こんばんは、デッドプー太郎です。
先日、字幕に続き「デッドプール」を吹き替えで鑑賞した。
字幕では訳し切れてないセリフもあり、こちらも楽しめた。
そして興行収入も1位!!公開1週目で7.1億円突破と絶好調だ。
巷でデッドプー太郎と名乗っているが、知ったきっかけが格闘ゲーム「マーベルVSカプコン3」、ローマ字しか読めないのでアメコミはあまり詳しくない典型的なにわかファンの俺でもデッドプールの話題が出る度に嬉しくなる。
今回でライアン・レイノルズのファンになった人も多いことだろう。
今までのライアンレイノルズの印象というと、
・最もセクシーな男「だった」人
・アラニス・モリセットの元カレ
・スカーレット・ヨハンソンの元旦那
・ブレイク・ライブリーの旦那
・アメコミ作品でコケ続ける人
で早い話が「実績の割には恋愛遍歴は一流→ハリウッド版紗栄子」という印象の人が多かったと思う。実際、ライアン・レイノルズの代表作と言われると、正直困った。
これだ!!という代表作がなかった。
特にアメコミ作品でのコケっぷりは気の毒なくらいだった。ついこの前まで3戦3敗3死亡だったザ・ニンジャを見ているようだった。
しかし、もう紗栄子でもザ・ニンジャでもない!!
というわけで、「デッドプール」が大成功した今、過去のつらい日々を労う意味を込めてライアン・レイノルズの苦渋の日々を「アメコミ原作映画」にスポットを当てて振り返ろうと思う。
・第1章「アクション番長、赤いタートルネックの悲劇」2004年「ブレイド3」
型破り過ぎるヘアスタイル、そしてウェズリー・スナイプスのキャラクターでネタ扱いされがちだが、世間一般的に初めて成功したマーベル作品の「ブレイド」の3作目でライアン・レイノルズはアメコミ映画に殴り込んだ!!
大人気作の3作目、配役はブレイドの仲間であるハンニバル・キングとバッチリだったわけだが、何を血迷ったか肝心のブレイドがピッチピッチの赤いロンTに衣替えという痛恨のコーディネートを披露する。
首元から除く真っ赤なロンTの違和感からか作品自体も失速、
おまけにブレイドの仲間としてはジェシカ・ビールの演じるアビゲイルに人気が集中するという痛いアメコミデビューとなった。
「デッドプール」ではこの時のつらさを忘れないためかあえて出演していない「ブレイド2」について触れるシーンがある。
※「ブレイド2」の監督はギレルモ・デル・トロ、共演にロン・パールマン、ノーマン・リーダス、ドニー・イェンという豪華な布陣!!
角刈りの鋭角以上にウェズのとんがりボーイ精神がスパークした名作だ!!
そして2005年からライアン・レイノルズ自身がデッドプールの原作が好きということもあり、映画化に向けて動き出していたらしいが・・・彼の泥水で顔を洗うような日々はここからだった。
・第2章「ハリウッドが生んだ闇」2009年「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」
X-MENのキャストが売れ過ぎて全員集めるのはギャラがきついという切ない理由ではじまったX-MENスピンオフシリーズ。
当時のヒュー・ジャックマン人気は最高潮!!アメコミでも人気の「ウェポンX」をベースとしたストーリーという事で世界中が期待した本作!!
ここでついに念願のデッドプール役で出演!!
結果、誰もがご存知の大惨事となった。
体にマジック(極太)で落書き、お口はチャック、目からビーム。
ライアン自身もこれには「全然違う!!デッドプールに呪われるぞ!!」と相当抗議したようだが、理不尽が横行するハリウッド、彼の怒りは受け入れられず、案の定世界的に大ブーイングとなった。
今観返してみても、冒頭のウェイド・ウィルソンの描写は良いのだが、「製作陣はデッドプールに恨みでもあるのか?」と言わんばかりの改悪アレンジ。映画自体もウルヴァリンの出生を描くといった割にはオリジンはそこそこに、内容はいつものX-MENだったのでとっ散らかった内容だった。
「デッドプール」ではこの時のつらさを忘れないためか、ウルヴァリン版デッドプールのフィギュアが画面いっぱいに登場。2回観に行ったが2回とも劇場で失笑をかっさらっていた。
この頃、プライベートでは2008年から結婚していたスカーレット・ヨハンソンと2010年に離婚。
スカーレット・ヨハンソンは離婚原因について
「二人の仕事が同じペースで進んでいると、どうやって時間を作るか、お互いの理解が必要になる。
そして、片方が成功してしまうと、もっとややこしいことになるの。」
と語っている・・・。
尚、彼女はご存知の通り2010年からブラック・ウィドウとして大成功していた・・・・泣けてきた。
・第3章「マジで何も残らなかった」2011年「グリーン・ランタン」
マーベルはダメだ!!と思ったのかDCに乗り込んだライアン・レイノルズ!!
演じるのはバットマン、スーパーマン同様ジャスティス・リーグの一人であるグリーン・ランタン!!
今度こそ完璧だ!!
3度目の正直に本人だけでなく誰もが祈った(はず)!!
・・・・・当時俺の周りでは「グリーン・ランタンを最後まで眠らずに見たら100円あげる」という冗談が流行っていた。
「ジャスティスの誕生」が公開された今、超ド派手マンガ路線は決して悪くないのだが・・・なぜかグリーンランタンはぼんやりとしか記憶がない。
「何も残らない映画」と言われる作品は多数あるが、マジで何も残らない映画だった。実際赤字額は推定90億円と言われている。
「デッドプール」ではこの時のつらさを忘れないためか、「緑のコスチュームにはするな!!」と懇願するシーンがある。
この頃、現在の妻であるブレイク・ライブリーと出会い見事ゴールイン、子宝にも恵まれる。
時を同じくして「マーベルVSカプコン3」により日本でもデッドプールが注目され始めるのだった。
・第4章「終わらない悲劇」2015年「ゴースト・エージェント/R.I.P.D」
一応本作もアメコミなのだが・・・
製作費 $130,000,000
興行収入 $24,083,135
赤字額は推定114億円
「グリーン・ランタン」と合わせて-200億超え・・・
俺なら何の躊躇もなく自殺するしかない赤字だ。
「テッド」や「荒野はつらいよ」でニコニコとカメオ出演していた彼が切なくて仕方がなかった。
・第5章「11年目の軌跡」2016年「デッドプール」
そして今回の大成功だ。
Youtube等でインタビューを見る限りライアン・レイノルズはファンからの質問にもたっぷりのジョークで答えるナイスガイだ。
劇中でも「ライアン・レイノルズは顔だけだ」と自虐的なネタをかますあたり、本当に飾らないいい奴なのがわかる。
今の状況はベン・アフレックに似ている。
ベンも『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)でアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞、「アルマゲドン」(1998年)と快調だったが、「パール・ハーバー」(2001年)で雲行きが怪しくなり、「デアデビル」(2003年)で大ゴケ、一時期は映画よりもジェニファー・ロペスに振り回される人で有名になったが、監督作「アルゴ」でアカデミー作品賞を受賞し、今やバットマンだ。
きっと想像した以上に騒がしい未来がライアン・レイノルズを待っているはず。
今年で40歳、ようやく大スターの道を歩み始めた。
最後に映画秘宝2016年5月号のインタビューより抜粋
「初めて完成した作品を観たとき僕は泣いてしまったくらいだった。11年間、思い続けたデッドプールがスクリーンで動き回っていたから。まさにコミックから抜け出したようで、めちゃくちゃ誇らしかったよ。」
11年間・・・普通の人間なら耐えられない挫折を味わい続けた。
「デッドプール」はライアン・レイノルズの血と涙の結晶なのだ。
(2024年7月24日追記)
デッドプールも大人気となりいよいよ3作目が公開、デップ―以外も「フリーガイ」や「ヒットマンズ・ボディガード」など絶好調のライアン。本当によかった。