「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」をより深く楽しむ映画の見方

今回のタイトルをみると、割とまじめな事を書くように見えるが俺たちが言いたいことはこれだけだ 。

「アメコミの原作を調べて考察するのも良いが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスを深く理解したかったら、まずはスタローン作品を観ろ!!」

だってねえ、どこの記事読んでもスタローンについてアレコレ書いている人が少ないんだもの、アメコミの話ばっかで!

そりゃ「アメコミ映画だからしょうがないだろう」という意見は頭で分かっていても、心はスタローンの俺たちである。

だったら俺たちが立ち上がるしかないじゃないの!!

俺たちの戦争は終わっちゃいないんだ!

※ネタバレ満載のためまだ観ていない方はご注意。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー?誰だよ!?」状態だった3年前。公開するや否や、はみ出し物がいがみ合いながらも力を合わせるという 泥臭い友情パワー、そして何よりグルートの漢気に涙をカツアゲされたものだ。

アベンジャーズがタワーマンションを借りてパーティーなら、ガーディアンズはコンビニ前でビールと焼き鳥で乾杯するような ストリート感。

(アライグマや木もいるが)人間くさい感じが好きで、我々としてもMCUの中では1,2を争うほど好きな作品だ。

そして第2作目である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」が公開された。

おなじみのあいつらに再会どころか、スタローンやカート・ラッセルも出る!!というわけで、 牛丼に味噌汁とお新香、ついでにキムチもトッピングしてくれたような景気の良いキャストだ。

オープニングから若いカート・ラッセルが登場し「あっ、スネークだ!!」と観る者を驚かせてくれた。

※「ニューヨーク1997」「エスケープフロムL.A」にて彼氏が演じた主人公。基本的に人の話は無視、愚痴を聞かされたものなら「悲劇だな、タバコあるか?」と全く答える気のない塩対応に、子供の頃の我々はしびれたものだ。

お馴染みの連中はというと、リトルグルートのかわいらしさに癒されるのもそこそこに 、チームの会話はだいたい中学生レベルの下ネタという安定の偏差値の低さだった。 (ドッグファイト中にうんこの話で盛り上がるのは奴らだけだ!!)

特にビー・パワー・ハードボイルドのツボはクリス・プラット演じるスターロードの切り替えの早さ。 実の親父との再会に感動した矢先、親父が宇宙レベルのヤリチンとわかったとたん、ゼロ距離銃撃。

巨大な怪物に変身した親父を見て「最悪だ、あれが俺の親父だぞ!!」と自虐ネタを決めるところに爆笑した。

同じクリスでもクリスチャン・ベールだったら、2~3年はヒーロー活動を休止して引きこもるところだ。とはいえ、ヨンドゥで涙腺が爆破されたのは事実だ。(エンドロールが流れても、涙が止まらなかった。あれだけキャラクターが死んで涙したのは初めてだ)

 

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」の感想はこれくらいに話を本題に戻そう。

実際、大ヒット中で、巷でも「キャラクターやら世界観の設定は~」、「コミックでの設定は~」やらが書かれた記事が見受けられる。

聞いてもいないのに豆知識を語られたら、即殴る信条の俺たちであるが、ファンの方々にとっては鑑賞を楽しむ一助にはなるであろう。

だが、皆さん、大事な人を忘れちゃいないだろうか!?

そう、シルヴェスター・スタローン(1946年7月6日生まれ)である。

なかなかタメになる事を言ってくれる人もいるが、アメコミの原作を考察するよりも、まず考察するのはスタローンじゃないかと。

我々スタローンクラスタとしては今まで国のため、愛するもののため、そして自分のために原則、上半身裸で戦い続けた男がついに宇宙に飛び出したという事実の方が毎度毎度出てくるジジイが今回はどこで登場するかというより重要なのだ。

というわけで今回のビーパワーハードボイルドとしては本作を2回、3回目と鑑賞される方に是非ともオススメしたいスタローンムービーを 全力で紹介したい。 ※ちなみにスタローンの出身はニューヨークのヘルズキッチンでデアデビルと一緒である。

1.ジャッジ・ドレッド

スタローン作品の中でも屈指の「観たはずなんだけどあまり覚えていない」作品である「ジャッジ・ドレッド」 治安最悪の下町でスタローン演じるジャッジ・ドレッドが抜き打ちで判決(ほぼその場で死刑)するクライムSFアクション

コミック原作の作品で、原作では一切ヘルメットは外さないらしいが、映画が始まって16分後には黒のランニングシャツを着たいつものスタローンになる。

コミック原作であろうが、メイクやマスクを被る事なくありのままのスタローンで挑むアプローチは 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」でも揺るがなかった事は決しておかしい事じゃない。

「あぁこれはジャッジ・ドレッドスタイルなんだ!!」という気持ちで観直すとまた新しい発見があるはずだ。(本当に発見した奴は連絡ください。)

余談だが、相手にとどめを指すシーンで言う「これにて閉廷」というセリフは終電が差し迫った飲み会で是非とも活用していきたいパワーワードだ。

2.デッドフォール

「OK,Let’s Do it!!」元気だけは確かなかけ声からスタートするポリスアクション。

スーツにメガネというフォーマルなスタイル、「ランボー is Pussy」という セリフから今までの筋肉アクションではないイメージを打ち出そうという意気込みにあふれているが

30分もしないうちにインテリ刑事という設定をど忘れして終盤には完全防弾&ガトリングガンをトッピングしたRV車で突撃してくれる

カート・ラッセルと共演しており、中国人ヒットマンに対して「英語の集中講義だ」といってボコボコにするシーンは もう今のハリウッドではOKが出ないだろう。

20分以内に脱獄、人の命がデフレ状態と傑作条件がそろっている「デッドフォール」

スタローンとカート・ラッセルがシャワールームで全裸で語り合う、カート・ラッセルの妙にクオリティの高い女装と腐女子向けに仕上がっているので真夏の果実のような二人のケツに食らいついて欲しい

3.クリフハンガー

当時低迷気味だったスタローンが久しぶりに全米で興行収入トップ10入りしたという事で世間一般的にも人気のある作品だ。 監督がレニーハーリンでまさに「山版ダイ・ハード」ネイチャーバイオレンスだ。

クライマックスでの崖に引っかかったヘリの上での殴り合いは「崖の上のポニョ」以上崖の上だ。

極寒の雪山でTシャツ1枚で放り出されるスタローン。 (統計学的に見てスタローンは過酷な環境であろうが基本薄着である。)

さすがにTシャツ1枚ではガチガチに震えるだが、山小屋でセーターを見つけた瞬間、飛躍的に機動力がアップする。

子供心ながらセーター1枚でここまで元気になるのはどうかしてる」と思ったものだ。

本作にはマイケル・ルーカーが出ており終始殴られたり落ち込んだりと、未熟な若手クライマーを演じている。

あの頼りないマイケル・ルーカーがこんなに頼もしくなってと思うと、またヨンドゥで違った涙が出てくるのだ。

「クリフハンガー」を語るにあたって押さえておいて欲しいのが同僚のフランクというジジイだ。

マイケル・ルーカーの彼女が目の前で死のうとしている時に笑っている。

このジジイ、終始全く話がかみ合わないなど、なかなか胸くそが悪く、敵ではないのだが テロリストに殺されるシーンは気分がスッキリする。

いかがだっただろうか?俺たちとしては凄く良いことをした気分になっている(勝手に)。

思えばガーディアンズ・オブ・ギャラクシーにスタローンが合流すると聞いたときは大層驚いたもんだ。

しかしスタローンが何故、この作品に出たのかは理解できない話ではない。

「ロッキー」や「ランボー」、「ロックアップ」、「コップランド」など、限りなく世の中には馴染めないであろう、くすぶった主人公を演じてきたスタローン。

しまいには現実でも映画界から干されていた時期もあった。

一時期、スタローンも「終わった人」と見られていたのは確かだ。

それでも彼は諦めず、一発逆転を「ロッキー・ザ・ファイナル」「ランボー最後の戦場」の二作で果たし、帰ってきた。

「過去に何かをやらかした」「周りと馴染めない」という背景はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのキャラクター達にも通じる。

そして今や製作費用が厳しくなった、かつてのアクションスターたちを仲間にエクスペンダブルズを結成した。

スタローンが数あるマーベルの作品でガーディアンズに合流したのも頷ける。

これはアメコミファンに怒られてしまうかもしれんが

ガーディアンズもエクスペンダブルズも同じではないだろうか!?

スターロードがスタローン。

ガモーラがステイサム。

ロケットラクーンがジェット・リー。

ドラックスがシュワルツェネッガー。

グルートがドルフ・ラングレン。

そういう見方も出来・・・ないかなあ・・・

少なくとも俺達は、そう見ましたよ!

特にガーディアンズの最後の殴り合いはアレ、完全にヴァンダムとスタローンじゃん!と。

スターロードとヨンドゥの疑似親子関係も、クリードにおけるスタローンに似てなくもなくない。

いかがだっただろうか?このブログを読んでまた劇場で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」をみれば 全編にスタローン精神が流れている事がわかるはずだ。

もしかしたらリミックスの意味は

「スタローンリミックス」

だったのかもしれん。

というわけで、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは四捨五入したらエクスペンダブルズ!

 

そういうことにしてくれ!

 

頼む!!