殺人マラソン全国大会「ジョン・ウィック:チャプター2」公開前レビュー – Be Power Hard Boiled
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殺人マラソン全国大会「ジョン・ウィック:チャプター2」公開前レビュー

前作は力の半分も出していなかった!!
殺る気スイッチの入ったジョン・ウィックによる殺人マラソン全国大会

以前、住んでいた家の近くに行きつけのラーメン屋があった。

とりたててラーメンが美味いわけではない。

店の前には無造作に食材の段ボールが詰まれ、座席は油で汚れたカウンターのみ。

推定60才の婆さんが厨房に立ち、接客もぶっきら棒そのものであった。

世界の片隅どころか、世界の掃きだめでラーメンを食っているような気分になるであろう。

そんな所に何で好き好んで…という声が聞こえそうだが、俺には行かざるおえない理由があった。

漫画が「ブラックラグーン」、「ヨルムンガンド」、「スプリガン」が何故か全巻揃っているという謎のチョイス。

そして鍋を振る時のババアの鋭い眼光。

「この漫画のチョイス・・・もしかしたら、このババアは元殺し屋なのかもしれん。今では足を洗い、堅気だった亡き旦那のラーメン屋を引き継いだのだろう。ここにある漫画はババアが過去に嗅いだ硝煙の臭いを思い出させるのだろう、そして過去殺めた者への贖罪のために今も鍋を振り続けているのだ・・・とりあえず、今、俺が下手な動きを見せたら、ババアはカウンターの下になるグロック9mmを抜いて俺の額をぶち抜くだろう。」

いわばラーメンが出るまでは心理戦である。

ババアと俺の。

俺の勝手な心理戦の末、遂に出てくるラーメン。

「今日は血を見ないで済んだ、お互いに」と己の命を確認しながら食うのは格別なのだった。

・・以上、非常にどうでもいい前フリであったが、そんな俺の妄想を忠実に再現した映画が公開される。

それが「ジョン・ウィック:チャプター2」である。

世界中の男の子に夢と希望を与えた前作から3年、あいつが帰ってきた‼︎

ありがたい事にもう二度と呼ばれる事はないだろうと思っていた試写をご案内頂けたので一足早く観てきました。仕事をサボって‼︎

という訳で、気になるあらすじ。

前作にて妻の残した子犬を殺され、車を奪われた伝説の元殺し屋-ジョン・ウィック-

あの前作から5日後(はやっ!!)

子犬を殺したガキと親父を殺したくらいではジョン・ウィックの復讐はまだ終わっていなかった。皆殺しという名のロスタイムに突入し、「頑固な汚れは根本から」ということでロシアンマフィアを組織ごとクレンジング!!。

「あれで終わりじゃなかったのかよ!!」と観る者を唖然とさせ、
塩対応ならぬこってり豚骨対応を果たしたのだった。

武器は再度地下室に封印、新しい犬、新しい車で新生活をスタートした矢先、
ド派手な復讐を聞きつけた、かつての得意先のマフィアが仕事を持ち掛けてきたのだ。
どうやら殺し屋業界では「引退後も泣きの一回で頼まれた仕事は断れない」ルールがあるらしく、それを守れ、と。

なにせ前作の復讐が5日前の話である。
全力で断るジョン・ウィックであったが、マフィアは黙って帰らなかった。

なんと帰りしなに「シティーハンター」の海坊主のようなノリでグレネードランチャーを家へ発射!!
豪邸から廃墟にという劇的ビフォーアフターを敢行するのだった。

今回は幸いなことにワンコが死ぬことはなかったが、亡き妻との思い出の詰まった家は全焼。

家はまだしも思い出に損害保険は無い!おそらくローンも残っているだろう、何よりも市役所に「家をバズーカで吹き飛ばされた」と言って話を聞いてもらえるのか?(間違いなく無理だろう)

新たなる目標(殺したい奴)が出来たジョン・ウィックは早速、着の身着のままお世話になってる殺し屋組合に相談を持ち掛ける。

組合的には「泣きの一回ルールは守りなさい。だけど、その後は何をしてもオールオーケー‼︎」との許しを得る。
こうして「仕事はやろう。その後、アイツを殺そう」と決意するのであった。

しかしマフィアも家を燃やした以上タダで済むとは思っていなかった。

何と依頼と並行してジョン・ウィックの首に700万ドルもの賞金を掛け、殺し屋連絡網に
一斉送信‼︎

結果、世界中の殺し屋の的にかけられるのだった。

迫りくる裏世界の殺し屋たち。
そうとは知らずに泣きの一回ルールを果たすべくヨーロッパへ向かうジョン・ウィック。

ジョン・ウィックは果たして追撃を乗り切り、マフィアをキャンと言わせる事が出来るのだろうか?

こうして再び命がデフレ状態の血祭が幕を開けるのだった。

本作のポイント!!

■前作はリハーサルだった。

前作も観たものを呆然とさせる殺しの横綱相撲っぷりだったが、あれは力の半分も出していなかった。

前作が町内の運動会なら今回は全国大会である。

次から次へと繰り出される殺しテクニック。ハンドガン、アサルトライフル、ショットガンだけじゃない。今回は鉛筆も武器にする。

ビーパワーハードボイルドには「身の回りのものを武器にする映画はおもしろい」という評価基準があるが、ペンは剣よりも強しを体現した殺人術は、文房具業界に旋風を巻き起こすだろう。

ちなみに我々が大学の頃「Hになればなるほど固くなるものなーんだ?答えは鉛筆です」というゴミのようなナゾナゾを女の子にするのがちょっとだけ流行った。

・・・申し訳ございません。話を戻そう

他にもさりげなく披露するマガジンチェンジや、残弾のチェックなど細部に至るまでプロフェッショナルな殺し屋感を披露する。

今回も中高生に誤った将来の夢を与えること必須である。

■犬と家は大事
今回は犬は死なない。それは良いとして家がなくなる。
最近ビーパワーハードボイルドのデッドプー太郎も家を買った。
家は買うまで大変だった。与信調査やら、融資の相談、市役所への届け出。
何十枚という内容がよくわからない書類に実印を押す。会社を休んで手続きに行く。
終わらない引っ越し作業、夫婦間が気まずくなることもあった。
家を買ってからは35年のローンを背負うことになった。

だからすごくわかる

ちなみに犬も飼い始めた。
死ぬほどかわいい。

だからすごくわかる

■人類皆殺し屋

道行く人は大体殺し屋、悪そうな奴はだいたい標的、誰一人交通ルールを守らない(車で人を撥ねるのがカジュアル)世界。
殺伐とした世界観が徹底している。

ストリートミュージシャン、ホームレス、お相撲さん
国籍、肌の色、性別・・・誰もが「ジョン・ウィックを殺す」と心を1つにしキアヌ・リーヴスに襲い掛かる。(そして全力で返り討ちにするジョン・ウィック)

人類皆友達ならぬ人類皆殺し屋である。

前述したような、世間は殺し屋でいっぱいという俺の妄想を具現化している。
本作を見た後、コンビニのオバちゃん、駅前でアコギを弾いているお兄さん、駅のホームで鼻毛を抜いているサラリーマンのおっさんですら、誰もが殺し屋に見えてくるなど妄想に拍車をかけていく。

あるいはラッパーのコモンと地下鉄で繰り広げる、周りの誰も気づかない銃撃戦。
ここ日本にも誰にも知られないように犯す痴漢という犯罪があるが、ニューヨークでは誰にも知られないようにサイレンサーで銃撃戦である。

やっぱアメリカは違うなあ!!(危険という意味で)

おかげさまで俺も見た後、おちおち外も出れなくなりました。

■本作を鑑賞前に・・・

公開前なので、あまりネタを割れないのが心苦しい本作。
とりあえず言えるのは、CGを使っていないにも関わらず、見たことのない光景が次々と連発する。

徹底的なお掃除(殺人的な意味で)

そういった点で使い古した歯ブラシや割りばしで細かい隙間の汚れを取る。重曹で油汚れを溶かす松居一代を思い出した。

というわけで「ジョン・ウィック:チャプター2」で繰り広げられる殺人術を観る前に松居一代のお掃除術をチェックしてください。

↑お掃除するキアヌ

↑お掃除する一代

かつてスタローンとカート・ラッセルの超名作「デッドフォール」のキャッチコピーが「ビシッとスタローン!超過激!」だったが今作のキアヌも「ビシッとキアヌ!超過激!」を地で行くようにスーツおよび近接戦闘型のハンドガン捌きから始まり、果ては殺人文房具術までも見せてくれる。

冷静に考えるとスタローンはスーツを脱いで最終的にタンクトップ一丁になっていたのを考えると、キアヌの方がフォーマルな格好を維持していたのでビシッとしているのは間違いない。

これは暴論かもしれんが、演技派かどうかなんてのは最早どうでもいい。
どんな俳優であれ、やはり「殺し屋を演じて輝くかどうか」が重要なのではないだろうか?と思わずにはいられない。

「ジョン・ウィック:チャプター2」
7月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開
配給 ポニーキャニオン
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