今こそ語ろう「ブレイド」

時代の風がまた、「ブレイド」及びウェズリー・スナイプス(以下ウェズ)に吹きつつある。(気がする)

おそらく「あの」映画で久々の再登場をした彼を見て、今の30~40代はビーパワーの前回の記事のように歓喜の声を上げただろうし、若い方は「あのおっさん誰!?」と思ったことだろう。

彼の再登場はそれこそビーパワーを始めた頃からずっと期待をしていたが、ウェズの年齢的にも厳しいと思っていただけに本当に嬉しかった。

そこで改めて全3作を観返したのでブレイドについて語ろうと思う。

【まず初めに】


ブレイド・・・1973年に登場したマーベルのキャラクター。本名エリック・ブルックス。
母が妊娠中に吸血鬼(ヴァンパイア)に襲われたため、ヴァンパイアと人間の特質を兼ね備えたハーフとして生まれる。
そのためヴァンパイアの優れた身体能力と再生能力に加え、本来弱点の紫外線や銀、ニンニクも平気という強力なキャラクター。

ウェズリー・スナイプス・・・・1962年7月31日フロリダ生まれ。

「メジャーリーグ」や「ライジング・サン」「デモリション・マン」
など90年代の名作に多数出演。アクションからコメディ、シリアスな演技まで全て出来るマルチプレイヤーでさりげにヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞している。

ポリコレという言葉が注目される以前から実力でハリウッドの一流スターとなったブラックアメリカンである。

【映画「ブレイド」シリーズについて】

第1作目が公開された1998年当時といえば、アメコミ原作でヒットしたのは「バットマン」と「スーパーマン」くらいでDCばかり。おまけにマーベルは1997年に倒産している状況。

今のようにアメコミ映画がメジャーではない、というかめちゃ厳しい中で公開された。

予算も中規模ながら大ヒット!!

絡んできたヴァンパイアは皆殺し!という予習一切不要のシンプル極まりないストーリー。「X-MEN」や「スパイダーマン」どころか「マトリックス」もまだ公開されていない中で時代を先取るスタイリッシュ過ぎるアクション。

日本刀や銃をブレイドが振り回す度に炭となるヴァンパイアたちの描写は爽快。
おまけにアクションが得意なウェズだけに回し蹴りや関節技を決める度にいちいちポーズを決める姿はひたすらカッコよく当時の中高生及び、中高生の心を持った大人達の心を鷲掴みにした。

ただ単にカッコいいだけでなく、ウェズのシュワルツェネッガーを凌駕する鋭い角刈りと白すぎる歯、サングラスを外す見えるつぶらでキレイな目・・・まるで夏休みに初めて恋を知った中学生のようなピュアさがあった。


※シリーズを通してここぞという時に必ずサングラスをかけ直すのでウェズ本人も目のつぶらさは自覚があるように思う。

かつて「童貞を殺す服」という露出の高い服をグラビアアイドルがこぞって着ていたが、バッキバキに鍛え上げた肉体にブラックレザーとサングラス、
そしてびっしりのトライバル柄のタトゥーのブレイドの方が童貞への殺傷能力は高いと言える。

そんなCool&Pureなギャップもブレイド及びウェズの魅力だと思う。

余談になるがタッグパートナーの”DIE”sukeさんが「剣道部で角刈りの奴のあだ名がブレイドだった。本人もまんざらでもないみたいで喜んでブレイドのポーズを決めていた」と話していた。俺も是非ともブレイド君に会いたいが音信不通らしい。

「黒い中学生」ことブレイドは原作ではそこまで目立つキャラクターではなかったが、ウェズの人間力でスパイダーマンよりも早くハリウッドで成功したキャラクターとなった。

4年後の2002年に続編「ブレイド2」が公開。

監督は後に「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」でお馴染みのギレルモ・デルトロ!!
共演にあのノーマン・リーダス(とんでもないキャラで登場するので彼のファンなら是非とも観て欲しい。)と小島監督の「デス・ストランディング」より17年目も早く集結!!


さらに後にハリウッドでも活躍する香港のカンフースターであるドニー・イェンも召集するなど、ウェズのアンテナが時代の最先端を突っ走っていた。

もはやCGなのではないかという程鋭い角刈りだったヘアスタイルに相応しく内容も濃厚。
新たなる新種リーパーズ打倒のためヴァンパイアと共闘するブレイド。

クラブや下水道での乱闘シーンは必見。もともと良かったアクションだが前作と比較しても立ち回りがカッコよく心に中高生を持つ者は全員ブレイドに夢中だった。

ちなみに本作でアクション指導を務めた谷垣健治氏によるとウェズはキレイな立ち回りよりワルさが入っているちょっとえげつない感じの攻撃が入っているとニヤリと笑って「That’s nasty!」と面白がっていたそうだ。さすが黒い中学生!!

また、一族の宿命や友人との絆など人間ドラマもグッとくるシリーズ最高傑作だ。

そして2年後の2004年には「ブレイド3」が公開。
仲間にライアン・レイノルズ、ジェシカ・ビールが加わり戦力も増強された!!はずなのに

何を血迷ったか肝心のブレイドが赤いロングTシャツに着替えるのだが、このTシャツが不適切なほどにピッチピチ過ぎる!!
黒一色なのがカッコよかったのに。

おまけにコートの裏地も真っ赤になっており、その姿はまるで田舎のヤンキー高校の番長のようだった。

この痛恨のコーディネートに影響されたのか、本作の敵であるヴァンパイアの始祖、ドレイク伯爵も妙に意識が高い発言が目立ち、正体が「髪を切ってダース・モールのメイクをしたプレデター」とどこかで見た感がすごいキャラクターだった。

最後にどうでも良い土産(本作の場合コメント)をするあたりもプレデターだった。

戦力増加の割にはジェシカ・ビール以外はいまいち役に立たず、全員をまとめても過去2作のブレイドのパートナーだったウィスラーよりも戦力はどっこい。

ライアン・レイノルズは悪態をついては殴られ、ヴァンパイア化したポメラニアンに追いかけ回されていてばかりだった。
ちなみに本作から2016年のデッドプールまでの間ライアン・レイノルズの冬の時代が続く。

今こそ振り返る!!「デッドプール」大成功までのライアン・レイノルズの涙の日々

こうしてウェズのブレイド業は廃業となったわけだが、あくまで前2作と比較するとという話であってアメコミ原作映画としてはおもしろい部類に入る佳作だ。

「ブレイド」シリーズ。今回記事を書くにあたり全作観返したが、驚く事に現在の感覚で観ても映像が美しくスタイリッシュだった。

映画でも音楽でも古き良きものは「レトロ」「クラシック」と言われるが、「ブレイド」については全く古臭さを感じさせない現在進行形のカッコ良さだった。

そしてやっぱりウェズの歯は白すぎるし、目はピュアだった。

続編求む!!これまでも、そしてこれからも待ってる!!

2024年7月31日現在、アマプラで全作観れるので夏休みに是非観て欲しい。