公開30周年記念。今こそ、スタローンの「スペシャリスト」にエロ目線抜きで向き合おう。
「映画ファンなら〇〇は見るべき」とか「〇〇の良さがわからないのは映画好きではない」とか昔から続く謎の上から目線には反吐が出るが、最近、「あの映画は大多数の人が本質を理解せずきちんと観れていないのではないか。」と思った作品がある。
それがシルベスター・スタローン、シャロン・ストーン共演の「スペシャリスト」だ。
「スペシャリスト」といえば検索してもらえたら一発で出てくる通りスタローンとシャロン・ストーンのラブシーンが話題になった作品だ。
公開当時もメディアではラブシーン場ばかりが注目されていたし、今と違ってテレビでも放送されていた時代だったので、性に目覚めていなくても「スペシャリストはとにかくすごくエロい」という印象だけ持っていた。
大学生の頃に観返したが、あの時はスタローンそっちのけでシャロン・ストーンの乳や尻を見ては喜んでいた。
なので俺自身これまで「スペシャリスト」の事を聞かれたら恥ずかしながら「とにかくエロいんだ。」としか薄っぺらい感想しか言えないでいた。
スタローンファンとして反省している。
そんな俺も来年で40歳。悲しいかな性欲はかなり落ち着いてしまっている。
ちょっと待ってくれ・・・今こそ俺は「スペシャリスト」に対して真剣に向き合えるのではないだろうか?
昔数百円で買ったDVDを取り出して再生してみた。
あらすじ
元CIAの特殊工作員で現在はフリーの爆破請負人のレイ・クイック(スタローン)・・・・ってフリーの爆破請負人ってなんやねん!!どんな仕事やねん!!
普段どのように仕事してるのだろうか?「この案件だと一爆破100万円です、夜に実施の場合30万アップします。」みたいな見積書を出すのだろうか?
冒頭で、過去のCIA時代の任務が描かれて、上司(ジェームズ・ウッズ)と意見があわず爆破するダムからダイブ。ブチ切れて上司に馬乗りになって殴るという
ハリウッドらしい退職手続きを見せてくれる。
10年後、メイ・マンロー(シャロン・ストーン)から両親を殺した犯人達に復讐するため爆殺してほしいと依頼を受ける。
電話での依頼に対して(タウンワークとかに電話番号載せてるのだろうか?)「俺は殺し屋じゃない」と断るスタローン。
さすがスペシャリスト、男の中の男スタローンだ・・・・とスタローンに惚れ直した矢先
「声がいい」という理由だけで二つ返事で暗殺の仕事を引き受けるスタローン!!ウソだろ!!
シャロン・ストーンは当時36歳。言葉を選ばずに言わせてもらうと、ものすごいエロい!!
どんな男でも一瞬で言う事を聞くであろうセクシーだし、家に帰ると網タイツだったり、上半身は裸だったりと部屋着もとにかく不適切なのだがスタローンには色仕掛けは一切不要だった!!
「声がいい」というだけで電話一本で暗殺を引き受けるスタローン。男として・・・危機管理がなさ過ぎるだろ。
その後、こっそりシャロン・ストーンを盗撮してはどんな女か確認もしにいく。
男として気持ちは理解できるがこんなスタローンは見たくなかった。
ネコとスタローン。話には関係ない。
シャロン・ストーンと会話する時に使う公衆電話がありえない場所にあったりもするが暗殺シーンでは、一切周囲を巻き込まず対象のみを確実に爆殺するスペシャリストっぷりを発揮。
爆破の一例を挙げると、ホテルの最上階もこの通りポキっとな!!
さすが爆破のスペシャリスト。それにしても断面がウエハースみたいだ。
完璧な仕事っぷりに恐れたマフィアが協力を求めた捜査官は、なんとスタローンが昔に馬乗りして殴りまくったCIA時代の上司であるジェームズ・ウッズ!!
スタローンには今でもめちゃくちゃ怒っているし、暗殺現場を見た青年にジョークを言って笑わせた後に「笑うな!!」とブチ切れる情緒の不安定さだ。
フリーの爆破請負人、エロい女、マフィア、情緒不安定な捜査官、最後に笑うのは誰だ!?
今回改めて観て、話題のラブシーンが霞むほど90年代の元気なアメリカがたくさん見れるゴキゲンな作品だ。
筋肉のどこに効果があるのか2024年の現在でも解明されないスタローン体操
ユニーク過ぎるファッションセンス
とスタローン作品には必須の観た後に「あれは何だったの?」と強烈な疑問が残る小ネタはあるし、スタローンとシャロン・ストーンが出会うのがなんと、知らないばあさんの葬式。
「待ち合わせ場所:他人の葬式」は失礼過ぎるだろう。
マッチングアプリなどを利用している方はくれぐれも待ち合わせを他人の葬式にするのだけはやめよう。
それと本作のスタローン、フリーの爆破請負人というのはやはり経済的に厳しいのか白いシャツが汚れていたり基本的にスタローンが汗っぽくてにちゃにちゃしているのだが、シャロン・ストーンと一緒にシャワーを浴びてから
めちゃくちゃサッパリしたスタローンが見れる。バスローブも柔らかそうでいい匂いがしそうだ。
「男は清潔でいるべき」というスタローンメッセージと受け取った。
ちなみにシャロン・ストーンと一戦交えた後に「君は謎が多すぎる!!」と賢者モードでキレるが、シャロン・ストーンに泣きながら「あなたに会いたい」と言われると秒で待ち合わせ場所を指定する。
書いていて少し悲しくなるが、俺はそれでもスタローンが大好きだ。
クライマックスではジェームズ・ウッズが聞き込みをしたところ、近所のスーパーのガキから「このおっさん、たまに買い物にくるよ」という一言でアジトの場所が特定されて絶体絶命になるスタローン。
なんとアジトを自ら爆破。この辺のヤケクソっぷりは必見だ。
こんな感じで好き勝手書いているが全ての復讐をやり遂げた後の
スタローンとシャロン・ストーンの粋な会話から流れ込むエンドロールはめちゃくちゃカッコいい。
クールな二人、オープンカー、主題歌が流れるタイミング、フロリダの景色。終わりよければすべてよしとはこの事だ。
今回、年を取ってようやく「スペシャリスト」をエロ目線なしで観て、ようやく本作を存分に楽しめた気がする。これだから映画はおもしろい。
まとめ
・上司に馬乗りパンチするスタローン
・スタローンの仕事がフリーの爆破請負人
・色仕掛けなしで「声がいい」ってだけで暗殺を請け負うスタローン
・独特過ぎるスタローンファッション
・どこの筋肉に効くかわからないスタローン体操
・待ち合わせ場所が他人のばあさんの葬式
・風呂上りのさっぱりしたスタローン
・ウエハースみたいなホテル
・賢者モードになって一瞬キレるが、簡単な色しかけですぐに元通りのスタローン
・リアルボンバーマン
・爽快なラスト
最後にラブシーンを演じるにあたって気合が入り過ぎているスタローンのコメントを紹介したい。