駆けろ!一筋に!!無敵の男、東映版スパイダーマン!!!

~イェイェイ、wow!!駆けろ!!スパイダーマン!一筋に!命の限り!!~

アメコミにウルサイ人も、そうでない人も名前位は聞いたことがあるヒーロー=スパイダーマン。

最近はチョイ役で顔を出した「シビルウォー・キャプテンアメリカ」でも主役そっちのけで宣伝される辺り、メジャーなキャラクターなんだなぁ、と改めて思ってしまう。

スパイダーマンといえばヒーロー活動とプライベートの両立に悩んでボヤいたり、時には軽口を叩いたり、その等身大ぶりから「親愛なる隣人」との愛称で大変親しまれている。

しかし、そんな彼が「地獄からの使者‼︎」と名乗っていたのを御存知だろうか?

それが東映版スパイダーマンである。

具体的に言うと、それは命の限り、一筋に、戦いづける無敵の男の物語・・・って全然説明になってねえよ!!

詳しくはコチラをお聴きいただきたい。

んなもん聴く時間ねえよ!ていうかますます分かんねえよ!!という方に簡単にご説明すると、

・分かりやす過ぎる敵=鉄十字団

・車検無視の車GP7

・初見殺しロボ=レオパルドン

など気持ち良いほど「親愛なる隣人」など知るか!と言わんばかりの作品なのだった。

まさにアメリカが生み、日本でグレた!!と言いたくなるテレビシリーズである。



以前、ビーパワーハードボイルドの2人で朝方まで見たのだが、良い大人を朝まで夢中にさせる独特の魅力が東映版スパイダーマンにはあった。

という訳で今回は、最近ドラマ展開も目覚ましいマーベルだが、それ以上に目が覚める作品、東映版スパイダーマンをご紹介します。

俺の命の限り!!

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まず第1話のタイトルが「復讐の時は来たれり!撃て!鉄十字団!」

第1話から、殺気しか感じないのが素晴らしいタイトルですな。

そんな気になる主人公の名は山城拓也。

原作では良い意味での童貞感がピーターにあったが、この拓也は家の中で平気でバイクを吹かすナイスガイであった。

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花形のバイクレーサーである拓也を父、恋人、弟もいろんな意味で一目置いているのだった。

そんなある日、UFOというには無理のある飛行物体マーベーラーが地球に飛来する。

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↑誰がどう見ても無理のあるUFO写真

このマーベーラーの調査に出かけた拓也の父だったがモンスター教授率いる鉄十字団に襲われてしまう。

一方の拓也も「来たれ兄弟よ」という怪電波をキャッチし、父親のもとへ向かうのだったが時すでに遅し。

父親は速攻で死に、ついでに駆け付けた拓也も鉄十字団に首を切られ落とし穴に落ちてしまう。

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↑奥からホームレスが!!

そこに現れたのがコスプレしたホームレスのオッサン…ではなかった!

そう、彼こそが拓也あてに怪電波を放っていたスパイダー星人の末裔、ガリアその人なのだった。
決して拓也が排ガスを吸いすぎて怪電波をキャッチしてたのではなかったのだ。

「このインベーダーめ!」と食ってかかる拓也だったが先に受けた傷の為にぶっ倒れてしまう。

このままでは拓也が死んでしまう!と判断したガリアはイチかバチかで拓也へスパイダーエキスをぶち込む。

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↑唐突に叫ぶ拓也

どう見ても体に悪そうな点滴を受け絶叫する拓也だったが、何とか九死に一生を得るのだった。

戸惑う拓也に聞いてもないのに自分語りを始めるガリア。

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↑新橋の立ち飲み屋で良く見る光景。

曰く母星であるスパイダー星をモンスター教授に襲われながらも、命からがら地球に落ち延びたと。

しかも約400年間も洞窟に潜み、同志が来るのを待ちながら「来たれ兄弟よ」と以前から怪電波を主に拓也宛てに飛ばし続けていたのだという。

一方的に「俺のブラザーになれ」「俺に代わって復讐をしろ」と言いたいことを拓也に言い終えたガリアは蜘蛛に身を変えるのだった。

普通であれば余りに一方的な話に「勝手だなあ!」と言いたくなるが、そこはナイスガイの拓也。

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↑土日の俺のような拓也。

家に帰ってベッドで寝転びながら、「大いなる力には大いなる責任がある」事を自分なりにざっくり理解し、スパイダーマンになる決意を固める。

更に蜘蛛になったガリアの「早く復讐しろ!」という相変わらず一方的なあおりを受け、父、そしてガリアの無念を晴らす為、拓也=スパイダーマンは復讐の為に駆けるのだった!!

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地獄からの使者が誕生した!自宅で!!

◆怒りに燃える男、スパイダーマン

時間の尺もあるとは思うが、話が早いのが東映版スパイダーマンの魅力だ。

第1話のラストでは「ドンと来い!鉄十字団!」と身内の死は置いといて敵まっしぐらな姿勢である。

本国の原作にも映画版にも悩めるティーンな側面があり、それがスパイダーマンの魅力の一つでもある。

しかし東映版は違う。

割と人が死んじゃう展開など悲惨な話があるものの「それはそれ、これはこれ!」の精神で鉄十字団に真っ向から立ち向かう。

とにかくブレずに怒りに燃えるスパイダーマン。

1話では徒手空拳に巨大化したマシーンベムに縄で挑むも雑に山に叩きつけられたり、とにかく熱い。

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↑縄で巨大な敵に挑む、早すぎた「シビルウォー」なワンシーン。

そして原作の軽口を叩くスパイダーマンのノリの良さは違った意味で発揮される。

それが名乗り口上だ。

「地獄からの使者スパイダーマン!」

「鉄十字キラー、スパイダーマン!」

 「約束に命を懸ける男スパイダーマン!」

「犬笛にむせび泣く男、スパイダーマン!」

「キノコ狩りの男、スパイダーマン!」

「世界格闘技チャンピオン、スパイダーマン!」

「冷血マシーンベム殺し、スパイダーマン!」

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などなど、隙あらば物騒なワードをブッ込むなど違った意味でノリの良いスパイダーマンなのだった。

割とネタにされやすい口上ではあるが、これはこれでヒーローとしては満点なのじゃなかろうか? 少なくとも俺は好きだよ‼︎

◆最強‼︎スパイダーウェポン

原作やハリウッド版にないものが東映版にはある。

それが車検無視の愛車とロボットである。

デスレース2000みたいな愛車GP7はフロント部分にミサイルおよびマシンガンを装備、しまいには空まで飛ぶワガママ仕様。

やっぱバットマンしかり、車検無視の車を所有するのはヒーローの条件ですよ。
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確実に首都高で止められるであろう愛車GP7

更にひとたび敵のマシーンベムが巨大化しようものなら何処からもなく空中要塞マーベーラーが飛来、「チェンジレオパルドン!」の一言でロボットに変形する。
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↑腕をクロスして叫ぶのがポイントだ!!

時間の尺もあるとは思うが(またかよ!)、回を重ねるにつれ、有無を言わさず必殺武器ソードビッカーを放ちマシーンベムを瞬殺するレオパルドンであった。

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↑最終回まで鬼のような強さで突っ走るレオパルドン。

敵が巨大化したら出し惜しみせず、さっさと全力で倒せ!という教訓を観るものに学ばせてくれる。

「アメイジング・スパイダーマン2」ではグウェン・ステイシーが死んだが、レオパルドンがいれば助かったかもしれないと俺は思うのだった。

◆モンスター教授率いる鉄十字団

400年前から地球に潜伏していたというモンスター教授率いる鉄十字団。

満を持して400年経ってから町内会レベルから大災害レベルという幅広いテロ活動を行うのだが、400年もあれば世界征服とか出来たんじゃねえか・・・・と思わずにはいられない。

しかし「おのれ!スパイダーマン!鉄十字団最大の敵が現れた〜」など、モンスター教授がやたら時代劇調のセリフを発するなど、並々ならぬ気合だけはあるのが伺える。

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↑時代劇メソッドな演技のモンスター教授。

というわけでモンスター教授の気合に免じて、400年間のアレコレについては目をつぶってくれ!頼む‼︎

そして腹心のアマゾネスである。
団地妻みたいなルックスだがマシーンベムを現場で指揮するなど、まさにモンスター教授の懐刀。

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↑場末のスナックにおけるハロウィン感のあるアマゾネス。

また女性向け出版社の編集長という、妙に生活感のある裏の顔もある、まさに「プラダを着た悪魔」ならぬ「プラダを着た鉄十字団」なのだった。

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↑編集長でも目は怖いアマゾネスであった。ともあれコスプレ熟女好きにはたまらないキャラクターである。

そんな愉快な面子が全41話に渡ってお茶の間を楽しませた東映版スパイダーマン。

回を重ねるごとにタイトルが雑になるのも実に味わい深い。

思えばAV7割、映画3割しか置いていない地元の小汚いビデオ屋で東映版スパイダーマン1巻(だけしか置いてなかった)を随分昔に借りて見たのだが、リアルタイムじゃない俺にも忘れがたいサムシングを与えたのだった。

今の人が見たら「こんなんスパイダーマンじゃない‼︎」とか言うかもしれない。
だが敢えて言おう。

そんなの知るか‼︎

これはこれでアメイジングだろ!!

事実、最近ではスパイダーマン大運動会な原作にも東映版スパイダーマンおよびレオパルドンが出演したのは記憶に新しい。

思えばシビルウォーに登場するスパイダーマンを見た時、東映版寄りのデザインにデップーさんと「あ!東映版スパイダーマンだ!」などとはしゃいでいた。

遂に東映版の時代が来たのか!?と

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↑主に俺とデップーさんが予想したシビルウォーの図。

「おそらく、『童貞と成金の痴話喧嘩を止める男、スパイダーマン!』と名乗るんだろうなあ…」と思っていたが、実際は、そんな事はなかったのだった。

しかし、今や打ち切りになった「アメイジング・スパイダーマン」に、最初から東映版の思い切りの良さがあったらどうなっただろうか…とボンヤリ考えてしまう。

しかし、今や打ち切りになったアメイジングスパイダーマンに、最初から東映版の思い切りの良さがあったらどうなっただろうか…とボンヤリ考えてしまう。

もう毎回ベンおじさんを殺すなら、いっそレオパルドン出せなかったのだろうか、と。
今からでも遅くない!アンドリューガーフィールドはレオパルドンに乗り込むんだ!
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↑アメスパっぽい東映版スパイダーマン。

…というのは今更無理があるというのは重々承知している。

だが、いつかスパイダーマンが実写で「マーベーラー!チェンジレオパルドン!」と再び叫ぶ日を俺は夢見てしまうのだった…
一筋に!!

↑やたら切ないエンディングソング。夕暮れに聞こう!