2019年は近年稀に見るスタローンバブルである。
『クリード~炎の友情~』を皮切りに、
しかし一発目の『クリード~炎の友情~』は、
そこを差っ引いても大変満足な映画だったが、
だが、安心してほしい。
そんな我々ワガママなファンの要望に答えてくれるスタローン映画
『わざとムショにブチこまれ脱獄し、システムの不備を指摘する』
第一作では罠に落ち、
そこに偶然シュワルツェネッガーがいたので、
なんやかんやありつつ刑務所内で囚人達を巻き込んだ蘇民祭を決行
「色々頭を使ったがダメだった。もう最終的にゴリ押しだ!」
そして今回の『大脱出2』である。
あれから6年。
色々懲りたのかスタローンは脱獄コンサルタントを引退し、
その中でもイケイケなのが後継者候補№1のシュー。
詠春拳の使い手にしてスタローン相手に囲碁も打てる、
しかし、ある日飲みすぎた従兄弟を街に迎えに行くと、
果たして眼が覚めると、
暇つぶしは囚人同士のストリートファイト、
なぜ俺は懲役を食らったのか…
持ち前の詠春拳でストリートファイトを勝ち抜き、
一方、スタローンの耳にもシューが行方不明になり、
そのムショの名は『ハデス』
前作の墓以上に業界でも悪名高いハイテク刑務所であった。
普通であれば見なかったフリをしたくなるもんだが、
会社の同僚、
果たして謎の組織の狙いは何なのか。
だがまあ、狙いは自ずと脱獄すれば分かるだろう!
『虎穴に入らざれば虎子を得ず』
果たしてシュワ不在の中、難攻不落の刑務所を脱獄できるのか?
こうして掟破りの大脱出が再び幕を開けるのであった。
本作のキャッチコピーは『地獄からの挑戦状。』
奇しくも感想が軒並み酷評だらけの地獄になってしまった意味でも
更に日本公開前にスタローン自身が「出来が酷い」
事実、おっさんと老夫婦に挟まれて鑑賞したのだが、
今になって振り返ってみると、
新進気鋭のガタイ枠としてバウティスタを助っ人として招集したと
だが、そうした欠点を補うかの如く、
おかげさまでスタローンも情報収集の為に酒場に来た刺客を躊躇な
特に刑務所のシステムをダウンさせ、
まさに『押してダメなら更に押せ!』精神。
周りの観客は唖然としていたが俺一人だけ爆笑したのだった。
結果、黒幕を煽りまくり、拳で決着をつける流れ(!?)になるのだが、下手したらクリード以上にスタローンがロッキーな瞬間
サウナ着みたいな囚人服を着用したスタローンが重い拳を放ち、
人によっては「
やはりスタローンのコンサルは伊達じゃねえな!と思う事だろう…
ていうか、思え!
カンフー、脱獄、元気なスタローン、ロボット と闇鍋みたいな本作。
ともすれば不条理な映画と捉えるかもしれない。
だが、
かつて、「人生は、どんなパンチよりオマエを打ちのめす」
そりゃあ正直、気の利いた映画ではないですよ!
「面白い」とか「つまんない」とかいう二元論を超えた映画—それが大脱出2だ。
確かに観客に親切な映画を観るのもソレはソレで良いが、
何の役立つんだよ、と言われれば俺も黙るしかないが。
だが絶賛にせよ酷評にせよ、記憶に強烈に残る映画なのは間違いない。
忘れたくても忘れられない映画とでも言おうか。
ともあれ社会という牢獄に囚人気分でいる人にはオススメな映画ですよ。
現時点では俺にとって今年のベスト1です。