公開が「エンドゲーム」後・・・人類史上最悪のプレッシャーの中での修学旅行「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」

年々暑さがひどい。

今年はプレデターも狩りの予定をキャンセルするレベルだ。

日が暮れても暑いくて外に出るだけで体力を奪われるような猛暑。

古来より夏バテに効く映画は「プレデター」、「となりのトトロ」と相場が決まっている。

子供の頃には夏になるとこの2作が地上波で放送されていたので、夏になったら地上波で放送されようがされまいが毎年バルベルデと七国山を行ったり来たりしている。

今年になってこの2台名作に並ぶこれは夏にばっちりだ!!という1本を見つけてしまった。

「スパイダーマン ファーフロムホーム(以下FFH)」

何を今更!!と言うあなた。まぁ落ち着いて。

誤解を恐れずに言うとこの映画は「腰があってつゆもおいしく、いくらでも食べれるそうめん」のような味わいがある。

スパイダーマンをそうめん呼ばわりするな!!

と怒る生真面目なMCUキッズはビーパワーハードボイルドは見ていないだろうし、仮に偶然この記事を目にしてクレームが来たとしても

スパイダーマンだって手からそうめんみたいなの飛ばしてるだろが!!もっとちゃんと映画見た方がいいよ!!」と論破できるので準備も万端だ。

というわけでそうめんムービー「FFH」について紹介します。

時系列は「アベンジャーズ/エンドゲーム」から数か月後。

オープニングでサノスによる指パッチン事件の報道。

死んだ(姿を消した)ヒーロー達が映し出され、ホイットニー・ヒューストンの名曲にあわせて追悼が始まるが、それは高校の校内放送。

あの人類の半分が消失した痛ましい事件で人々の身に何が起こったのか・・・

「弟が年上になってた。」

以上!!

「エンドゲーム」ではあのヒーローの中でも常識人だったホークアイが家族を失い、極端なツーブロック、タトゥー、悪人は無差別で殺人と荒れに荒れ狂っていたが、

「学年末テストまで終わってたのに学年の最初からやり直し」と愚痴りながらも割とすんなり受け入れている高校生たち。

この校内放送はある意味で映画史に残るオープニングだと思う。

思い出して欲しい。

本作は歴代興行収入1位になった「エンドゲーム」の数か月後という地球最大レベルのプレッシャーの中で公開された。

単なる名作ではない。シリーズの11年の集大成の作品。「人生で一番好きな映画はエンドゲーム」になった人は世界中にいるだろう。

エンドゲームの雰囲気を引きずっても、軽くし過ぎてもボロカスに言われるだろう。

当時、俺も「エンドゲームの後はいくらスパイダーマンでもつら過ぎるよな」と期待と不安でいっぱいの中、観に行ったが「5年経ったら弟が年上になってた」で爆笑したのを鮮明に覚えている。

普段、あまり映画の分析はせずどちらかというと「絶対、前作を観ないで作った」という作品を好む傾向があるが、「FFH」に関しては

「この映画の脚本・・・。毎日朝4時くらいまで会議して決めたんだろうな」とマーベルの製作陣が消費したであろうモンスターエナジーの量に思いをはせてしまう。

シリーズ全体の主人公トニー・スターク(アイアンマン)の死後という事もあり、世界観に暗い影は落としているが、

トニーがピーターに託した形見が人工衛星型の爆撃機を操作できるデスメガネだったり、

本作のヴィランであるミステリオの正体がトニーに恨みを持つ元社員一同だったりと
「そういえばトニーってこういうとこあったよね」と思い出させてくれるアイアンマンいじりが不在の寂しさを埋めてくれる。

「エンドゲーム」前の物語にして切り離す事もなく、時系列的に数か月後の話という真っ向勝負をしながら「ピーターが高校の修学旅行先でトラブルになる」というスパイダーマンらしい日常レベルの話にすんなり切り替えている。

トニーのダメなところをほんのりいじって寂しさを笑に変える。

CGの限界に挑戦したようなアクションやかつてのトニーのように新スーツを作成する
ピーターの心の成長もきちんと描く。

あっさりしているけど、ストーリーはおもしろい。この辺が「FFHは最高のそうめん映画だな」と思うところだ。

スーツのアップグレード機能を生かしたスマートな戦闘をするのかと思いきや爆弾を振り回すという乱暴な戦いをするあたりが地味に好き。

劇中の音楽もピーターがアップグレードスーツを作るシーンのBGMがAC/DCの「Back In Black」(「アイアンマン」でトニー・スターク初登場で流れた)


最後は「ホームカミング」同様ニューヨークパンクのレジェンドであるラモーンズで締める(曲はI wanna Be your Boyfriend)と絶妙!!

まるでめんつゆの中の青ネギのような・・・・ほら!!やっぱりそうめんだ!!

本作は恋愛パートも熱いのでまだ語らせて欲しい!!

ピーターとMJはもちろんイチ押しはネッドとベティ。

「話してみたら共通点がたくさんあった」とお互い「ベイビー」と呼び合うなど周囲お構いなしでイチャつく。

これが男がイキっていたり女があざとさを出していたり、交際の裏に金の匂いがあれば
殺意が芽生えるのだが、おそらくこれまで浮いた話がないであろう二人が初めて恋人が出来て舞い上がる様子に俺を含むポテトボーイ、ポテトガール達の支持を勝ち取っている。

それにしても「ナイスガイズ」といいアンガーリー・ライスのあざとさが皆無のかわいらしさ!!

勝手に「息子が家に連れてきたら嬉しい彼女部門1位」と決めている。

案の定終盤で別れる二人。

こういうカップルは別れると大抵男の方が引きずりまくってめんどくさくなり、同性からも一気に嫌われるのだがネッドが

「男と女が分かれても、共に歩んだ道は心を成長させる」

とやせ我慢気味にキャラに合わないスカしたセリフを決めるあたりが更に株を上げている。

本当は死ぬほど落ち込んでいるだろうから、ネッドとは朝まで付き合って最後は意味もなくドライブで海を観に行きたい。そして泣いているネッドを見て俺ももらい泣きしたい。

メイおばさんに発情するハッピーの中年の恋愛も負けていない。
「スパイダーマンのおばさんが好きだ!!」と叫んで周りがドン引きする様子に男はいつまでもみっともなくいたいものだと思わせてくれる。

さっぱりそしてしっかり!!
公開から1年経過して「FFH」が俺の夏の風物詩に加えられた。

何故かamazonで初回限定版スチールブックが投げ売り状態だったりするで買うなら今がお得。

ベニスの景色やハイドロマンなんて水が涼しそうだし、おばけアイアンマンも出てくるのも
蒸し暑い夜にぴったりですよ。


個人的にアップグレードスーツは予約済。ホットトイズは「ホームカミング」のスパイダーマンの出来がめちゃくちゃよかったので結構期待している。