日本映画史に残る打ち切り「ゴジラファイナルウォーズ」(感想・ネタバレなし) – Be Power Hard Boiled
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日本映画史に残る打ち切り「ゴジラファイナルウォーズ」(感想・ネタバレなし)

いつの間にやら、何かエライ語られようだな、おい!!

と言いたくなるジャンルの一つに「ゴジラ」がある。
思えば、ガキの頃・・・・

「世紀末覇王、誕生」「破壊神降臨」などの腰に来るキャッチコピー。
画面の半分を覆う極太のゴシック体の文字。
そして小林清志のナレーション。

それらがドバーンと流れる平成ゴジラの予告編を見ては、なけなしの金を握りしめて劇場へ足を運んだものです。

確か「ゴジラVSキングギドラ」だっただろうか。

戦時中に恐竜に助けられたオッサンが金持ちになり、御礼に自前の原子力潜水艦で捜索するというこち亀の中川ばりのパワープレイを敢行したところ、恐竜が事故でゴジラに進化!!

その後新宿にて再会を果たすおっさんとゴジラ。昔話の1つ位するかと思いきや、有無を言わさずに放射火炎でおっさんをチリ一つ残さずにぶっ殺すゴジラなのだった。

今思えば、そういう「人間のことなど知るか!!」と本能のままに暴れ狂うゴジラの大破壊にこそ痺れていたし、誰もがそうだと思っていた。

しかし、ちょうど去年の今頃だろうか。

「ギャレス版ゴジラのケン・ワタナベは何もしてないのに何かした感がある。俺も見習いたいなあ!仕事とかで!」などと、いつものように適当にtwitterで発言したところ、ゴジラ原理主義者なる方に真面目な長文で噛みつかれた。

あの時は、プレイ後に客から純潔について説教される風俗嬢の気持ちが分かった気がしたのだった。

そして最近も「シン・ゴジラ」が公開され・・・。
メタファー、カタルシス、オマージュ、リスペクト、イデオロギー…
もうそこにオナニーという言葉を入れてもスルーされそうな位に横文字が飛び交っている
しまいには現代の政治やらを絡めて高尚かつ真面目にゴジラが語られている。

俺もタッグパートナーのデップーさんと観に行ったわけだが、「そんな説教臭い内容だったっけ・・・」と遠い目になってしまうのだった。

シリアスになろうが突然シングルファザーになろうが毎回ファンの議論の種になるゴジラ。
しかし、そんなゴジラの長い歴史の中でも全てのファンを何とも言えない気持ちにした作品がある。

それが「ゴジラファイナルウォーズ」だ

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「ファイナルウォーズ」の名の通り、ゴジラシリーズ最終章として発表されたわけだが、
そのあまりの偏差値が氷点下まで下がるような内容に賛否両論を呼ぶどころか否の嵐。
「シリーズ累計動員数1億人突破」を宣言しておきながら、達成できなかったどころかシリーズワースト3の動員数で、有終の美どころか、「やっぱゴジラは打ち切りなんだ」という事実を世間に力強く証明した。その後「シン・ゴジラ」まで12年間国産ゴジラを製作されなかったかったのは本作の大失敗が理由の一つだと思う。

「シン・ゴジラ」公開前に観返したわけだが・・・・

「やさしさが無くてどうやって守る?」とドヤ顔で言うTOKIO松岡。

科学者という役柄ではあるがファッションが場末のキャバ嬢のような菊川怜。

ケインのカタコト芝居。

人類を救う泉谷しげる。

「訓練は相手を倒すのが目的じゃない。昨日の自分より強くなるのが目的だ」と言い、
松岡とケインの表情を曇らせる船木誠勝。

昭和な銃の持ち方の宝田明。

足を出し過ぎな水野久美

小さい長澤まさみ。

エセビジュアル系の北村一輝。

何故か討論番組の司会をやっているマイケル富岡。

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ゴジラ原理主義者が見たら白目で泡を吹いて卒倒するような破壊力があった。

そんな豪華なのにありがたさを感じない微妙なキャストの中で一際異彩を放っているのが、この男である。

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どんなキノコ食ったら、そうなるんだ!?と言いたくなるバイオレンスマリオなルックス。
そう、ドン・フライである。

誰だよ!

という人に簡単にご説明すると、かつてアントニオ猪木の引退試合の最後の試合相手にして、プロレスラー高山善廣とパンチ数え歌を繰り広げた、PRIDE男塾塾長・・・・まあ男の中の男ですな。

このドン・フライが演じるのがダグラス・ゴードン。
大きなドリルがゴキゲンな飛行戦艦「轟天号」の艦長にして懲罰上等!な軍人である。

その男気ゆえに、上司から注意されようものなら「軍法会議でも何でも受けてやる。現場にいもしねえでガタガタぬかすんじゃねえ!」と、いきなりシュワルツェネッガーの声(玄田哲章)で返すドン・フライ。

結果、ホントに軍法会議で上官を殴り(暴力の有言実行)懲罰房にぶち込まれるドン・フライ。

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無論、炎のアルティメットキングがそのままおとなしく終わるわけがなく

・宝田明(偽物)を躊躇なく撃ち殺す。

・北村一輝に「家畜が俺たちに勝てると思うのか?」と挑発され「おい若造。お前には知らないことが2つある。1つは俺、2つはゴジラだ。」と宇宙人を若造呼ばわりする挑発返し。

「生意気な宇宙人をブッ飛ばす」と豪快に宣誓。

とグローバルを超えてユニバースな男気で主役の松岡どころか怪獣達の見せ場も奪いかねない一人怪獣総進撃っぷり!!

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LOVE YOU ONLYならぬKILL DON CRAZYだ!!

しまいには、封印したゴジラを使って北村一輝をシバくしかない!!とヤケクソにもほどがある作戦をブチあげるドン・フライなのだった。
いや、流石にソレはまずいだろ…と言われると、こう切り返す。
「破滅する世界なんかもうない。」

「これは誇りの問題だ。隠れて死ぬか、戦って死ぬかだ。」

そりゃドン・フライが言えば、ゴジラもさっさと起床するしかない。

ギャレス版ゴジラでもケン・ワタナベが怪獣ムートーとゴジラを「let them fight(奴らを戦わせよう)」と言っていたが、説得力ではコチラが一枚上だ。

ドン・フライの男気に応えてか、ゴジラは寝起きからテンション高く、出会う怪獣を片っ端から瞬殺する怪獣王っぷりを発揮するのだった。

finalwarsgodzilla

興行収入は惨敗だったが、ゴジラ史上最長の125分、1作で10勝という戦績!!

こう書いてみると確かに「ファイナルウォーズ」は「シン・ゴジラ」に比べたら、逆立ちしながら小便を漏らすようなあらすじかもしれん。

だが、逆立ちしながら小便漏らさなきゃ分からんこともあるじゃない! と言わずにいられない。

「シン・ゴジラ」にはなく、「ファイナルウォーズ」には存在するもの・・・・

それがドン・フライの男気である!

ここまで書いて全然ゴジラというよりドン・フライについてしか書いてない気がするが、まあいいか!

「真面目に語るだけがゴジラじゃない!」というゴジラシリーズの懐の深さを知る意味でも価値のある一本ですよ。

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