俺VS「君の名は。」 ※ネタバレアリ

伝え聞くところによると、最近の日本映画で「君の名は」が大ヒットらしい。
思えばステイサムのメカニック・ワールドミッションが気が付いたら公開が終わっていたが、君の名は、は未だにバンバン上映しているのを考えると、もはや老若男女だけじゃなく、そこら辺の犬や猫も観てるんじゃねえか・・・とすら思える。



聞くところによると俺が生命保険に入って100回死んでも足りない位だという。
しかし俺は具体的な金額を調べる気がしないのだった。
なぜなら金の話は嫌いだからだ!
もっと言えば俺に金がないからだ!!

まあ金の話は置いとくとして。
巷で話題になっているのは知っていたが、君の名は?と言われたら、職務質問位しかイメージが沸かない俺なのだった。
しかし、職場ではRADWIMPSの前々世やらスパークルが四六時中流れ、「何回歌詞の中で心を追い越してんだよ!!」と叫びたい気持ちを抑えていたのだが、どうもコイツは君の名はのテーマ曲らしいじゃないのよ!
しまいには一足先に見た同僚から「絶対見たほうがいいですよ!!どうせ暇なんでしょ!?」と言われ、その大ヒットが窺い知れた。

普段からアニメは見ない俺を考えての発言だろう。
「とりあえず監督の作品を事前に観てください!あんた心が腐ってるから!」と念押しされたのだった。

い・・・色々言いたいことはあったが、言ってることはあながち間違っていない!
というわけで、「秒速5センチメートル」を事前に観てみた。
ざっくり言って仕舞えば振られた女を忘れられず、付き合っていたメモリーを思い出しながら新宿辺りをウロウロしてポエムを呟く内容なのだった。
一回フラれただけでこの世の終わりみたいな顔しやがって…

ふざけんじゃねえ!!

それ位でポエムをほざくなら俺なんて百回近くポエム書いてるわ!本一冊位出してるよ! と俺がキレるのも無理のない話であった。

だが、反面、メモニーをしたら山崎まさよしが脳内で流れるのが理解出来ないわけでもなかった。

翌日「どうでした?」と感想を求められ「メモニー(昔の女の記憶でオナニーする)映画だった。」と正直に伝えたら「は⁉︎殴りますよ。」と何故かブチ切れられた。
多分俺は他人へ気持ちが届くまで秒速0.5センチメートルだろうなあ!と思ったのだった…

しかし俺も良い年だ。

郷に入っては郷に従えだ。

と続いては言の葉の庭を鑑賞してみた。
こちらは早い話が『昼間からビール飲んでるOLに童貞が古文の一節を聞かされて恋する』というストーリーなのだった。

もし俺が主人公の友人だったら「いや、マジで辞めとけ。どう考えてもメンヘラだろ…」と言ってしまうだろう。深夜のファミレス辺りで。
そんな感想を抱かせる作品なのだった。

以上‼︎

そんなこんなで俺の予習は終わりを告げたのだった…

だ…大丈夫か?

果たして俺は君の名を知ることが出来るのだろうか…
そんな不安を抱えてはいたが、これは「君の名は。」と俺の勝負だ!と無理矢理言い聞かせ、カップルだらけの劇場に向かったのだった。

結論から言えば、俺の予習は役に立たなかった。

同じ監督とは思えないほど、俺が土日に暇で見てるであろう映画の要素がふんだんに使われていたからだ!

というわけで、俺なりにあらすじを書いて見ようと思います。

飛騨の山奥で暮らす女子高生、ニコラス・ケイジ。
彼女が住んでいるのはど田舎。
スタバもコンビニもTSUTAYAもねえ!
たまにやる一回口に含んだ酒を戻すという巫女さんの儀式も手伝い、心底地元が嫌になっていた。

今日も一回飲んだ酒を戻したニコラスは「生まれ変わったらジョントラボルタになりたーい!」と叫ぶのであった。

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その願いは思いもがけず叶った。

なんと、ある朝起きたら東京に住む普通の男子高校生、ジョントラボルタとフェイスオフ(入れ替わり)していたのだ!

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俺なら二度寝する所だが、「変な夢だなあ!」位の気持ちで過ごす二人。

記憶がテキーラを一気した翌朝のようになるものの、周りの反応を見る限り、どうやら現実らしい!と気づき始めた二人はスマホで日報をつけ始めるのだった。

なんやかんやでケイジ、トラボルタとしてのフェイスオフを楽しむ二人。
だが、ある日突然フェイスオフが唐突に終わりを告げる。

フェイスオフの日々を送り、気が気でなかったトラボルタはニコラス・ケイジについて調べ始める。

なんと、ニコラスケイジの地元は三年前のアルマゲドンにより壊滅していたのだった。

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居ても立っても居られずニコラスケイジの地元へ直行するトラボルタ‼︎
何がどうしてか理屈は分からんがニコラスケイジが戻した酒を飲んだジョントラボルタは、三年前のアルマゲドン前日にパシフィックリムばりにドリフトするのだった。

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再びニコラスとフェイスオフ(入れ替わり)したトラボルタ。
ターミネーター2のサラコナーばりに「みんな死ぬ!みんな死ぬのよ!」と周囲に気合の入った説得を披露!!

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だが悲しいかな、周りからはキチガイ扱いされてしまい相手にされないのだった。
こうなりゃ取るべき手段は一つだ。

そう、爆破ですよ。

審判の日を避ける為、地元のサイバーダイン(発電所)を破壊し、住民を避難させようじゃないの!!と。

こうしてテロという名の実力行使に出るトラボルタであった。

なんやかんやで爆弾も設置した!

電波ジャックの準備もできた!

あとは計画の要である町長の親父を説得するだけだ!

しかし、ここにきて計画に狂いが生じる。
町長である親父に「お前ケイジじゃないな⁉︎」と見破られてしまうトラボルタ。

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果たしてどうするのか・・・こうなればサラコナーばりに「人間には215本骨があるのよ!腕の一本位何よ!」という拷問する展開にでもなるのか・・・
と固唾をのんで見守っていたのだが、ここに来てRADWIMPSが流れる中、チャリで唐突に山登りを開始!

何で!?

これまた何がどうしてか理屈は分からんが、遂にニコラスとメキシカンスタンドオフするトラボルタなのだった!
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はじめましての挨拶もそこそこに、「ちょっと俺じゃ話にならんからオマエがやれ!」と言い始めるトラボルタ。

しかも直接対面しちゃうと、ドリフトは終わり、お互いの人格が戻るらしい。
ついでに記憶も飛んでしまい忘れちゃうそうな。

例によって何故かはわからん!

とりあえず一回口から戻した酒を飲んで悪酔いしたから、ということにしておこう!
というわけで、お互いの名前を忘れないように、その場でマジックで腕に名前を書く二人。

だが結局のところ、お互い要領を得ないメッセージを書いたのだった!

ダメじゃん!

ともあれトラボルタのテロの意思を引き継ぐのを決意したニコラスは下山!
途中、盛大にすっ転び心が折れそうになるも、トラボルタから貰ったハチマキをランボー怒りの脱出ばりに額に結ぶ!

気合いは入った!

こうしてランボーへと進化したニコラスケイジ。

果たして、ランボー怒りの脱出は成功するのか?

審判の日は避けることができるのだろうか⁉︎

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・・・・と、そんなあらすじです。(嘘8割)
切ない恋愛やらポスト3.11やらSFの要素を語る余地もあるかもしれん。
だが、あえて言わせて頂きたい。

そんなもん知るか!!と。

フェイスオフ、パシフィックリム、ターミネーター2、ランボー・怒りの脱出要素。
これも重要なんじゃなかろうか!

そんな風に見てたのはお前だけだよ!と言われるかもしれん。
事実、周りを見渡しても、そんな感想を抱いていたのは俺だけなのだった。

あるいは周りが高校生カップルだらけでオッサンは俺一人という状況も手伝って、鑑賞前にコカインを極めていたせいかもしれん。

だが、そういう見方があってもいいんじゃないかなあ!
ダメか!!そうか!!

他にも映像の綺麗さなんかも言及される本作。
逆に俺は、その綺麗さにモヤモヤしてしまったのだった。
例えば新宿の南口もキラキラしていたのだが、
「新宿駅とか、もっと猥雑で汚いだろ!」みたいな感想を抱いてしまった。
死にたさと狂気があるのが新宿だろ!と。
また、彗星が落ちて人が消し炭になるシーンとかも見たかったなあ、と。

そんな訳で、正直、入れ替わった二人の微笑ましい日常を見ていても白目になっていたのだが、この作品で急にチャージが入るのが発電所を爆破する流れである。

まさかの高校生の青春物かと思ってたら、発電所を爆破するテロに走ると誰が思うだろうか‼︎

あらすじにも書いたが、ここでヒロインがランボーばりに頭にハチマキを巻きますからね。

そこにRADWINPSのバラードが流れる狂いっぷり。

やっぱ青春に必要な物。

それは爆破ですよ。

ごく一部の人間に「恋をしたい」というより「爆破したい」と思わせてくれる本作。

完全に門外漢な俺でも、「爆破したい」と盛り上がれた辺り、大ヒットした要因なのじゃなかろうか。

ともあれ、冷静に考えれば「え!?何で!?」みたいな展開を切ない模写RADWINPSの音楽で押し切る強引さは、いつも俺が見ているシュワルツェネッガーやスタローン、ステイサムのアクション映画にも通じるもんがある気がする。

それまでの秒速5センチメートルや言の葉の庭が童貞とするならば、君の名はは素人童貞位の差があったのだった。

これは大きい!

…という訳で、ここまで書いて分かって頂けただろうか?

俺の心の汚さが。

おそらく一生、君の名は?と誰かに聞かれることはないだろう。

俺としても万が一「君の名は」と聞かれたとしたら「知る必要はない」と言って黙って去るつもりです。

「じゃあ何で見たんだよ!」と聞かれるかもしれないが、その時は、こう返したい。

「それは俺の心が俺を追い越したんだよ」と。
RADWINPSの歌詞みたいに。