ついにホットトイズのハルクバスターが届いた。
嫁の説得に3年、予約してから2年。
計5年。手に入れるまで長い道のりだった。
今回はしがないサラリーマンがハルクバスターを手に入れるまでの5年のドキュメンタリーです。
■2015年
地球最大の二次会こと「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」が公開される直前だったと思う。
ホットトイズが1/6サイズでフィギュアを作る事を発表してネット上に衝撃が走った。
映画公開と合わせて開催されたホットトイズのイベントで初めて現物を見た時から俺の心はカツアゲされていた。
欲しい・・・でも高い。定価12万円。
家賃で12万円でも高いのにお人形で12万円だなんて・・・どうかしてる。
通常のムービーマスターピースはまだ何とか買える。
でもハルクバスターは・・・・買えそうにない。
映画公開にあわせて六本木で催されたホットトイズのイベントで見たハルクバスターは想像を遥かに超えてカッコよかった。
ずっと見てたら物欲で気が狂いそうになる。
気持ちをごまかすようにイベントでキャンギャルのLINE IDを聞いた。
結果、全員から断られて、メッセージボードに「炸裂連弾 ビーパワーハードボイルド」と書いて帰った。
帰りの新幹線でフィギュアの写真をもっと取ればよかったと後悔した。
その日の夜、嫁にさりげなく「買っていい?」と聞いたら「何言ってるの?」と即答で却下された。
「どうせ、本編での登場時間は短いし!!そもそも家に置くとこないし」と自分に言い聞かせてマーベルレジェンドのハルクバスターを買って我慢した。
■2016年
予約価格でも10万円くらいだったハルクバスター。
予約したもののビビってキャンセルした人が続出したのだろう。
しばしばキャンセル空きによる再予約受付のメールマガジンが届いた。
やっぱり欲しくてしかたない。
「ハルクバスターだけど予約していい?ていうか予約する!!」と強気に出たところ、
「そんなに欲しいなら勝手に買ったらええやん。」
と返ってきた。嫁の口調からマジでイラついているのがわかった。
俺は「冗談やで、あんなのいらないよ。置く場所ないし」と作り笑いすることしかできなかった。
その後、手取りについて実際より低く報告している事がバレて、毎月一定額を家に振り込むルールからお小遣い制に変わった。
さらにハルクバスターは遠のいた。
■2017年
1月に家を買って引っ越しした。
嫁は内装作りを楽しんでいた。
「ソファーは妥協したくない」とネットで15万円のソファーを注文している嫁に対して
「おまえがソファー買うなら俺もハルクバスターは妥協したくない」と言って引っ越し早々ケンカになった。
ソファーに限らず、照明やテーブル、椅子と家具を注文する嫁。
毎日大きな段ボールが届く。
「今ならバレないだろう」とどさくさに紛れてホットトイズのアイアンモンガーを買ったら速攻でバレた。
嫁が注文した組み立て式のテーブルだと思って開けたらホットトイズだった。また怒られた。
2017年11月
ハルクバスターが発売された。当時、手に入れた方々が
「すげぇ」「超重い」「めっちゃ明るい」「最高のオモチャ」
と絶賛していた。
全員くたばればいいのにと思った。
ひがみだった。
2017年12月
転職した。
「給料アップして嫁がそこまで働かななくても楽に過ごせる。出来るだけ家でゆっくりさせたい」というのが大きな理由だったが、個人的にもハルクバスターを買うためというのは少なからずあった。
年収を上げて家の生活を楽にする。嫁に家計で悩ませない。そうすれば俺も正々堂々と嫁と交渉できる。
■2018年
案の定、ハルクバスターはプレ値となり、ヤフオクで探しても定価より高い値段ばかりだった。
「縁がなかったな・・・。」と諦めつつあった。
秋くらいにハルクバスター再販のニュースがあった。
しかも今回は劇中に出てきたジャックハンマーアーム付きでデラックス版!!
やった!!・・・・16万!?
4万円も値上げしてる・・・。予約でも13万6千円。もうおもちゃである事をド忘れしている。
バカ上がりじゃねーか。おまえらなんてちっともホットじゃねぇ!!クッソトイズが!!
荒れた。酒は飲めないからココアとコーラをたくさん飲んだ。太った。
ある日の嫁とのLINE
そんな中、東京コミコンでのサンプル品が置いていた。
やっぱりハルクバスターは眩しかった。
最高にカッコいい。
ずっとハルクバスターの前で立ち尽くし写真を撮った。
もうお金とか置く場所とか関係ない。
東京から帰った夜に伝えた。
「僕本当にハルクバスターが欲しいの、買わせてください。お願い・・・」
嫁がついに認めてくれた。
即座にトイサピエンスで予約した。
トイサピエンスの場合、金額の30%が前払いになるので、翌月4万円が通帳からスッパ抜かれていた。
発売までにお金を貯めなくちゃ。
買う権利を得るのに3年もかかった俺としては節約も楽しくて仕方なかった。
・昼飯は一人で食べる時はおにぎりや立ち食いそばで済ませる。
・コーヒーはコンビニの100円のもの。
・月末は公園の水を飲む
・お菓子は買い過ぎず、どうしてもお腹が減れば道端のグミの実やどんぐりを食べる
・それでもお腹がへれば唇の皮を食べる。
・交際費を減らすため友達とどんどん縁を切っていく。
と工夫していった。
昔からガチャガチャや中古DVDなどを買うのが好きだったし、安く売っていたらとりあえず買うみたいな所があったが、「ハルクバスターを予約した」という事でかなりムダ使いが減った。
■2019年
節約の結果、発売予定日から1年近く前の夏くらいにはお金は既に工面できていた。
家の近所のどんぐりはほぼ食べつくしたし、俺のスマホには両親以外からは連絡が来なくなっていたが、仕方ない。
後は到着を待つだけだった。
トイサピからの発送通知メールはいつ来るのだろう。
香港では暴動が起きている・・・とにかくホットトイズが襲撃されない事を祈るしかなかった。
前倒しするだろうと思っていたハルクバスターはなかなか来なかった。
■2020年
コロナで映画も軒並み延期、コロナで誰もが出歩く事すら難しい。
下手な映画よりひどい現実になった。
東京オリンピックはなくなったし、テレビもネットもよくないニュースばかり。
そんな中ついにハルクバスターが届いた。
想像より大きかった。そして重い。
テープを切り、輸送箱から出していく。
カバーを外し、発泡スチロールの梱包箱から開けた瞬間の感覚は忘れない。
仕事はトラブル続きだし、会議は夜遅くまであるし、落ち込みがちな一週間だったが全て吹き飛んだ。
この5年間、ネットやSNSで画像を集めてはスマホに保存。
持ってる人が羨ましくて仕方なかった。
ムダ遣いを減らして貯金した日々。
コンビニのカップ麺、おにぎり、唐揚げ、菓子パン、100円コーヒーの味・・・。
俺の家にやって来たハルクバスターは最高にカッコよかったし、最高に重かった(8.8kg)
この土日、腕を付け替えたり、電池を入れて発行させたり、写真を撮ったりしていた。
大きいので存在感があり過ぎてフィギュアというより家族が増えたみたいな感じだ。
普段、フィギュアにポーズをつけて遊んでいる俺を気持悪そうに見ている嫁も俺の嬉しそうな様子を見て「よかったね」とまんざらでもない様子だった。
13万6千円。
お金持ちじゃなくても、手が届く値段だ。
学生は厳しいかもしれないけど、サラリーマンなら新卒でも買えるだろう。
独身時代にギターなどもっと高い物を買った経験はあるけど、ハルクバスターは思い続けた期間、買うまでの過程も含めて特別になった。
税金や貯金や他に買うべきもの・・・考えればたくさんある。
「13万もフィギュアに払うくらいなら海外旅行の方がいい」という意見は死ぬほど聞いた。
そういう問題じゃない。
俺はホットトイズのハルクバスターが欲しい!!
人を羨むくらいなら、手に入れる方法を見つける。
「〇〇さんには妻もしくは旦那がいるけど、奪いたい」「権力が欲しい」
と言う類のものはノーコメントですが皆さんも欲しいものがあれば一度計画を立ててみてください。
毎日が楽しくなるし苦労した分だけ手に入れた時の喜びと達成感はすごいですよ。
どこに飾るのが一番テンション上がるか考えた結果、玄関で出迎えてくれるが一番という結論になりました。
ジャックハンマーアームに付け替え。俺の腕より太い。指相撲ができる。
部屋をコロコロで掃除してくれるハルクバスター
※気が向けばハルクバスターレビュー編書きます。