今年(2022年)の10月で映画の感想を書くようになって10年になる。
滅多に読み返す事はないが、たまに読み返すと我ながらおもしろいと思う記事はいくつかある。
それは嬉しいが、「昔から暇だったんだな」とがっくりもする。
自分自身エッセイやコラムが好きなので、映画に限らず音楽など他ジャンルも書いているが、この10年間でグルメ記事をほとんど書いていない事に気づいた。
ビーパワー7つの誓いに「飯に金はかけない」があり、
出張でも牛丼でそばで済ます事も多いくらい非グルメだが、そんな俺にも好きな飯屋はいくつかある。
というわけで今日は思い付きでグルメ記事を書きます。
どんどんリツイートしろ、アクセス数を稼がせろ、俺はインフルエンサー。
強く影響を受けろ。
喫茶店やゲームセンターなど時代が止まっているかのようなレトロな雰囲気がある神戸市灘区の水道筋商店街。
そのはずれにある灘温泉(昔はヤクザでいっぱいだったが、今はどうなんだろう)の向かいにある串カツ屋が「船越」
最初に行ったのは確か「ガンダムF91」を観に行く前だったので、少なくとも30年は食べている。
親父が子供の頃から食べているので親子で60年弱、東京オリンピックかウルトラマン放送くらいから食べているはずだ。
最初に行った時は屋台だったが、俺が大学生の頃くらいにキレイな今の店になった。
親戚の集まりになるとじいちゃんが電話で注文していたので、法事や正月といえば「船越」の串カツだった。
お店で食べるよりテイクアウトで食べる事の方が多かった。
大阪のだるまや横綱のような衣が厚いものではなくて、しっとりしている。
子供の頃「持ち帰りでこれだけうまいんだから、店で揚げたてを食べたらもっとうまいはず」と思っていた。
20代後半になってようやくお店で食べてみたが、ちょっと違う。
じいちゃんを囲っていとこ達と喋りながら食べた思い出による補正がかかっているのかと思ったが、実際、少しの間放置したものを食べてみるとめちゃくちゃおいしかった。
揚げたてではなく、しっとりした衣にソースを浸して、ソースが思いっきり染み込んだ真っ黒の状態が「船越」の最高のコンディションだ。
じいちゃんが「ソースしっかりつけておいて」と言って頼んでいたのはわかっていたからだろうか。
いや・・・多分自分でソースつけるのがめんどくさかっただけだろう。
親父が昔から「貧乏だったので一番安いじゃがいもか玉ねぎしか食べれなかった」とよく言っていた。(というか今も言ってる)
2022年になった現在でもその2つは一番安い80円の串だが、値段を気にせず牛肉も選べるようになった今も玉ねぎとじゃがいもが2強だ。
これも思い出補正ではなく、素材の味が薄いので、衣の味を楽しめるからなんじゃないだろうか。
次点で牛肉、レバー。とうもろこしの素揚げあたりがおいしい。
先日、久しぶりに両親と食べた。昔のように車で店に取りに行く。
コロナとは無縁で店内もテイクアウトも盛況。
いつものようにじゃがいも、玉ねぎ多め、ソースは浸しておいてもらって家で温めなおさず食べた。
やっぱりこの食べ方が間違いない。
「いろんな思い出があるからじゃなくて、単純においしいよな。」
そんな話をして家族で団らんしていたが、親子で60年近くに食べてるのだからもっと早くに気づけよって話だ。せめて30年目くらいに。
食べながら思い出したが、昔水道筋にあった映画館は食べ物持ち込みOKで串カツの匂いを充満させながら東映アニメ祭を観た。
「映画館があった街」西灘劇場閉館15年記念トーク&展示 | イベントを探す | 兵庫おでかけプラス | 神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)
これだった。あまり覚えていないがアニメとポルノが同時上映の今思えばスリリングな劇場だった。
目当てはドラゴンボールとスラムダンクだったが、暗転してはじまったのは「ママレードボーイ」だった。
俺はゴジータや桜木花道の活躍が観たいだけなのに・・・串を握りしめて拷問のような30分だか、40分を過ごした。
あの時、船越がなかったら俺は死んでいたかもしれない。
神戸に来ることがあれば試しに食べて欲しい。
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280103/28005855/