MCUでお馴染みのルッソ兄弟
「アベンジャーズ/エンドゲーム」や「キャプテンアメリカ・ウィンターソルジャー」など、
MCUの中でも最高傑作と呼ばれている作品を手掛け、世界中のキッズから神格化されている。
インターネットでは絶対に批判してはいけない兄弟だ。
「エンドゲーム」以降の作品を見ていると二人のルーツであろう、70年代~90年代のアクション映画の影響を強く受けた作品を製作しており、「タイラーレイク 命の奪還」や「21ブリッジ」などはその手の映画が好きな自分には最高だった。
そんなルッソ兄弟の最新作であり監督を務める「グレイマン」がNetflixで配信された。
・Netflixオリジナル最高の製作費
・主役はライアン・ゴズリング
・共演にクリス・エヴァンス、アナ・デ・アルマス
・クリス・エヴァンスが悪役
と公開前から話題だった本作。
配信が楽しみですぐに観賞した。
あらすじ
CIAの裏仕事請負人シエラ・シックス(コート・ジェントリー)はバンコクで暗殺任務を遂行していた。
ターゲット暗殺に成功するが、死ぬ間際にターゲットが同じCIAの同業者であることを教えられデータチップを渡される。
「CIAに裏切り者がいる」「これは闇が深すぎる」と急遽逃亡することにしたシックス。
CIA本部長カーマイケルはデータチップの中身がガチの闇なのでシックス抹殺を計画。
抹殺を任命されたのはCIAを「非人道的」と5か月でクビ。
裏世界でもサイコパスで有名なロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)
ロイドはシックスの上司フィッツロイや姪クレアを人質に取り、世界中のどこまでもシックスを襲う
仮眠を取る暇もないほどハードな逃亡生活のシックスは、CIAエージェントのダニ・ミランダ(アナ・デ・アルマス)の協力を受け、フィッツロイとクレアの救出に向かう。
いや、これでも長い。
「ライアン・ゴズリングが世界中でクリエヴァに襲われ続ける」だ。
キャストやスタッフからスタイリッシュな映画をイメージしていたが、中身は「お金をたっぷり使って、思いっきり無茶をする」清々しい作品だった。
こう書くとマイケル・ベイ的な作品をイメージするかもしれないが、本作は80年代のスタローン、シュワルツェネッガー、ジャッキー・チェンの影響が濃い・・・
早い話がビーパワー的に強くオススメしたい作品なので緊急で紹介したい。
まず、クリス・エヴァンス。
ご存知の通りキャプテン・アメリカでお馴染み。
今後一切スキャンダルを起こせない責任を負っている彼が悪役という事で本作で最も関心がある要素だった。
「世界中から慕われているキャップ」なのでおそらく「ダークナイト」のジョーカーのようなカリスマ性溢れる悪役を想像していたが、
秘密の暗殺計画だというのに世界中に兵士を送り込み。真昼間から銃撃戦を起こしていた。
悪役は悪役でもジョーカーではなく「コマンドー」のベネットだった。
変なちょび髭とツーブロックとピッチピチのポロシャツと白パン。
とびっきりの笑顔で拷問する姿は変態そのもの。
キャプテン・アメリカに夢を与えられた少年少女が観たら熱にうなされるんじゃないかという振り切れっぷり。
自らの手で「脱キャップ」したクリエヴァの漢気に俺は惚れた。
そしてアナ・デ・アルマス。
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」で美貌とは裏腹にマティーニ一気飲みでボンドをサポート。
任務が終わり次第即退勤というナイスギャルな彼女を見てファンになった人は多いだろう。(俺の中でも歴代ボンドガールで1位だ!!)
007での登場時間が短かっただけに「もっと彼女の活躍を観たい」と思っていたが、
本作では期待に応えるように今回はライアン・ゴズリングを終始サポート。
またセクシーなドレス姿でアクションを魅せてくれると思いきや、本作では殴り合いで顔はボコボコ。
全力疾走しながらロケットランチャーを連射する様子はボンドガールではなく「ランボー」だった。
あの美貌なので画面に映るだけでも観ている我々は嬉しくなるものだが、顔は殴られ、腹は蹴られ、何度も地面や壁に投げ飛ばされる。
口から血を流し戦う姿は正真正銘スタローン・イン・マイハートだった。
彼女は自分の美しさにあぐらをかく事はない。ひたすらカッコよかった。
二人の気合に応えるかのようにライアン・ゴズリングも荒れる。
最初こそスーツで決めるいつものハンサムゴズリングだが、ジャージ姿で飛行機から飛び降りるし列車の上を走る往年のジャッキー・チェンアクションを披露!
彼の現在のハリウッドでの立ち位置を考えるとそこまで無茶をする必要はないと思うが、オシャレをかなぐり捨てて戦う姿は男の中の男だった。
この通り主要キャスト3人の気合が極限まで高まっているのでルッソ兄弟も負けていない。
製作費と内容を比べて「飲み代に使い過ぎたのでは」と思うような作品も多々あるが、世界中で大爆発させていたのでしっかり映画にお金を使っているのがわかる。
それを証明するかのように輸送機や建物だけでなくおばあちゃんも爆発していた。
また「マトリックス レザレクション」でバッグスを演じていたジェシカ・ヘンウィックが無茶な上司と上司以上に常識が通用しないクリエヴァに振り回され続けるCIA捜査官を演じており、終盤でこれまでのストレスが爆発してブチ切れる姿にとても親しみを感じた。
とにかく大きな事をやり遂げた人たち。この写真から伝わる「優雅」さは本作には1mm足りとも存在しない!!
観終わった後
「ライアン・ゴズリングがジャッキー・チェンみたいに無茶していた。」
「クリエヴァが自分がキャプテン・アメリカだった事をど忘れして無茶していた」
「アナ・デ・アルマスがスタローンばりに無茶していたが大丈夫だろうか」
と様々な思いが頭をよぎったが、ストーリーに関しては何も残っていなかった。
ただ「とにかくすごいものは観た」という満足感でこれを書いている。
普段の疲れでうっかり寝落ちしてしまう事も多い最近だが、やっぱりこういう映画は疲れを癒してくれる。
やっぱり映画は
「知能より気合」
「ロジックより暴力」
「中身のないストーリーに多すぎる火薬」
は名作の条件だなと、映画サイトを運営している人間とは思えない感想で今回は終えたい。
絶賛Netflixで配信中なので気合を入れずに観て欲しい。