「やっぱり・・・・これやでぇ。」
10月17日にNetflixで配信された「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」があまりにも良過ぎてうっとりしている。
手首の傾き方、足の開き具合、芸術的な狙撃を見せるザク。
SDガンダムが入口で小学生の頃はGガンダムがブームだった事もあり、宇宙世紀ではない変化球のガンダムも割と問題なく受け入れれる方だが、ここ最近は・・・
決して悪口ではないが、友達の彼氏だとか婚約者だとか身近なところで好きになったり別れたり、核爆弾がカジュアルに放たれ大量の死者が出ている戦いの後に、スッキリした顔をして砂浜で全裸になってるカップルなどを大量に接種し過ぎた。
主人公が軟弱でなく、男女関係が乱れていない。
「ミリタリーテイスト溢れるガンダム」を待ち望んでいた。
そんな思いもあり「MS IGLOO」をアップデートさせたCG、「ポケットの中の戦争」「08小隊」を感じさせる作風に予告の時点から「これは俺が観たいガンダムだ」と激しく期待していた。
期待し過ぎている俺に大学の友達から「落ち着け!Gセイバーの事を忘れたのか?」と言われた。
そして配信された10月17日、仕事で家に帰ったのが22時を超えていたが夢中で一気に見た。
最初は字幕、そして先日吹き替えで2回目を観たところだ。
舞台はヨーロッパ戦線、連邦軍のしぶとい反撃にあい、疲弊してきたジオン軍の元に現れた謎の新型「ガンダム」
ガンダムといえば1作目の頃から「連邦の白い悪魔」と呼ばれていたが、今回は悪魔過ぎる。
ガイコツのようなデザインはもちろん、ビームライフルを撃てばあたり一面が溶ける!!
そして固い!!
バズーカを後ろから撃ち込んでも、爆撃してもアンテナ一つ折れない固さ!!
反則的に強すぎて怖すぎる!!
おまけにRX-78-2以上に怒りに燃える闘志があり過ぎて巨大な敵を
討てよ討てよ討てよ討てよ討てよ、潰せ、殺れ、蹴散らせ、恐怖のどん底に落とせ!精神。
結果、素手でザクのコクピットを破壊する放送規制寸前のバイオレンスっぷり。
正義の怒りをぶつけ過ぎて大変なことになっているガンダムに影響されてか、
ジムも容赦なくビームやバズーカを撃ち込む暴君に成長。
ジムといえばシリーズを通してウエハースくらいの耐久力だが、本作のジムはマシンガンを至近距離で撃ち込まれてもなかなか倒れない固さを得ていた。
そんな圧倒的な強さの連邦軍相手にザクが薬莢を撒き散らしながら挑むのだからたまらないものがある。
特にグフカスタムの扱いはVIP待遇。
プレデターのビリーばりにガンダムに挑む漢気、予告でも見せたスライディングガトリングガンと大活躍だ。
他にもガンタンクの正しい使い方や仲間の脱出のために無理する旧ザク。
MS以外にも存在感のある61式戦車やマゼラアタックなど濃すぎるミリタリー要素に大満足だった。
また近年足りていなかった要素。ナイスな軍人が目白押しだ。
「復讐のレクイエム」には目も乳もデカい美少女はいない。
キレイな女性はいるが、この戦場にいるのは刈り上げお母さんとタトゥーびっしり鼻ピアス姐さんだ。もちろん恋愛には1mmも走らない。
ポケットの中の戦争のサイクロプス隊を彷彿とさせるレッドウルフ隊といい体臭が臭ってきそうな戦場を駆け抜ける軍人たちばかり。
個人的に好きだったのがロネ少佐。
管理職として職務を果たそうとするがつい感情的になったり基地を破壊された無力感で酒を煽る。
そしてすっかり曇ってしまった目と無精ひげ。中年の哀愁に溢れていた。
2回観て感じたことだが本作はガンダムとしてはもちろん戦争映画としても完璧。
思わず「エントリー!」と叫びたくなる見せ場だらけのパラシュート降下
「プライベートライアン」ばりに銃声が響き渡る地上戦。
あっという間に壊滅する精鋭部隊。
残ったメンバーで脱出。
敵地へ潜入して鹵獲。
脱出する仲間にために命を張る者。
特にスクラップを流用して組み立てたザクはビーム兵器対策で全身にキャタピラを取り付けたりシールドを2枚重ねにするなど俺の好きな「現地改修」に溢れている。
脱出地点を必死で守る旧式の兵器(旧ザク)
この旧ザク、他のMSと違いフルオートではなく3点バースト射撃でガンタンクのキャタピラを確実に破壊しているので相当なベテランパイロットが乗っている。
そしてソラリ達のハンドガンでのクリアリングやザクがマグチェンジをしながらバリケードに隠れるシーンとか人間もMSも銃にしっかり向き合っている。
どうか本作で終わらせず、連邦視点でのストーリーやズゴックやゴッグが活躍する他地域での戦いが観たい。
この記事を書くにあたって3回目の観賞を終えて
ガンダムが遠距離はライフル、近距離ではサーベル、接近し過ぎるとガトリングガンでガード崩しという的確な戦闘をするなぁとか
パイロットが誰かわかるだけにコクピット素手潰しは恐ろしさが倍増するなぁとか
アーフン少尉は喉までタトゥー入れててすごい根性だなとか、
ユーリはキレイなウルヴァリンみたいだなとか
4話のジムはいくらなんでも固すぎるとか
6話の港を防衛するザクのライフルの撃ち方がカッコいいとか
新しい発見をしては楽しんでいる。
最後に、真剣なお願いだ。
ガンプラの流通を落ち着かせて欲しい。発売日に近所の家電屋の開店1分後に行ったら既に全てなくなっていた。俺に作らせてくれ・・・。