いよいよ「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が10月1日に公開される。
もともと2020年2月公開だったのがコロナの影響で約2年弱延期。
こんなに使わなかったムビチケははじめてだ。
007といえば、1962年から歴史があり全25作。
なかなか今から入っていくことに躊躇する方もいるだろう。
また、ジェームズ・ボンドがいつの時代もおじさん達の憧れということもあり、スキあらば高級腕時計を巻いた007おじさんにマウントを取られかねない非常に危険なコンテンツだ。
健全な少年少女達が被害をあわないためにも007について紹介していこうと思う。
まず殺される覚悟でいうが、007シリーズは「名作の皮を被ったポンコツ映画」だということ、
約60年の歴史を持つ映画だが、時折ワイルドスピードの方が知性を感じることもある。
大学生の時に007シリーズとセガールの主演作を交互に見続けるという今思えば狂気のような時期があったが
何度かセガールの映画の方がストーリーがまとまっていると思うこともあった。
はっきり言って意識の高かった事は皆無だ。
60年間ひたすら「男の想うカッコいい」と「バカ」を続けたシリーズなので、ふらっとコンビニに入る感覚で
ハイエナジー、ローIQな007の世界に入ってほしい。
というわけで007の見どころについて紹介します。
【1.歴代ジェームズ・ボンドの見どころ】
初代:ショーン・コネリー。
古参ファン及びこじらせた自称シネフィルほど「ボンドといえばショーン・コネリー」と言いがちだが、果たしてコネリーボンドは本当に素晴らしかったのだろうか。
確かにその後のアクション映画の土台を作ったのは確かだし屈強かつダンディな佇まいは今もオヤジ達の憧れではある。
とはいえ冷静に見るとムカつく奴は射殺、視界にいる女は全てパコるというセックス&バイオレンスに溢れた作風に持ち溢れている。
近づいてくる女すべてがスタイル抜群、酒をおごればセックス、パーティーで出会ってセックス勤務中もセックスと貞操観念が崩壊している。
全世界の童貞に「女は酒をおごればすぐにヤレる」という勘違いを植え付けた罪深きショーン・コネリー。
シリーズ全体を通しても2作目の「ロシアより愛をこめて」が人気だが、誰もがストーリーより「シーツの下は裸。身に着けているのは黒のチョーカーだけ」というダニエラ・ビアンキの痴女っぷりにやられたというのが本音だろう。
また、(これはショーン・コネリー時代に限らず)シリーズを重ねるごとにどんどん車本来の目的を忘れるアストンマーチン(ボンドカー)を筆頭に持ち物の殺傷能力が上がっていく。
日本を舞台にした「007は二度死ぬ」で髪を黒に染めただけで「日本人」と言い張ったショーン・コネリーの強引さは忘れないでおきたい。
最後に大事な事だがコネリー・ボンドの最高傑作は間違いなく「ザ・ロック」だ!!
二代目:ジョージ・レーゼンビー。
たった1作で終わったレーゼンビー・ボンド。
たまには思い出してあげよう。
今回この記事を書くにあたり調べたところ、どうも1作でお役御免になった背景は若干30歳でジェームズ・ボンドになった事がうれしすぎて手当たり次第女を口説いたり撮影現場でも素行不良だったらしい。
「女王陛下の007」では広瀬香美もドン引きするほどゲレンデが溶けた!!
3代目:ロジャームーア。
ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビーとワイルドなボンドから一転、優男なボンドが登場。
「ワイルド・スピード」のドムが突然ヴィン・ディーゼルからジョセフ・ゴードン=レヴィットに変わったかのようなイメチェンぶりに当時の007ファンは腰を抜かしただろうが、ロジャー・ムーアが現時点で一番長くボンド役を続けた事は事実だ。
「死ぬのは奴らだ」で颯爽と現れたムーアボンドだが、ロジャー・ムーアのキャラに影響されたのかどんどんナンパになっていく。
女好きなのはジェームズ・ボンド共通だが、コネリーのそれとは違いとにかくチャラい!!
水着連発おっぱい祭!!だった「私を愛したスパイ」から明らかに「スターウォーズ」の二匹目のドジョウを狙った「ムーンレイカー」
さすがにやり過ぎたと反省したのか次作「ユア・アイズ・オンリー」で急にシリアスになったのは味わい深い。
「キングスマン」や「ルパン3世」のオシャレ×ユーモア×ダンディな作風は明らかにムーアボンドの影響を受けている。コリン・ファースとロジャー・ムーアってどことなくかわいい紳士なところが似ている。
ショーン・コネリーではなくあえてロジャー・ムーアが一番良いと語る人が多いのも納得できる。
晩年ロジャー・ムーアが「ボンド役をまたやるには女性を口説くには年を取りすぎたからね」と茶目っ気たっぷりに答えていたのはカッコよかった。
4代目:ティモシー・ダルトン
年齢的な理由で降板したロジャー・ムーアから引き継いだティモシー・ダルトン。
もともと派手なアクションの007だが、ここから火薬多め、暴力多めのハードボイルドアクションに!!
英国紳士というよりスタローン/シュワルツェネッガー的ともいえるストロングスタイルに俺は燃えた!!
2作で終わったが、個人的に好きなダルトン・ボンド!!
好きが高じてカラオケでAhaの「リビング・デイライツ」を歌ったらドン引きされた。
甘酸っぱい思い出だ。
5代目:ピアース・ブロスナン。
ショーン・コネリーの男くささとロジャー・ムーアの軽さが程よくブレンドされたボンド。
後に「ミッション・インポッシブル」「ワイルドスピード」など多くの作品に影響を与えたであろう「元気に無茶しよう」「限界に挑戦」精神が爆発!!
「ゴールデン・アイ」ではボンドだけでなくM役やマネーペニーも交代
「トゥモローネバーダイ」でワルサーPPKからワルサーP99に持ち替えた事、
「ワールド・イズ・ノット・イナフ」で長年Qを務めていたデズモンド・リュウェリンが引退と変化の多かったブロスナン・ボンド
前述のとおり同じ時期にショーン・コネリーが「ザ・ロック」で伝説の英国諜報員を演じ、
ボンド力を爆発させたのはつらい所だが、
「ゴールデン・アイ」での盗んだ戦車で走り出す解釈を誤った尾崎豊アクションや能力査定官や産業医に「もっと徹底的に検査してくれ」ととんでもないカンニングを決める。
ただし「ダイ・アナザー・デイ」だけは絶賛すると(政治的な意味で)色々とややこしいので沈黙を貫こう!!
ちなみに80年代生まれなら知ってて当たり前だがニンテンドー64版「ゴールデン・アイ」は神ゲームだ。
なお、ピアース・ブロスナン。ボンド引退後に色気が尋常じゃない事になっている。
めちゃくちゃカッコいいのでPierce brosnan とググるだけで幸せになれます。
6代目:ダニエル・クレイグ。
「金髪、碧眼」という身体的特徴で盛大に叩かれた形ではじまったダニエル・クレイグ!!
当時すでに前述の「ミッション・インポッシブル」「ワイルドスピード」のみならずマイケル・ベイなど007精神を継承して無茶をする映画が急増。
ちょっとやそっとじゃ話題にならない。果たして007はどうしたのか!?
超硬派なストイックボンドが炸裂!!
フタを開けてみれば一作目の「カジノ・ロワイヤル」が傑作中の傑作!!
名セリフ「ボンド、ジェームズ・ボンド」がいつもなら「出たよ~」と笑う所だが、「カジノ・ロワイヤル」だけは泣けた。
今を時めくマッツ・ミケルセンに金玉を拷問されるある意味で濡れ場もあり
これはこれで「ジェイソン・ボーンシリーズのパクリじゃねーか!!」と文句を垂れるやつもいたが、お前は黙ってろと言いたい。
まさに現代版スパイアクション!!カッコいいの濃縮還元。
続く「慰みの報酬」でも硬派路線で進み007総集編スペシャルとも言える「スカイフォール」は傑作。
スカイフォールの成功で「過去のオマージュ増しまし」が受けると思ったのか007のショッカー軍団ことスペクターを復活させた「スペクター」はちょっとすべった印象。
【2.おすすめ作品。】
個人的に一番好きなのはとにかく渋かった「カジノ・ロワイヤル」だけど、硬派過ぎるのでこれが007だとは思わない方がいい。
それと次に観る007が「ムーンレイカー」あたりだとショック死する可能性もある!!
「ゴールデン・アイ」や「リビング・デイライツ」あたりも好きなんだけど、入門編としておすすめは50周年記念作でありシリーズのお馴染み要素が詰まっている「スカイフォール」。
クールなダニエル・クレイグボンドも程よく007に染まり、どんどんヤケクソになっていくところや最後がまさかのボンドの実家で決戦、トラップで敵を皆殺しという地獄のステイホームを見せてくれるのも必見。
また、ジュディ・デンチがM役として最後になるのだが、別れのシーンでも小粋なジョークで返しあうボンドとMのやり取りがカッコよくて涙が出てくる。
【3.俺のボンドガールベスト3】
1.エヴァ・グリーン(カジノ・ロワイヤル)
他の映画では積極的にヌードになるエヴァ・グリーン。ただ本作のボンドガール役はエロい意味なしでよかった。
2.バーバラ・バック(私を愛したスパイ)
リンゴ・スターの奥様です。エロいです。
3.アナ・デ・アルマス(ノー・タイム・トゥ・ダイ)
まだ見てないけど惚れました。
番外編:グレイス・ジョーンズ(美しき獲物たち)
あのドルフ・ラングレンが惚れて優等生の道を踏み外すきっかけになった方です。とても個性的な方です。
※「エクスペンダブルズ2」にてバーで語っている女性の事は彼女の事です。
【4.主題歌ベスト3】
1.You Know My Name(カジノ・ロワイヤル)
→007というか映画史上屈指の名曲
2.The Living Daylights(リビング・デイライツ)
→カッコいい
3.All Time High(オクトパシー)
→「テッド」でのマーク・ウォールバーグの絶叫カラオケも必聴
【5.最後に】
作品の多さや長い歴史からMCUやスターウォーズより入りづらいかもしれない007だが、冒頭で書いた通り「名作の皮を被ったポンコツ映画」です。
半世紀を超えて
「楽しかったけどストーリーがいまいち思い出せない(≒ない)」
「オープニングで乳首が見えた見えないが最大の論点になる」
と安定した偏差値の低さで我々を魅了してきてくれた。
また、現代のアクション映画の元ネタになっているので
「このシーン、あの映画で見た!!」的な楽しみ方もあるだろう
今までもこれからも先もジェームズ・ボンドはアクション映画好きのみんなの味方!!
身構えずなんとなく観に行くくらいの軽いノリで飛び込もう!!