クリント・イーストウッド。
かつては荒野のガンマン、
今では御年88歳にして名監督と知られる、
ここ最近は『世界が仰天ニュース』あるいは『
家族を一切顧みなかった頑固一徹の爺さんの危険なバイトーーそれ
そんな「え⁉マジで⁉」となる、
しかも主演は監督であるイーストウッド自身！
まさに真の意味でイーストウッド印の実録映画である。
麻薬の運び屋と聞くと、思わずスリル・ショック・
しかも主演は、かつてのタフガイとして名を馳せたイーストウッド。
予告を見ても、
俺もそうでした。
だが！いざ蓋を開けてみると、
まず本作のイーストウッドはお世辞にも良い人とは言い切れない。
洋ラン園を経営し、
そんな調子なので、
いよいよ失うもんすら無くなりそうになるイーストウッド。
しかし捨てる神あれば拾うメキシコ人あり。
ふとしたキッカケで麻薬を運ぶ、
まあ老い先短いだろうし、何より失うもんは無いな！
という訳で、
コワモテのメキシカン達に促されるまま、
しかも、まあまあ良い金も貰えるじゃないのよ、と。
こうして1回だけという条件をド忘れしたイーストウッドは、
回数を重ねるにつれ、頑固ぶり・・・
気が付けば麻薬輸送の道中、道すがらメシを食ったり、
それはそれでカモフラージュとしては満点なのだが、
「爺さん！マジメに仕事してよ！マジで！」と自分の孫位の歳のマフィアに注意されるものの、
最終的には「いい加減にしろ！殺すぞ！」とブチギレられても「
あるいは入れ墨がバンバン入ったマフィア同士が言い争いをしてい
失うもんはない爺さんの凄みとでもいおうか。
とにかくマイペースを崩さないイーストウッド。
いつしか「ブッ飛んだジジイだなあ！」
おかげさまで元締めアンディ・ガルシアのパーティにも呼ばれ、
だが、どんなに車を走らせて金を稼いでも、どうしても家族との失った時間は簡単に戻らないのだった。
本作に、爆発！破壊！バイオレンス！な映画的な派手さはない。
80代の頑固なイーストウッドが若い娘と3Pする為に脱ぐ、
だが、
そんな「今までの人生すらも、色々好き放題に寄り道ばっかだったんだろうな
結果、老境のイーストウッドが哀愁たっぷりに「
おそらく並のジジイの説教では、ここまで説得力はないだろう。
ともあれ車は安全運転でも、人生は免停直前だった爺さんを描く、
