ドルフ・ラングレンで号泣 「クリード 炎の宿敵」

あけましておめでとうございます。

年末となると一年が終わるということで気持ちもいいが、新年開けると
「今からまた1年が始まるのか」
死にたくなるのは俺だけじゃないはず

仕事は落ち着く気配はない。朝になると胃が痛む。
平成が終わる以上に消費税アップの方が深刻だ。10%て・・・いつからこんなに愛のない国になったんだ日本。

飯で1000円を超えるとビクつくビーパワーハードボイルドには死活問題だ。

30も真ん中になってくると悟る。きっと今年もパッとしないだろうと・・・。

涙混じりの泥水をすする日々が続くのだろう・・・と新年早々気が重いが、
2019年は一発目から俺の荒んだ気持ちを熱くさせる映画がある。

「クリード 炎の宿敵」

俺の人生におけるベスト映画、「ロッキー」シリーズの最新作。

ロッキーが落ち込んだり元気を出したり、自分を見失ったり取り戻したりしているうちに早40年。

2015年からは最大のライバル、アポロ・クリードの息子であるアドニス・クリードを主人公にして新シリーズ「クリード」がスタート。

これがまさかの「ロッキー」史上に残る名作だった。

スタローン演じる枯れたロッキー以上にマイケルBジョーダンが演じるアドニスはピュアかつホットなハートのオーナー。

特にこのシーン。

今日にいたるまで映画館であんなに泣いたのはクリードだけだ。しばらく席を立てなかった。

そして今もなおブルーレイを普通に観ることが出来ない。何度も一時停止してはメソメソしてしまう。

長年スタローンを追いかける俺として「クリード」のすごいところは、「ロッキー」の良い続編ではなく、シリーズ全体の価値をあげたところ。

長年ネタ扱いされていいた「ロッキー3」「ロッキー4」もクリードによって名作へと変わった。

波打ち際でのロッキーとアポロのフーターズの店員ばりのタンクトップ&ホットパンツも

「ロッキー4」の星条旗パンツも・・・。

全てが熱い涙へのプロローグ。過去作を台無しにする作品は星の数ほどあるが、過去作の評価も上げる映画は滅多にない。

「クリード」を観た後じゃこれも泣けてくる。

誰もがロッキー=スタローンのものだと考えていたが、マイケル・B・ジョーダンが見事にロッキーシリーズのバトンを受け継いだ。

自分でも驚いたが子供の頃から熱心なスタローンファンの俺がそう思えるほど「クリード」及びマイケル・B・ジョーダンは最高だった。

そんなクリードの続編である「クリード 炎の宿敵」今度はなんとイワン・ドラゴが帰ってくる!!息子と共に!!

ついにドルフ・ラングレンが帰ってくる。活字を読んだだけで俺はロッキー4ばりに雪山で叫びたい気持ちになった。

気になる本作のあらすじ

場所は控室。アドニスはチャンピオンの座をかけタイトルマッチに挑戦しようとしている。

セコンドにはロッキー⁉︎
前作でガン闘病中だったはずだが、完全にど忘れしている!!

どこからどう見てもお馴染みのスタローンなのだがまぁ良しとしよう!!

元気過ぎるロッキーの後押しでチャンピオンになったアドニス。

「小鳥ってのは喋るビー玉みてぇだな」とエイドリアンを口説いていたロッキーの恋愛アドバイスもしっかり受け止めるピュアなアドニス。

全く役に立たないアドバイスをキメて自分に酔ってるロッキーに少しばかりイラつきながらも乗り越え、彼女でありシンガーのビアンカへのプロポーズにも成功。この世の春を謳歌していた。

そんな夜、ロッキーのお店に一人客が。

ドラゴじゃないの!?久しぶりやん!!

でもめっちゃご機嫌ナナメやん!!

30年ぶりの再会を喜ぶ気ナッシングでいきなり「アポロの写真は飾ってあっても俺の写真は一枚もなしか?」とお怒りのドラゴ。

それもそのはず、あの戦いの後、ドラゴは国にも肩幅の広すぎる嫁にも捨てられて息子ヴィクターと肩を寄せ合って貧しい生活を続けているのだった。

「俺達はわかりあえる!!」と演説をかましていたロッキーとは違いドラゴにとっては全てを失ったあの日から親子は憎しみだけで生きてきた。

「あのガキと息子を戦わせろ。叩きつぶしてやる!!」とアドニスとの戦いをオファーするドラゴに対して「あいつと戦って俺も大ダメージを負った。全力で無視しよう!!」とシリーズ恒例のイモを引くロッキー。
(ここでないことにされていたと思っていた「ロッキー5」の設定も反映している!!)

しかしこちらもシリーズ恒例、悪い意味で煽りに弱いアポロ一族の血が騒ぎ二つ返事で試合を申し込むアドニス。

タイトルマッチに消極的なノリの悪いロッキーに「また虎の目を忘れてるし!!メェーン!!」とケンカ別れしたアドニスは父のセコンドだったデューク!?の息子に声をかけリングにあがる。

しかし世の中は厳しい。ヴィクターにボロボロに叩きのめされたアドニス。

そして特に気の利いたアドバイスも出来る切ない表情で立ち尽くすデューク2号(この2号、性格が良い以外はさっぱりなので是非ともチェックして欲しい)

試合こそヴィクターの反則負けでチャンピオンは防衛出来たが肉体異常にメンタルがやられてしまうのだった。

すっかり自分を見失ったアドニスに追い打ちをかけるように家庭の問題も勃発する。

そして立ち上がるロッキー。アドニスに言う「炎のガッツだ」と。

おまえはもっと健康に気をつかえよ!!ロッキー!!愛してるぜ!!

自分のため、家族のため、亡き親父のため、戦う理由を見つけたアドニスとガンをド忘れしたロッキーの炎の二人三脚がはじまる。

結論から言うと今回もボロボロに泣いた。なかなか試写室から出られなかった。

ロッキーがノリ悪いのも、すぐに落ち込むのも、アポロ一族が煽りに弱いのも、折り込み済みのはずなのに全てが魂を揺さぶる。

また誰もが注目の入場シーン。もちろんアドニスは親父のように踊らない。
しかし、ジェームズ・ブラウンの歌声よりも星条旗ダンスよりもソウルフルなドラマを見せてくれる。

まだ観ていない方はまさかと思うだろうが、本作のMVPはドルフ・ラングレン!!

ドルで泣かされる日が来るとは一体この地球上で何人が想像できただろうか。

決して60歳になってもちょっと精神がアレなキャラばかり演じてるから泣くのではない、演技で泣く‼︎マジで‼︎

全てを失った男が見せる哀愁と不器用な優しさに涙腺を爆破される。また、ドラゴの息子も見た目は殺人兵器だがアドニスばりにピュアなナイスガイだ。

そした何だかんだでやっぱりスタローン!!最後にあんな事言われたら無理だ…。「ロッキー」シリーズどころか、いつか必ずくるスタローンがこの世から去る日を想像して更に泣ける。

男たちの熱いドラマがてんこ盛り。アドニス、ロッキー陣営にもドラゴ陣営にも感情移入してしまう。
そして畳み掛けるように流れるあのテーマ!!

後半は涙と興奮で感情が行方不明になりっぱなしだった。

最後に本作の一番好きなところ。

過去のロッキーシリーズといえば挫折からの勝利という流れがあるが、「クリード 炎の宿敵」は「負ける勇気」を教えてくれる。

誰にだってそんな経験はあるはず。
頑張ってるんだが結果が出ない。息切れしてしまっている。苦しい。

決して逃げではない、弱さを認めてリングにタオルを投げ入れる勇気。

どんな状況であれ疲れている人ほど救われる作品だと思う。

これだけ歴史のある人気シリーズなのにまた高すぎるハードルを越えた「クリード 炎の宿敵」

劇場にはバスタオル必須。思う存分メソメソ泣こうじゃないか!!

だからお前は家でゆっくりしてろ!!ロッキー!!

新たなる『明日から真似したくなる黒人』伝説の始まり!クリード~チャンプを継ぐ男~

クリード記事その2.合併前の放課後エクスペンダブルズ時代に書いたもの。今読み返したら本作を予言していた!!

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