気持ちは嬉しいけど・・・やり過ぎです。「ビーキーパー」

ステイサム史上最強の世直し風紀委員爆誕

あけましておめでとうございます。昨年はありがとうございました。
今年もぼちぼちやります。

全く休みがなかった去年と違い今年は休みが長くてありがたい。
と、いっても年末から体調を崩してほとんど家でゆっくりしていました。

何か体にいいものを、できるだけ爆破や血しぶきが多くて景気がいいものを接種したいところ。

主演がジェイソン・ステイサム。監督が「エンド・オブ・ウォッチ」や「サボタージュ」「スーサイドスクワッド」のデヴィッド・エアー。

これは確実に「人を元気にする暴力」が観れる!!ということで2025年初映画は「ビーキーパー」にしました。

本作、第1弾ポスターのキャッチコピーが「この男、キレたら終わり。」

「それならみんな知ってる!!」と誰もがツッコミを入れたであろうが、次に発表されたポスターのキャッチコピーが「キレる。」に変更。

髭も通常より6割濃い目、めちゃくちゃ怒ってるステイサムを見て「劇場公開を待たずして怒っちゃった(爆)」とワクワクしながら劇場公開を待ち続けた。

映画館に行ってみたらまさかの満員、小さい映画館とはいえ、洋画でここまで埋まるのは珍しい、今年は空前のステイサム旋風が巻き起こるかもしれない。

もしくは「ワイルドカード」のポスター以上に目が座っているステイサムを見て「何か自分に不備があったのではないか。」と正月早々謝罪でご来場された方々なのかもしれない。

ステイサム演じるアダム・クレイは養蜂家。

アメリカののどかな風景をバックにステイサムが淡々とミツバチの世話をしてハチミツ作りに勤しんでいる。

ご近所の老婆のエロイーズさん(なんと、「クリード」のアドニスママを演じたフィリシア・ラシャド!)との関係も良さそうだ。

俺が見た限り、ステイサムはそんなに怒っていない。「キレる」って書いてたからドキドキしてたけどホッとしたよ。

このままハチミツご近所物語が続いて欲しいなと思った矢先、エロイーズさんがフィッシング詐欺で全財産を奪われ自殺!!

エロイーズさんの娘でFBI捜査官のヴェローナに(主に見た目で)速攻で「おまえ犯人だろ!?」を疑われるが、「いいえ、私はただの養蜂家です。」と事情聴取に素直に応じている。

落ち着いて事情聴取を終えたステイサムはミツバチの巣箱から厳重に梱包していたトランシーバーを取り出すと、どこかに電話。
電話の先が何の組織かは一切謎だが、とにかく話が早く、すぐに詐欺グループの事務所をステイサムにご案内する。

詐欺グループが入居しているビルの前に来たステイサム。

ご近所さんがフィッシング詐欺で自殺したのはつらいし腹立たしいが我らがステイサムも50代後半。若くはない。

捜査はFBIに任せておとしなしくしていた方がとおせっかいな気持ちになった次の瞬間、ガードマンたちをボコボコにした後、両手にガソリンに入ったポリタンクを持って詐欺グループの事務所に訪問。

やっぱりめちゃくちゃ怒っていたよ!!

ガソリンをまき散らした結果、ビルは全焼、逃げ遅れた社員4人が死亡。

さっきまでこれだったのに、

一瞬でこれ!!

詐欺グループの元締めに電話する支店長。この元締めも支店長も20代後半から30代前半でイキりまくったガキ共だ。

ステイサムのミツバチハウスを特定し、支店長及び武装した刺客で殴り込みに行くが、相手はステイサム、しかもめっちゃ怒っている状態だ。

刺客達をミツバチハウスごと燃やした後、支店長については指を全部切り落とし拉致。

元締めに電話させた後、支店長をアクセル全開の車にしばりつけて剛速球で海に投げ捨てる。亡くなったエロイーズさんの事を思っての行動だと思うが、もはや復讐のレベルを超えている。おそらく支店長がイキったガキだったのでステイサム個人の想いも多分に含まれていると思う。

電話口から聞こえる断末魔の叫びを聞かせた後、電話に出たステイサムが元締に伝える。「(おまえの)声を聞いた感じだと若いけど、人生は長いと思うな。」

「こいつなんやねん!!どんな養蜂家やねん!!」とキレる元締めに、元CIA長官で今は元締めの世話をしているジェレミー・アイアンズもうろたえる。

「最悪や・・・ビーキーパーや。お前死ぬぞ・・・」

なんとステイサムは極秘プロジェクト「ビーキーパー(養蜂家)」として育てられた社会秩序の維持のためなら何をしてもOKな最強兵士だったのだ!!

あっ!!納得!!

ステイサムは「ミツバチをうまく育てるビーキーパー」ルールである「女王バチが良くなかったら女王バチを排除する」を人間にもしっかり適用!!
支店のみならず、詐欺グループ撲滅に向けて奔走するのだった。

行く先々でバラバラ死体や焼死体をクリエイトするステイサムに対してヴェローナは悩む。
「(お母さんのかたき討ちという意味で)気持ちは嬉しいけど・・・やり過ぎ!!もうやめて!!」

と職務を全うしようとするヴェローナに対してステイサムは

「法律で解決できないことがあるから俺がいる。」と全く回答になっていないアンサーを力強く返すのであった・・・・。

やがてステイサムの人間ミツバチ化計画は国家レベルの巨大なスケールになってしまう・・・・。

ジョン・ウィックやイコライザー同様「なめてた奴が殺人マシンだった」映画は数あるが、これはステイサムだ。そもそも誰も舐めていない。
それなのに「元最強の兵士」という要素をトッピングされたものだから、結果行く先々で猟奇殺人事件が起こる。

今回ステイサムがやっつける奴はフィッシング詐欺グループや権力者なので同情できないクソみたいな連中が多いのだが、仕事のために出動した特殊部隊がステイサムにバラバラにされるのを見て「この人達にだって家族がいるだろうに・・・」とこれ以上の犠牲が出ないで欲しいと願ってしまう不思議な気持ちになる。

キャッチコピーの「キレる」を見て劇場公開前に既に怒ってる!!と爆笑していた俺だが、取り返しがつかないレベルでキレ散らかしているステイサムに恐怖すら覚えた。

「MEGザ・モンスター2」で他の者が圧死する中、深海を生身で泳いでいたり、どんどん超人化が進んでいるステイサムだが本作での強さは隕石だとか竜巻だとか自然災害のそれだ。

露天商をやっていたり路地裏で泣いていた頃が懐かしい・・・。

ちなみに中国でのタイトルは「蜂神悪殺」!!その通り!!

実際、劇中でも「母親の仇を討ってくれてるのは嬉しいけど・・・・ちょっとやめて欲しいです。」と私情と仕事の間で悩むヴェローナに思わず同僚も「このまま放っておけばよくない?」と言う始末。

FBI捜査官が「もうよくない?」と職務を放棄するのは初めて見たかもしれない。

ジェレミー・アイアンズも立場上、ガトリングガンをゼロ距離で乱射する女など刺客をどんどん放つが結果(全滅)に対して「ほら・・・無理やって。」と言いたげな様子だった。


他の映画での堂々とした彼はいない。終始「俺もう帰っていいっすか?」という空気を漂わせていた。

詳細は省くが、厳重警戒のセレブのパーティーにしれっと出席し、銃弾と言う名のレモンチューハイをがんがん振る舞うステイサム。

結果、詐欺グループ撲滅どころか国家が傾いていた。

「めちゃくちゃでこんなの映画じゃない」という者もいるだろう。俺もそうだと思う!!

ただビーキーパーのおかげで新年を晴れやかにスタートできた人間は世界中に多くいるはずだ。

画面の向こうでステイサムが社会のクズ達にもあるはずの「人間としての尊厳」を暴力で踏みにじっていく。

観た後に笑顔で帰宅できる、犬の散歩や晩御飯を食べながらステイサムに思いを馳せる・・・これぞエンターテイメントではないだろうか?

社会の悪をビーキーパーステイサムが圧倒的な力で粛清するというテーマなので、どうかすぐに続編を!!と言いたいがせめて30分番組でドラマを作ってくれないだろうか。

店で暴れる転売ヤーの臓器を転売する。
献体を撮影する美容外科医の死体を提供する。
裏金をもらっている政治家達を一族ごと抹消する。

ストレス社会にビーキーパーは必要だ。間違いなく今年はステイサム旋風が吹き荒れると断言したい。

ステイサムみくじの結果が大吉だったので晩御飯は豪華にしました♪

あー、もう1回観たい。おかわりステイサムしようかな。

もう今年の映画1位でいいと思う。