The Dirtが公開されてクイーンに続き、モトリークルーが大ブーム!!
カラオケではHome Sweet Homeを歌う人が続出!!夜な夜なShout At The Devilを叫ぶ世界が来る!!と思っていたがネットを見る限りそこまで盛り上げっていない・・・。どうしてだ。あんなにおもしろいのに!!あんなロック映画はないぞ!!
アメコミもいいけどもっとモトリークルーを好きになろうぜ!!
という事で2発目。
心肺停止した事もあり、ようやくヘロインを卒業したニッキーシックスがバンドのリーダーであることを思い出し、やる気を出しまくって「Dr.FeelGood」をリリース。
グルーヴィーなタイトル曲の他にレース番組ではほぼ確実に流れるKickstart My Heartや、陽気なSameOl’Situstion(S.O.S)、日本ではB’zのAloneの原曲として有名なTime For Changeなど名曲揃いのアルバムは全米1位を獲得。
しかし連日のツアーにメンバーも疲れはじめ、特にバンド練習をさぼりがちになったボーカルのヴィンス・ニールが練習に4時間遅れの上に逆ギレして脱退。
後任で迎え入れられたのは元スクリームのジョン・コラビだった。
ヴィンスのコカインをキメたドナルド・ダックのような声と違い、ハスキーなジョンは歌唱力もあり、ギターも弾ける。
他メンバーの気合も入りまくり、自信たっぷりにバンド名をつけた「Motley Crue」は俺はモトリーで一番好きなアルバムだったりする。
モトリーをベースにパンテラばりのヘヴィさ、グランジ風味をトッピング
曲も凝っており聴けば聴くほどアレンジに唸る名曲揃い。そしてハードな演奏に負けないジョンの強烈な歌声。
初めてPower To The Musicを聴いた高校生の時、全身の鳥肌が立ったのは鮮明に覚えている。
シングル曲のHooligans Holiday
ロックンロールなPoison Apples
戦車が爆走しているような音圧のSmoke The Sky
メロディも歌詞も泣けてくるDriftaway
どれもジョン・コラビが加入したからこそ生まれた曲だ。
音楽的にもバンドのやる気も最高潮だったが、全世界でコケた。理由はシンプルでファンがモトリーに求めるものではなかったからだ。
あまり触れられていないが、一足早くリリースしたヴィンスのソロアルバム「Exposed」が「誰もが求めるモトリークルーの音楽」だったというところも痛手だった。
そしてもう一つの問題。ジョンが良い奴過ぎた。
タトゥーだらけでいかついが、明らかに人の良さがわかる顔つき。
スタッフが機材を運ぶのを手伝ったりしてニッキーに「もっとロックスターらしく振舞え」と怒られた事もあるらしい。
ジョンなりに「モトリークルーらしくしなくちゃ」と思いグルーピーを持ち帰るなど努力していたが、生粋のガキ大将のヴィンスの後釜はつらかった。
やがてバンド内もレコード会社も世間も失敗はジョンのせいとして何をやっても批判される状態。
やがてバンドはクビにされて嫁は逃げる。給料の未払いでモトリーを訴えるなど誰から見てもドン底の日々が続く。
その後は同じL.AメタルのバンドであるRATTでボーカルではなくサイドギターを弾いたり、90年代終盤から2000年代前半に数多くリリースされたカバーアルバムに参加して生活費を稼ぐ日々。
KISS、VAN HALEN、MSG・・何をしても本家よりうまいのが余計に切ない。
ソロのアコースティックライブでDriftawayからHome Sweet HomeへのメドレーをするのだがHome~になった瞬間に盛り上がるわずかな客。
ミュージシャンとして一流なのに、ルックスも最高なのに、いつまでも残念な人扱いされているジョンを俺は応援し続けた。
それから20年以上の時が過ぎてジョンに転機が訪れる。The Dead Daisiesへの加入だった。
オーストラリアの大富豪であるデヴィッド・ローウィーがビジネスから離れた後、財力とコネをフル動員させて組んだスーパーバンド。在籍者はロック界の有名人ばかり。
そのバンドの2代目ボーカルにジョンが入ったわけだが、今回はモトリーの時と違い、ジョンが入ったことで一気にバンドが上昇した。
当初は金持ちの道楽バンドと言われていた事もあったそうだが、ジョンはこれまでの全てをぶつけたと言わんばかりに貢献。
ルックスもスティーブン・タイラーのようなおじいちゃんに変貌しており更にかっこよくなっていた。
50代後半になってついに花開いたのである。
そして2017年、俺にとって人生最良の日が来た。奇跡が起こってDead Daisiesのライブ後のミート&グリートに当選した。
緊張して明らかに震えてしまっている声で前から言いたかった事を伝えた
「You are My favorite Singer in my life」
ジョンはニコッと笑い「Thank You Very Much Im’honored」と握手して写真を撮ってくれた。
ライブが観れただけで幸せなのに会えて写真も握手もできてサインも貰った。
夢が叶った。想像していたよりも遥かにカッコよくて良い人で「生きててよかった」とはこういう日の事なんだろうと思った。
翌年の来日公演でも奇跡が続き、またミート&グリートでジョンに会えた。この時は日本語について質問された。
一番会いたいミュージシャンに会えた。一生の宝物だ。
もう「あの人は今」じゃない。「低迷期のボーカル」とバカにされることもない。
今年でジョン・コラビも60歳。年齢は関係ない事を証明してくれている。いつまでもカッコよくいて欲しい。
久しぶりにジョンのインスタを覗いたらオモ写していた。