打ちも打ったり、遂に6作目!
気が付いたら息長く続いていた映画ーーバイオハザード。
巷ではウォーキングデッドなど、リアルなゾンビ摸写が売りの映画が流行する中、ミラジョボビッチは飛び蹴りをゾンビに放ち続けた意味でも偉い映画である。
あるいは死んだかと思ったら蘇ったり、蘇ったついでに得た超能力でゾンビを燃やしたり、101匹に増えたり、なんやかんやで超能力が無かったことになったり、「雪の華」を二倍の声量で歌えそうな位に口が大きく開いた中島美嘉とバトルを繰り広げたり・・・
シリーズを通してバイオハザード女一代記を描き続けた。
ちょっと映画に詳しい人なら怒るであろう、前作の設定を「私アリス。色々あって大変だった!で、今はこんな感じ!」と体固めでねじ伏せる強引さも個人的にはタマラナイ魅力であった。
そんなバイオハザードも遂にファイナルである。
ミラとアンブレラ社の骨肉を争う14年にわたる戦いに遂に決着がつく!
ここ日本でも最速上映!ということで行って参りました!
去年!
というわけで、あらすじ。
シリーズを通して、もはや経済活動が不可能なレベルに世界を滅亡させたブラック企業アンブレラ社。
なんやかんやでゲームオリジナルのレオンやエイダ、ジル、ウェスカーとチームを電撃結成したアリス一行は「今からアイツを、これからアイツを殴りに行こうか!」と前作のラストでチャゲアスばりに意気込んでいた.
しかし、気が付けばアリス一人になっていた!
理由は分からん!!
↑もう滅亡しちゃってるじゃん!と言いたくなる風景
いきなり前作を見ていたファンにとっては「あれは嘘だ」と冷や水をぶっかける展開である。
「他のキャラクターは、どうなったんだべ・・・」という疑問には全く答えず、そこらへんをブラブラするアリス。
たまにサプライズ好きのゾンビやら、元の生物が何だか分からん空飛ぶモンスターに遭遇しつつも、車や鈍器を駆使しながら、文明のブの字も見えない世界をサバイブしていた。
とりあえず戦闘後に適当な廃墟に入るアリスだったが、そこでシリーズ名物のアンブレラ社の堅物AIレッドクイーンのホログラムが現れ、「今までケンカばっかりしていたけど、いよいよ世界がやばい。なんとかして人類の滅亡を防いでほしい」と言われる。
そんなもん外見れば分かるよ!という話であったが、他にやることもないアリスはアンブレラの本丸ーラクーンシティを目指すのであった。
途中、Ⅲで倒したはずのアイザックス博士らアンブレラの妨害を受けるも、盗んだバイクで走りだし、ラクーンシティに到着するアリス。
↑盗んだバイクはドヤ顔で転がせ!
そこには以前共闘したクレアたちがレジタンスを組み、今や遅しとアンブレラに反旗を翻す機会を待っていた。
追ってくるアイザック博士およびゾンビを、うっとおしいので京都の大文字焼きのように焼き払ったアリスたちは、いよいよアンブレラ本社へ仲間たちとクレームをつけにいく!
↑ガメラⅢ~邪神覚醒~の渋谷ではありません!
待つのはシレッとアンブレラ社に出戻りしたウェスカー、今となっては割とどうでも良いアリスの出生の秘密。
そして片腕を落とされてヤケクソになりロッキー2のランニングシーンばりにゾンビをお供に追ってくる、どっこい生きていたアイザック博士!
サンドイッチ状態で役者はそろった!
こうして事態は風雲急を告げるのだった!!
確か、そんなあらすじだったんじゃなかろうか。
というのも、日頃の疲れもあって前半意識を失っていたからである(後から一緒に行ったデップーさんとホットケノービさんに教えてもらった。)
かといって、つまらんのか?と言われれば、そんなことはありません。
最強の敵が換気扇、滅亡寸前なのに株価を気にするアンブレラ社、ユンピョウ似の特殊部隊隊員、早すぎるドアに挟まれるウェスカー、ヴァンダムばりに開脚するミラジョボビッチ、小っちゃい巨神兵、思わず「お前かよ!」と言いたくなるアンブレラの最終兵器、など見どころはたくさんある。
↑ふいにヴァンダミングアクションを見せてくれるミラ。
同じころに公開されたスターウォーズ・ローグワンは目的を果たすためにキャラクターが死んでいくが、バイオハザードは違う。
気が付いたらジョボビッチ以外のキャラクターが無意味に死んでいく。
人の死は、だしぬけに、かつ不条理に訪れる。
何も世の中には、意味のある死ばかりがあるわけではない。
バイオの前では、ローラの命すら紙切れに等しい。
そんな命の安さを、凄まじく雑なカメラワークでバイオは俺たちに教えてくれたのだった。
改めて、世の中の無情さを感じさせて、いっそ清々しい。
だが、今回、監督のポールWSアンダーソン(ミラの旦那)は、「リアルに寄せた」と発言したらしいが思わず「何でもリアルと言っときゃ良いってもんじゃねえよ!」と言いたくなる人もいるのではなかろうか。
他人に自信を持ってオススメ出来るか?と言われれば「さあ・・・」としかいいようがない。
だが最近は出来の良い映画ばかり観ていたのもあってか、「良いもんばっか食ってんじゃねえぞ!」とブン殴られた気分になった。
例えばサイゼリヤとかいって「こんなのパスタじゃない」とか上から目線で言うほど、みっともないものはないじゃないですか?
そういうことですよ。
雑な接客のババアがいたり、頼もうとしたメニューが品切れだったり、頼んだもんとは全然違う定食が来たり・・・・
そういうのに、いちいち目くじら立てるより、
まあ、それもまた人生じゃないの、と割り切るのも大事だろうと。
もはや何の話をしているのか俺すら分からなくなったが、上映後、野郎三人で梅蘭の焼きそばを食いながら閉店間際まで語らせるパワーが確かにあった。
ともあれ最終作ということで、長い間シリーズを通して楽しませてくれた作品である。