「トイ・ストーリー4」が荒れている。
「作るべきして作られた」という絶賛と「製作陣全員クソ」と罵詈雑言を並べ立てる怒りの意見。
もはや「夢」も「感動」もない。「戦場」だ。
個人的にトイ・ストーリーについては傑作と言われている「トイストーリー3」についても物語の締め方は最高だが、あまり好きじゃなかったりする。
今見返してもアンディが直前まで一番のお気に入りのウッディだけは渡すかどうか悩みながらも去っていくアンディ。
寂しいがウッディは「自分はおもちゃ。役目は終わった」という事を受け入れて「あばよ、相棒」と見送るウッディはカッコよさが爆発していた。
バディ物でこれをされたら号泣必須だが、あくまでウッディは「おもちゃ」
未だにおもちゃが好きで死んだじいちゃんばぁちゃんに買ってもらったゴジラのソフビやパワーショベルのおもちゃ、常に自分の人形遊びの主人公だったロボコップの人形を未だに集めている自分としては 「ガチのお気に入りならあげるなよ」と冷めた。
「3」鑑賞後に飯を食いながら一緒に観た子に
「絶対、アンディの奴、大学入ったら遊んでばっかで寮に女連れ込んでるぜ!!
そして女とベッドの上でいちゃつきながらネットでウッディを見つけて
「あーっ、俺これ持ってたー!!めっちゃプレミアついてるやん!!あげずに売っておけばよかった(笑)」
とか言いながら二回戦始めてるぜ!!」
とボヤいていた。
あれから9年、当時はギターやバンドの活動費や服に金を使っていた俺は結婚し独身時代より散財できなくなった反動で、よりにもよって子供の頃よりもおもちゃを集めるようになってしまった。
シャンデリやソファーなどでかい家具が届くどさくさに紛れてホットトイズを3体くらい買ったのがバレてマジで怒られたりもしたが、嫁がオシャレな部屋作りに励む一方でスパイダーマンを壁に貼り付けたり、窓際にこっそりバットマンを置いたりしてレジスタンス的な戦いを繰り広げているので俺とおもちゃ達は更に強固な関係になった。
子供の頃からの相棒だったロボコップは今の家にも持ってきており、子供の頃買えなかった冷凍研究セットを与えたり、大きいサイズのものやバトルダメージ版も増員されて相棒ではなく「チーム」になった。
そんなコンディションの中で「トイストーリー4」を観に行った。
後半に進むに連れて小さな子供の「いつ終わるの?」という声が聞こえてくる切ない時間だった。
賛否両論の「4」
俺はかなり「否」だ。
「微妙な続編」に関して言えばターミネーターシリーズで鍛えられているので、 「うん、そうだな・・・新作が出来ただけでも良しとしよう!!」と思う体質だが、「4」は「絶対に変えたらNGなところ」をしてしまっているように思う。
絶賛の意見もわかる。
ウッディ達を一人の「キャラクター」と捉えているのであれば、自分の幸せを求め新しい生き方を踏み出したウッディを祝福するのも頷ける。
時代にあわせて考え方が変わっていくのは当たり前だと思うし、現実世界では
変わっていかない方がおかしい。
とはいえ、良い変わり方と悪い変わり方がある。
「ウッディの良いところは絶対に仲間を見捨てないところなんだ」とアンディに言われていたウッディ。自分だけアンディに大学に持って行って貰う事を拒んだウッディに惹かれてきたファンからすると違うだろう。
「ショッカーにはショッカーなりの考えがあるもんね。」と柔軟な態度を見せる藤岡弘、や 「普段ボールの中に閉じ込められている私たちの事を考えてください」と言い出すピカチュウは見たくない。
それと、多様性が大切なのはわかるが最近の過剰なポリコレは正直うんざり。
「トイストーリー」を観るにあたって強い女性像は求めていない。
そもそも冒頭の時点でもらったおもちゃ達を平等に大切にしていたボニーがウッディをあからさまに雑に扱っている時点で不自然だし、無理矢理作った4作目という印象を強く受けた。少なくともナンバリングタイトルにすべきではない。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のように人気シリーズで一旦キレイに収まった作品の続編というのはつらいものがある。
しかし、このままで終わったら「4」は賛否両論を巻き起こした戦犯扱いだ。
きっと今年の冬くらいには過激派はわざわざブルーレイを買って燃やすはず。
この現状をどうするか・・・ピクサーは「5」を作るしかない。
そしてこの男を頼るしかない・・・
そう、スタローンだ。
スタローンはシリーズ再生のプロだ。
「ロッキー・ザ・ファイナル」で低空飛行で終っていた「ロッキー」シリーズを再生し「クリード」では新たな物語を作ったどころかネタ扱いだった「3」「4」の評価もうなぎのぼりにした。
「3」で戦車vs戦車のぶつけ合いですっかり「ベトナム帰りの兵士の苦しみ」をド忘れしていたランボーを 「最後の戦場」で悲しき戦闘マシンに復活させた。
今トイストーリー及びウッディに必要なものは「虎の目」であり「スタローン・イン・マイハート」だ。
こんな「トイストーリー5」はどうだろう。
ボーとの日々に充足していたが、どこか物足りない日々を過ごしていたウッディは隠れていた倉庫でバイヤーに捕らえられてしまう。
一方アンディは結婚し家族にも恵まれたが、社会の荒波に揉まれて疲れていた。
そんな日々でふとネットで見つけたウッディ。
またあいつに会いたい。ebayやヤフオクを眺め続けるアンディは日本のまんだらけでウッディが売られている事を知る。
汚れ方からして間違いなく自分の物だ。しかしホットトイズのアイアンマンばりのえぐいプレ値になっている。
「小遣い制の自分には買えない」と酒浸りの日々を過ごす。
時を同じくウッディをなくした事を悔み続けていたボニー。
ホステスの仕事で金を稼ぎ「心は年を取らない事を証明してみせて」とアンディに万札を渡す。
そして運命が交錯する秋葉原。熱心なコレクターたちを蹴散らしてレジまでウッディを持っていくアンディ。
まんだらけ近くのケバブ屋で箱を開封するアンディにウッディが一言
「また会ったな。相棒」
朝焼けをバックに「やった!!やったぞ!!」と野太い声で叫ぶアンディ。
間違っていたか否かはその後の未来次第。トイストーリー5が早く観たい!!
コンバットカールの声がアポロやプレデターのディロンでお馴染みのカール・ウェザースとして大興奮した。だからこれが一番好き!!
このプラモデルはすごかった。超絶クオリティに驚く!!