「クリヘム荒れる!!殺める!!取り乱す!! タイラーレイク 命の奪還」

皆さん、病んでますか!?

リアルでもネットでも誰もがイライラするのがよくわかる。
政治やマスクの転売にも怒るのも疲れるだけ。

周りと話していてもフットサルが出来ない、買い物にも行けない、飲みに行けない。
在宅勤務で一日中PCの前で仕事しているだけという声も聞こえてくる。

GWが始まるがなかなか外に出る事は難しいだろう。

特に気の利いた事は言えない俺だが、子供の頃から
・インドアのエリート
・プロの引きこもり
・帰宅部のスタメン
・友達より持っているフィギュアの方が多い

と罵声を浴び続けられてきたので、自宅で孤独過ごす方法についてはそれなりのキャリアがあり熟知している。

このじめじめとした気持ちを吹き飛ばすのはオンライン飲みでも筋トレではない。

「暴力」だ。

というわけで最近思わず唸ったのが今回紹介する「タイラーレイク 命の奪還」です。

Netflix配信、主演が「マイティーソー」のクリス・ヘムズワース、製作が「アベンジャーズ:エンドゲーム」などMCUでお馴染みのルッソ兄弟という布陣。

あらすじは

誘拐されたインドの麻薬王の息子を救出するために傭兵タイラーレイクがバングラディッシュのダッカに潜入!!

案の定、作戦は失敗!!街中が敵でいっぱい!!
この地獄のサバイバルゲームから果たして帰れるのか!?インドに!?

以上!!

とこの上なくシンプルな内容!!

家で頭を使わずぼーっと観るのにバッチリな内容だ!!とソファーで寝転びながら観始めたわけだが、10分と経たないうちに背筋をピンとして鑑賞していた。

「ジョン・ウィックばりのCQBを得たランボー」
「「13時間」が時間大幅延長」
「「ボーダーライン」中東に移転」
と言わんばかりのバイオレンスアクションの良い所どりみたいな映画だった。

まずクリヘムがすごい!!

口数の少なさ、愛想のなさ、命を軽視と「ヤバイ戦闘マシン」の3大要素を全てクリア
冒頭から抜き打ちで崖からダイブするというランボーリスペクトのヤケクソさも披露。

一緒にいたオッサン同様、テレビの前の俺もドン引きした。

私服にタクティカルベストというハリウッドで最もオシャレなファッションに身を包み、ライフル、ハンドガン、そしてCQBと状況に応じて正確かつスピーディーな格闘術で死体の山を築く。(BCMのライフルをベースにホロサイトとブースターをマウント、ハンドガンはシンプルにグロック17といかにもPMCな装備)

格闘シーンはジョン・ウィック風ではあるが、スタイリッシュなキアヌ・リーブスとは違い
クリヘムは野獣。一つ一つの暴力が重くエグい。

ハンマーと斧ではなくナタで何度も切り裂き、相手の体を「みしっ」「ぐちゃっ」と汚い音を奏でる。

相手がガキでも向かって来たら容赦なく腹を殴り、壁に叩きつける。

交通ルールはガン無視でダッカの街を爆走、カジュアルに人間を轢くあたりはソー以上にマイティだ!!

救出する子供が美少女ではなく、天パのイケてない中学生のガキというあたりも硬派。

暴力8 優しさ2の割合でガキとの交流も深めるが、「レオン」のような可憐さは一切ない。

演じるタイラーレイクの性格がジョンウィックmeetsランボーだけでなく仕上げにリーサル・ウェポンといった役満状態。

救出直後に「糖分を補給しろ」と水とチョコバーをあげた直後に、ジャングルを猛ダッシュ。

「トラックで人を撥ねた!!」とドン引きしているガキに「悪いか?」と論破。

議論の余地なく建物から建物へジャンプ、トラックから飛び降りを命じるので救出されたガキも余儀なく強くならざるおえない。

(劇中、臭い下水道の中で二人で隠れるシーンがあるが、ハエやゴキブリ、ネズミが這っているというガチで不潔な環境なのでクリヘムの役者魂を感じた)

作品が進むにつれてグレネードランチャーや手りゅう弾も追加。たった一人で街を血の海に変える頼もしさ。

この有志!!表情と装備、ダメージ具合が最高!!この画像だけで語れる!!

クリヘムにソーとタイマンを張れるハマり役が爆誕した。

「クリヘムにとってのランボー的な新しいキャリアの作品」だけではない。

他のキャラもとんがりまくっている。

クリヘムとガキを追う刺客の一人であるサジュ。

クリヘムと互角の戦闘力、トラックで撥ねられても立ち上がる、曲がった骨を自力で治すといまるで「インドから来たターミネーター」だが妻と息子への電話はかかせない良き家庭人でもある。

危険な任務であることを覚悟した上で「すぐに帰るから。ママを手伝えよ。いつだって大好きだぞ」と電話で息子を話すシーンは涙なしには見れない。

本作でハリウッド・デビューしたインドの俳優ランディープ・フーダーさん。劇中では銃を持った長州力のようだったが、実際は超絶イケメンという違う意味で革命戦士だ。

全身を隠していたマントを脱いでH&K MP5SD6で瞬殺するカッコよさ!!ただのMP5ではなくサプレッサー付きのSDという点もアッチャー!!(ヒンディー語で「いいね」)

タイラーの雇い主であるニック(ゴルシフテ・ファラハニ)が着こなすタクティカルベストとSCAR-Hの組み合わせはハリウッドタクティカル女優部門1位(俺調べ)!!

イラン出身の中東美人!!ドレス姿のギャップも必見。

敵であるバングラディッシュの麻薬王であるアミールは一見若手のIT起業家っぽいが、ガキであろうがその場のノリでビルから突き落とす容赦のない腐れ外道。

ミスして指を詰めさせたガキに「俺からの助言だ」と優しい言葉をかけるあたりもゴリゴリの外道!!「おもしろいから」という理由でコロナとか緊急事態宣言とか無視で出社させそう!!

これだけ暴力に溢れた作品でありながら、ラストはクリヘムの男気とガキとの絆で泣けるという憎い映画で鑑賞後はお腹いっぱい!!

さすがルッソ兄弟!!相変わらずええ仕事しよるで!!褒めたるわ!!

これからも生活は制限され、明日の生活も見えない日々が続くので誰もが本作の暴力を存分に楽しめるメンタルコンディションのはずだ。

こんなに荒れる!!殺める!!取り乱す!!と3拍子揃ったクリヘムが観れるのは「タイラーレイク」だけ!!