デスウィッシュ ~殺しは俺を救う!鬼ウィリスの逆24時間テレビ~

 
愛は地球を救う
この言葉を聞いて頷く人はいるだろうか?
百歩譲って地球は救われてるかもしれん。
だが待ってくれ!
人が死ぬ映画で救われる人間もいるんです!と。
つまり俺だ!
 
そんな俺を救ってくれる映画が10月に公開される。
全国の『殺しが俺を救う人達』必見の映画。
それが、デスウィッシュである。
もうタイトルからデスとついているので物騒さしか感じないが、監督は三度の飯より残虐摸写大好きなイーライ・ロス。
主演は、確かな人殺し実績があるブルース・ウィリスである。
そんな二人が主演と監督としてタッグを組む、という…
どう考えても死ぬだろうな…
人が。

…と、思いを巡らせていたのだが、「人が死ぬ映画はアイツに見せよう」という映画会社さんの英断により、試写に呼んで頂いたのだった。


本作のブルース・ウィリスは外科医。
幸せな家族を奪われたウィリスが、仕事終わりにガード下で一杯引っ掛ける感覚外道を殺しまくるのが主なあらすじである。
 
至ってシンプルなあらすじではあるが、その分『容赦は髪の毛と一緒に捨ててきた』と言わんばかりの鬼ウィリスぶりを発揮している。
そんな鬼ウィリスを際立たせるように、ふいにホラー仕込みの残虐摸写をブッこんでくるから油断がならない。

 

ここ最近では登場するや否や、いきなり無敵仕様になっていたウィリスだが、今回はレベル1からスタート。
まずは地道にyoutubeで銃の扱い方を学ぶのだった。
いざストリートに出て悪人退治をしてみるものの、スライドで指を切る、弾が詰まり焦るなど、さらりと済ませているがリアルな銃の素人模写がたまらない。
こうした過程を経て、徐々に完成していく鬼ウィリス
次々と街の悪人達へ処刑という名の外科手術を施していき、本人の知らぬ間に撮られた動画がネットで拡散。
気が付けば死神と呼ばれ生きた都市伝説と化すのだった。

 

完全に俺ルールで悪人を殺すので、観る人によって眉を顰めるかもしれん。
劇中でも「ちょっと…いくらなんでも私刑はどうなのよ…」という市民の声が上がる。
普通であれば、もっともらしい葛藤なんかを挟まれてしまいそうなものだが、ウィリスはガン無視!
最終的には流血多めのハードコアなホームアローン状態に突入するのだった。
ここら辺の展開も、ウィリスの頭のように実に潔よい。
見てください、このセラピーで見せる、笑顔の爽やかさを。

 

↑人を殺しています。
 
やずやのにんにく卵黄CMに出ている人ばりに、復讐が健康に効くのを俺達に教えてくれる。
 
これまで殺人医師といえばプロレスラーのスティーブ・ウィリアムス(各自検索してくれ!頼む!)と相場が決まっていたが、本作のブルースウィリスも殺人名医として俺の頭の中に刻み込まれたのはいうまでもない。
 

ここ最近は、カッコいいハゲ枠をステイサムに譲り、割としょうもない映画にも出ていたウィリスだったが、ここに来て意欲作じゃないの!と言いたくなる本作。
ブロンソンの『狼よさらば』のリメイクであるが、今作は奇しくも『ブルースよ久しぶり』の様相を呈している。
また、かつてアルマゲドンで『愛は地球を救う』を証明した男ブルースウィリスが今になって『殺しは俺を救う』を証明する逆24時間テレビな映画に出ているのは非常に味わい深いものがある…気がする。
町内会の危機レベルの話ではあるが、世界の危機を救う映画に胸やけ気味の人にもオススメですよ。

 日本公開は10/19(金)!