンの在り方でないだろうか?

JCVDことジャン=クロード・ヴァンダム。

ドルと同時期に世に出たアクションスター。

ヴァンダムの場合、ドルフに比べると作品には恵まれており、「キックボクサー」「ユニバーサルソルジャー」と回し蹴りを放ち、そしてお尻を出す事で人気を得ていたが、「ストリートファイター」でカイリー・ミノーグとオフパコしてから徐々に失速していった。

何故か?ドルフの場合、前回のドルフ・ラングレン特集で性格の良さが裏目に出たのはと推測したが、ヴァンダムについては間違いなく性格に難があるからだと断言する

ヴァンダム自体、90年代には香港より名監督を呼び寄せるなど映画作りのセンスはあると思うが、いかんせんワガママなのだろう!!

「ハード・ターゲット」でジョン・ウーと組みながら、(おそらくジョン・ウーガン無視で)二丁拳銃の後に回し蹴り、コブラを生噛り、そしてウルフヘアなど独特過ぎる世界観を炸裂させた結果、微妙な仕上がりに。

ジョン・ウーが次作「ブロークン・アロー」以降ハリウッドで成功したことを考えると明らかにヴァンダムが原因だ。

子供の頃にはわからなかったが、前述のカイリー・ミノーグに手を出したことや、度重なる離婚など女性関係も日本の芸能界なら引退不可避なレベルで乱れており、決してナイスガイではない事は確かなものだ。

そんなヴァンダムにもスタローンが救いの手が差し伸べられ、「エクスペンダブルズ2」で敵役(役名もヴィラン)で久しぶりの大作復帰。

1作目からオファーされておきながらもゴネ続けてスタローンの厚意を台無しにしていたらしいが、そのあつかましさが功を奏したのか、見せ場も多く、ヴィランはエクスペンダブルズ屈指の名キャラとなった。

テロリストのボスとしてリスペクトのないやつは容赦なく殺害。

特にクライマックスでのスタローンとの煽りあいからのガチンコ対決は今でも飲み屋で延々語れるほどの名シーンであり、映画館のでかいスクリーンで回し蹴りが決まった瞬間は不覚にも涙がこぼれた。

個人的に「エクスペンダブルズ2」が一番と思っているが、これはヴァンダムが良かったからだと断言する!!

長いものに巻かれるのが信条の俺だが、誰が批判してもシュワルツェネッガーやブルース・ウィリス、ステイサム、チャック・ノリス以上にヴァンダムの方が存在感があったと主張したい!!

そんなヴァンダムだが、「エクスペンダブルズ2」の波に乗るかのように「ユニバーサルソルジャー:殺戮の黙示録」が公開。

隠れた名作である「ユニバーサルソルジャー:リジェネーレション」と同じ監督

ドルフ・ラングレンとも再共演

新メンバーにスコット・アドキンスを加え万全の体制だったが、白塗りスキンヘッドのヴァンダムの姿が象徴するように一体何がしたいのかわからない内容だった。


何度見てもヴァンダムがナイフを構えるシーンで鳥肌が立つ。


「ドルフも何やってんだろう」と思った。

その後も

「ヴァンダムが肉屋」の「ハードソルジャー」

「腎臓探して三千里。久しぶりにおしりも出した」の「マキシマムブラッド」

そして観る者に後遺症を負わせる劇薬「サバイバルソルジャー」
など深夜に観る分にはいい塩梅だが、どれもB級レベル。


2014年度ビーパワー作品賞受賞作品

切り札である「キックボクサー」もリジェネレーションしたが、ユニソルと違い、主人公にざっくり格闘技を教えるだけで時折「ココナッツ!!」と叫んでいた。

とにかくヴァンダムのやる気がないことだけ明白だった。

また、めっちゃ個人的だが、4年前にエンターベイより1/6サイズのヴァンダムのフィギュアが出た。

本人監修でよく似ており、やや小柄な身長までしっかり再現されている逸品だった。

俺はこれを予約するためにわざわざ豆魚雷のアカウントを作ったほどで、当時はホットトイズが新製品を発表すれば速攻で予約受付終了というほど世間は1/6サイズフィギュアに熱狂的だったが、

発売当日にツイッターで写真をアップしていたのは俺と小島秀夫監督の二人だけだった。



プライベートでも5回目?の離婚を経験。

「エクスペンダブルズ2」でのバブルは即消え。

SNSで筋トレ動画かよくわからんおっさんとの対談を配信する近況に「やっぱりヴァンダムてしょうもない人間なんだろうな」と誰もが居酒屋で山盛りポテトをつまみながら失笑気味にネタにする日々に戻った。

そんなヴァンダムだが一昨年Amazonプライムで連続ドラマをリリースしていた。

タイトルは「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン」

映画スターとしてのヴァンダムは仮の姿、実は凄腕エージェントという内容である。

案の定ドラマは6話で打ち切り。しかも1話30分。ヴァンダム本人は激痛だっただろうが、観る側としては非常にありがたい。

今年に入ってから観たのだがこれがめちゃくちゃおもしろい!!

まずこれを観て欲しい。

「その男ヴァンダム」も自虐ネタだったがそれと違って悲壮感はない。

突き抜けている。

ヴァンダムのやる気がビシバシ感じる。

全6話について簡単に紹介しよう。

第1話「パイロット」

すっかり世間では忘れられニコラス・ケイジに間違えられる。

奮起しエージェントに復帰したヴァンダム。

上司にあたるのがクリードのアポロママ。

ちょうど観賞前に2回目の「クリード炎の宿敵」を見たのだが、おかげで感動が薄れた!!台無しにしやがって!!

「彼のキックがハートに命中」というパワーワードもあることながら、このヘアスタイルを見て欲しい。何かがフラッシュバックする。

そうだ!!

第2話「いま、何年?」

ヴァンダムが「ワイルドスピード」に挑戦!!

中古で10万円以下であろうミニバンでドリフトするヴァンダムの姿はヴィン・ディーゼルに届いただろうか??・・・・。

第3話「信頼というもの」

得意の双子ネタ。

「レプリカント」といいもヴァンダム(替え玉)はロン毛にするなぁ。

それにしても本作やたらと「タイムコップがルーパーよりおもしろい」をゴリ推しする。何か恨みでもあるのだろうか??

第4話「ラッキーならば」

ついに

ヴァンダム

ヴァンダム(そっくりさん)

未来から来たヴァンダム

一人3役に挑戦。

右も左もJCVD、あっちもこっちもJCVD、お父さんとお母さんもJCVD

限界を突破する、これぞビヨンド・ザ・ヴァンダム!!

第5話「ボディターゲット」

自身の銅像を死んだ目で磨くヴァンダムという衝撃の開始。

そこにやってくる女子大生二人組。てっきり自分と撮りたいのかと思うヴァンダムだが、「二人だけで撮りたい」とい言われる。しかも銅像ではなく隣の農業省の建物と撮りたいと言われる。

切ない、切ないぜ!!

そしてこのタイトル。

ファンサービスのつもりだろうが、中途半端に一話だけ引用するんじゃなくて全話ヴァンダム主演作から取れよ!!というのが正直な感想だ。

第6話「世界は英雄を待っている」

あえて多くは語らない。

全ヴァンダム涙。

実際に劇中でも号泣している(ヴァンダムだけ)

Amazonプライムに入っていないなら一刻も早く加入してくれ!!自分で動きださなきゃ何も始まらないぜ!?

とヴァンダムファンにはたまらない小ネタだらけでアクションも楽しめるファンサービスたっぷりの作品だった。

前述の通りたった6話で打ち切りになってしまった状態だ。100万円を100人にあげるくらいならヴァンダムに金をあげてシーズン2の資金援助をしてあげて欲しいところだ。

コメディタッチだが、ヴァンダムの人生を統括している。「その男ヴァンダム」でもメンタルの危うさが描かれていたが、実際躁うつ病らしい。

男なら弱さは見せたくない。特にずっとスクリーンで最強を見せていたヴァンダムなら尚更だろうが、全てをさらけ出した。

第6話より。トラウマと向き合うヴァンダム。

ヴァンダムの自虐ネタでは片づけられない一人の男の傷だらけの人生が刻まれている。(打ち切りという事もあり180分で)

「ジャン=クロード・ヴァンダム・ジョンソン」とはヴァンダムにとっての「ロッキー・ザ・ファイナル」であり「レスラー」であり「ボヘミアン・ラプソディ」なのだ。

「俺は何もない!」と言っていたヴァンダムだったが、彼はようやく自身が世間から愛されている事に気付いた。

そう、みんなバカにしているんじゃない、愛しているんだ!!

どれだけお尻を出してもチンチンは出さないヴァンダムからプロ意識とは何かを学んだ人も多いはず。

キックボクサーやユニソルで育った人間は世界中にたくさんいる。

映画好きと言ってる手前声を大にして言えないが、ほんとは誰もが「タイムコップ」が大好きなんだ。

「サドンデス」が取り上げられないのは人気がないからではなく、純粋におもしろいからネタに出来ないだけ。

実際、どれだけ離婚を繰り返しても娘は父の背中を追いかけてグラビアで開脚しているし、出身地のベルギーには銅像だって立っている。

今年で59歳、ビーパワーはいつだってあなたの味方ですよ!

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