君は見たか?てつをが真っ赤に燃えるのを! 仮面ライダーBLACK

許・さ・ん!!!
こう心の中でシャウトした経験が皆さんはあるだろうか?
俺はある!
三秒に一回は叫ぶ!
俺の心の中の仮面ライダーBLACKが!
ていうか、てつをが!

最近だと納めた税金の多さに許・さ・ん!と叫びながら思わず拳を握りしめた俺ですが、今回は仮面ライダーBLACKについて書こうと思いますよ。
オマエみたいなニワカに特撮が分かるのか!?
と、言われるかもしれん。
だが、あえて言わせてほしい。
信じる奴がジャスティスだ!

休日は寝よう!午後まで!というビーパワー七つの誓いを忠実に守っている俺である。
早起きなんて滅多にしないのでリアルタイムで見る機会が皆無なのだが、昭和、平成、令和と「息長く続いてるなあ!」位には理解している仮面ライダーシリーズ。
年代によって人それぞれに思い入れのあるライダーがいることでしょう。
だが俺がガキの頃。

まだ人間らしく早起きしてリアルタイムに触れられたライダー=それが倉田てつを扮する仮面ライダーBLACKなのだった。

ここ最近じゃめっきり見る機会が少なくなった悪の秘密結社=ゴルゴムの手により、19歳の誕生日祝いに次期創世王候補『世紀王ブラックサン』へと改造されてしまった倉田てつを扮する南光太郎。
改造が済む前に全裸で脱出した光太郎は仮面ライダーBLACKを名乗り、人類の自由と平和、そして同じように拉致された親友の信彦を奪還するために孤独な戦いを挑むのが主なあらすじである。

ガキんちょを痺れさせる黒いボディ。
決め技はパンチおよびキックのみ。
困ったときはポケモンショックばりの光を放つキングストーンフラッシュを発動し窮地を脱する。
まさに己の五体をフル活用するファイトスタイルである。

余計な武器や課金アイテムなんてもんは一切無い、

戦いをサポートする相棒は、人間のヒロイン以上に扱いの良い恋女房バトルホッパー。
慣らし運転で500kmを叩き出すピザ屋のバイク、愛人ロードセクターという二台のバイクのみ。

敵は子供にトラウマを残すレベルにグロい怪人。
ゴルゴムの配下として出演する闇落ちしたハヤタ隊員=黒部進!
唐突に出演する京本政樹!
作品を否が応でも盛り上げる、川村栄二サウンド。
CGなしのマジもんの爆破。
いつしか周りの人間は去り、親友の信彦が宿敵シャドームーンとして立ち塞がるハードな展開。

こう箇条書きにしても、子供向け番組にも関わらず子供に媚びない尖りっぷり

それは本作のOPでも既に伺える。
まあちょっと見てみてくださいな。

暗い倉庫の扉を開けるBLACK。
アクセルをブン回すと勢い余って壁をぶち破り、そして…

走る!

走る!!

走る!!!

凄い走る!
もう登場人物を親切に紹介するなんて野暮はしませんよ。
ひたすらバイクで爆走するだけ!

主題歌を歌うのは倉田てつを本人。
上手いとか下手とかを超越した、てつを本人しか歌えない孤高ぶりだ。

じゃあエンディングはどうなのよ?
と言われれば
歩く!

歩く‼︎

歩く!!!

めっちゃ歩く!
最近の仮面ライダーのOPやEDはPVのようなスタイリッシュさを見せてくれるが、この徹底したストイックさはどうだ!?

常時、一緒に戦うライダー…ましてや人間の仲間なんてもんは勿論いない。
終盤になればなるほど、てつをの孤独にも拍車が掛かっていく。

もう今からでも遅くない!
日曜に放送しよう!
朝5時位から!

そういいたくなる、時代を超えた魅力がBLACKにはある。
今から30年以上前の作品だが、現代のチビッコも思わず正座して見てしまうだろう(多分)。
俺も最近見直したのだが、一周回って今の時代だと新しいな!逆に!とさえ感じたのだった。

主演は倉田てつを
省エネという言葉とは無縁の鬼気迫る全力演技を見せてくれる。
デビュー作にして主演、それだけならまだしも主題歌を歌うなど当時としては破格の扱いであった。
それに応えるような、てつをの顔面の圧眼力には目を見張るものがある。

また仮面ライダーといえば変身が付き物だが、キレキレの動きから裂帛の気合で「仮面ライダー!ブラアッ!」と戦う前にしっかり自己紹介!

これですよ!

最近は仮面ライダー〇〇〇と名乗らず便利なガジェットで手軽に変身するライダーが多いらしいが、ガキの俺に敵であろうが、まずは挨拶!の大切さを教えてくれたのであった。

ともすれば、ご都合主義と言われるかもしれない展開を突破する熱いてつを力は並じゃない。
今の仮面ライダーはオモチャの売れ行きがシリーズのなりゆきを左右しているらしいが、BLACK放映時は視聴率が全ての時代。
てつをの演技に気合が入るのも頷ける話であった。

おかげさまで大規模なテロ活動から町内会レベルのゴルゴムの悪事を基本的に30分で解決するストーリーに説得力を持たせている。
まさに、てつをの演技が真っ赤に燃えているのが本作である。

そんな訳でゴルゴムの怪人を鬼のような強さで毎回シバキ倒すBLACKだが、本作はチビッコが巻き込まれるパターンが多い。
その際に浮かべる、てつをの優しさ笑顔の爽やかさ。
ヒーローは強いだけじゃなれない!と俺に教えてくれたのであった。

おかげさまでチビッコだけでなく、放映時は女性ファンやお母さん層も取り込んだBLACK。
事実、俺の母親も倉田てつをに夢中になったらしい。
これも当時留まる事を知らなかったてつを力の高さが伺える。

劇中の南光太郎の交友関係はというと、友人の元恋人、そして友人の妹というエロゲーのような設定である。
この設定だと恋の一つや二つもありそうだが、あくまで買い物に付き合う位で終わる。
しまいにはゴルゴムの日本への攻勢が強くなると、被害を被らないようにと2人を海外へ逃し、孤独に戦う決意をするのであった。
まさにナイスガイを絵に書いたような主人公である。

原作者の石ノ森章太郎にして「今後、倉田てつを超えるヒーローは生まれないだろう」と言わしめただけあって、てつを抜きでは成立しえなかったシリーズと言えなくない。
おかげさまで、すぐさま返す刀で続編のBLACK RXの製作が決定!
当初本人はBLACKで完全燃焼したと断ったらしいが、気がついたら事務所が話を通していて2年連続でライダーに変身、再びRXにて燃え上がるてつをなのであった。
ともあれRXにてバイクのみならず武器、車持ちと装いも豪華になり、てつを本人は現場でロケ弁が2つ食えるようになったらしい。
(カッコいいに全振りしたRXについてはビーパワーにて別の機会があれば書きたい)

平成に入ってからも何度かゲスト出演したBLACKだが、完全に主役を食う存在感を見せ健在ぶりをアピール。
歳を重ねた渋さと以前よりキレキレの変身ポーズを見せてくれた。
何なら、てつを一本で見せてくれ!頼む!と見る者に(主に俺)思わせてくれたのは言うまでもない。

↑ファンが喜んだダブルてつをの図。

長い仮面ライダーの歴史上、2年連続で主演を張ったのは唯一倉田てつをのみ。
いつしか、そのブレ知らずの男ぶりに痺れた俺たちの心に『TETSU』の字が刻まれたのだった。
いい大人になった俺が今でも忘れられないのが少しは理解頂けただろうか?
俺も気が付けば黒い服ばっか揃えていた時期があるが、思えばこれもBLACKの影響だったのかもしれん。

一方、強烈な個性をビシバシ叩き付けたおかげで南光太郎のイメージが抜けず、てつを本人は俳優として悩んだ時期もあったらしい。
最近てつをのトークショーに参加した俺だったが「最初は悩んだ時期もありました。でも、今はそれも含めて僕だなって思っています。」と爽やかな笑顔で我々観客に語る倉田てつをは、まさに南光太郎そのものであった。

今も俳優として活躍する倉田てつをだが、何と俳優業の傍ら、東京は東陽町にてステーキ店ビリーザキッドのオーナーとしてステーキを焼いている。
というのも学生時代に通い詰め、味に惚れてオーナーに名乗りを上げたらしい。
実にてつをらしい、良い話である。

同店にはオリジナルのメニューである、その名もBLACKステーキ、RXステーキが存在。
俺も何度か足を運んだが、忖度なしに美味い。
人生最後の晩餐は、ここに決めている。勝手に。
また、かつてのBLACKファン向けのイベントも行われているので気になる人は是非公式サイトをチェックして欲しい(公式サイトおよび告知も実にストイック)
てつをプロデュースの『TETSU』Tシャツ絶賛販売中だ!
(パステルカラーは割と在庫があるらしいぞ!)

あれこれ書いたが、アイドルと握手するのも良いがてつをと握手するのも重要だ!
という訳で、時を超えろ!空を駈けろ!てつをの為に!

↑実にメッセージ性の高いステッカー。これもビリーザキッド東陽町店で売ってるよ!飾ろう!神棚に!