人は生き方次第で誰もが殺人マシンになれる「ザ・コンサルタント」

ハードコアバリアフリームービー
拳と銃弾の自立支援。
生き方次第で殺し屋になれる!!

裏社会に生きる男になりたい…

童貞をこじらせ、青春が灰色であればあるほど憧れる副業第1位、

殺し屋。

「ヤンキーだけど犬が好き」「金髪だけど彼女に一途」みたいな女子が思うギャップ萌えのような生易しいものではない。

ストイックかつ誰にも媚びない
信じるものは己の肉体のみ
隠し部屋に武器庫
引き出しには複数のパスポートと金



高校生の頃、俺は帰宅部所属の殺人マシン(童貞)だった。
俺は理由なく早く家に帰っているわけじゃない。
スナイパーライフルさえあれば隣の工業高校全員を抹殺出来ると本気で信じ、上半身裸で腕立て伏せ(10回が限界)をしたりエアガンの製造番号を全て彫刻刀で削ると言った今思えば目眩がするような日々を送っていた。

他の同級生が恋に部活に充実した青春を送る中で雑誌のサバイバルナイフや催涙スプレーの広告を見てはノートに「調達すべき武器リスト」を書き連ねる。

案の定、壊滅的にモテなかったなぁ‼︎

人生、絶望的にモテない時期があると、人間なかなか変わらないわけで、今でこそ結婚もしたものの、仕事の昼休みに安い昼飯を食いながら「突然FBIにスカウトされないかなぁ」なんて思う日々だ。

実際のところ、現実の裏の顔といえばビーパワーハードボイルドというコンビで映画のブログばかり書いている…って大バカだとバレるだけじゃねーか‼︎

以前ダイスケさんが「ステイサムの悩み相談bot」を「おまえこの俳優好きだよな?こんなbotあるよ」と友達に勧められたそうだが、「世の中には暇な奴がいるもんだな‼︎」と全力で素性を隠し切ったらしい。

そんな消えることのない童貞時代の闇を持つ我々は「モテなくていい、金もなくていい、せめてこんな男になりたい」と家族が寝静まった部屋で製造番号を彫刻刀で削ったエアガンを弄るのだ。俺たちは今もなお、泥水をすすり続けている。

そんな俺たちにうってつけの「ザ・コンサルタント」が公開された。

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主人公は普段は田舎のしがない会計士だが、裏の顔は年収10億円の裏社会の掃除屋。

演じるのは「目が死んでいる」事に定評のあるベン・アフレック‼︎

これは俺の中の童貞が黙っちゃいない‼︎

というわけで気になるあらすじ

少し昔の事、ある夫婦は医者に相談していた。

息子であるクリスチャン・ウルフは高機能自閉症で数学には強いが、弟にしか心を開かない画期的なコミュ症だった。

天才的だが抑揚のない声で殺伐とした内容のポエムを口ずさみながらパズルに夢中になる息子に対し、軍人である親父は「このままでは社会で辛い目に遭う。この子には強く生きて欲しい」と心配した結果、
クリスチャンにありとあらゆる戦闘術を叩き込むというドスの利いた教育方針を打ち出すのだった。

それから数十年後、「愛想はないが親身に相談に乗ってくれる会計士」として田舎で頼りにされているクリスチャン。

抑揚のない声、壊滅的にキャッチボールできない会話、ハードコアを爆音で聴きながら足をマッサージという俺ジナル過ぎる私生活は絶賛継続中であったが、それなりに社会に適応していた。どころか、マフィア、武器商人、麻薬カルテルの資金洗浄、ときどき殺し屋を副業として年収100万ドルを叩き出す裏社会の勝ち組となっていた。

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新の男は徹底的な顔出しNGにより機密情報のおもらしをしっかりガード!!

ある日、「たまにはまともな企業も担当しよう‼︎」というマネージャーのアドバイスで大手電子機器メーカーの会計処理の不正を担当する事になったクリスチャン。

驚異的な集中力で一晩で15年分の会計をチェックし「不正があったぞ‼︎誰かが会社の金をちょろまかしてる‼︎」と報告。良い仕事をしたはずだったが、翌朝から関係者が連続で不審な死を遂げるのであった。

役員が連続して死ぬ大企業の企業体質に嫌気が差したクリスチャンは担当している老夫婦の家の庭でバレットM82ライフルで1キロ先のスイカを狙撃するという火薬多めの気分転換をしていたところ、屈強な男たちに襲われる。

公私ともに良くしているおじいちゃんおばあちゃんの危機に冷静な判断と驚異的な格闘術で屈強な男たちをてきぱきと死体に変えるクリスチャン。
老夫婦はドン引きしていたので近所付き合いの今後は危ういが、ともかく命を救った。

しばらくして、ぼっち飯のクリスチャンに果敢に絡んでくれた経理の姉ちゃんデイナもこれまた屈強な男たちに襲われる‼︎
ネルシャツにショルダーバックというカジュアルな服装で向かったクリスチャン。インドネシアの格闘技シラットをベースにしたアクションとサイレンサー付きハンドガンで丁寧かつロジカルな技で息の根を止めていく。(必ず留めの一撃を与える徹底的なオーバーキル‼︎)

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助けたディナを名画やヴィンテージのアメコミ(ベンアフレック意識かしっかりバットマンだった)と言った芸術品と武器でいっぱいのトレーラーハウスに一旦保護し、ハンドガン、予備の弾薬、金とシュワルツェネッガーの「ゴリラ」ばりに正しい男の荷造りを開始。

「本当に会計士か!?どうなってんだよ!?」とパニくるディナに「ホテル代はおごるからとにかくついて来い!!」と死んだ目で答えるクリスチャン。

決して一線を越えることはないのだが、この有無を言わさずホテルに連れ込む説得力は男なら持ちたい技術だ!!

決して手を出すことはなく、寝るまでの間高校時代の思い出話をしただけだったのだが、彼女の命のため黒幕を見つけて皆殺しする覚悟を決めたクリスチャン‼︎

マネージャーから「ちょっと仲良く喋りかけてくれただけの女にここまで命を張るのか?」という忠告に、「この女は俺が守る!!」と童貞力の高い明確なアンサーを決める殺人マシンなのであった。

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「イコライザー」「ジョン・ウィック」に通じる「ナメてた奴がヤバかった」ムービーの全部盛りで男の「カッコイイ」の役満状態なのだが、コンサルタントは更に新たな要素を打ち出す‼︎

バリアフリー精神だ。

主人公のクリスチャンをはじめ、本作には「100%健康ではない」人達が登場する。

「心に病を持つ主人公」とはよくある話だが、周囲と噛み合わない会話、独特な私生活、奇妙なクセと自閉症である事を長い時間かけて掘り下げる。またクリスチャン本人が自身の障害に苦しみながら向き合っている描写もある。

「ハンディキャップではなく、個性だ」

「みんな違ってみんな良い」とは以前から聞くが、ベン・アフレックは「障害を乗り越えて殺人マシンになれる‼︎」という新たなバリアフリーを俺たちに教えてくれる。

またクリスチャンを追う捜査官にも過去の闇がある。しがない職員だったはずなのに人生が変わってしまった財務省犯罪捜査部のキング捜査官(安定のパワハラ上司J・K・シモンズ)と、元ドラッグの密売人というヤンチャ過ぎるエリート、メリーベス・メディナ捜査官の二人もそれぞれの形で「今やるべきこと」と向き合い、過去の自分から変わろうとする。

「そうだ、嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも」というやなせたかし精神に通じるものを少なくとも俺は感じた。違いといえば破竹の勢いで死体が出るくらいだ!!

また、前半で「悪人にだって正義はある」という伏線が入るのだが、映画のクライマックスでクリスチャンが裏の世界に身を投じた真の理由が明らかになる。ここで突然「Always三丁目の夕陽」ばりに優しさが溢れ出すから注意だ!!

精一杯生きることをテーマにしながら精一杯生命を奪うことにも全力投球の「ザ・コンサルタント」

バリアフリーとオーバーキルというふり幅の大きさに困惑すると思う。実際俺は何度か黙った!!

しかし終わる頃には昨日よりも少し優しくなれている自分がいる。

「ザ・コンサルタント」は絶賛公開中!!ベン・アフレックばりに死んだ目をして劇場へ急ごう‼︎

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