地獄のシュワルツェネッガー黙示録!エンド・オブ・デイズ

~地獄のシュワルツェネッガー黙示録!

放て!悪魔祓いのグレネード!

魔王VSシュワルツェネッガーの戦いが今、始まる!~

 

悪魔が出てくる映画と聞いて皆さん、何が思い浮かぶだろうか?

メジャーな所で言ったら、エクソシストやオーメン辺りが思い浮かぶもんです。

なにせ相手は、この世のもんじゃないですからね。

人間側は理不尽な力に為す術もなく翻弄される展開に陥るのが多い

そんな悪魔に対抗するといえば聖水、十字架、聖書といった何かしら神様の息が掛かった物と相場が決まっていた。

だが、待て、と。

本当にそうだろうか?

かつて悪魔への新しい対処法を実証した作品があった。

あのシュワルツェネッガーが!

悪魔祓いの道具。

それはグレネードだ!

というわけで、今回はシュワルツェネッガーの悪魔祓いを描いた映画、エンド・オブ・デイズを御紹介します。



時に1999年。

この年、「地球は滅亡する」というノストラダムスの大予言に震えたものだが、俺はシュワルツェネッガーの新作に震えていたのだった。

しかも敵は地獄の魔王=サタン。

思えばシュワルツェネッガー自身も、それまでの作品の敵からした理不尽な破壊の権化以外の何物でもなかった。

だが、なんと今度の相手は同じように理不尽な破壊の権化=サタンである。

そんじょそこらの悪魔ではなく、魔王。

とりあえず強そうだなあ!魔王!というのがバカの俺でもビリビリ感じることができた。

当時のキャッチコピーは『人類60億人に捧ぐ』。

「これを捧げられてもなあ…」と人類60億人の大半は戸惑うしかなかったのだが、60億人の一人である俺は「この激突を見逃す手はない!」と劇場に駆け付けたもんである。

タイトルだけで大体のあらすじも予想がつきそうだが、人類崩壊レベルのサタンのワンチャンを防ぐべくシュワルツェネッガー孤軍奮闘するのが主なあらすじ。

男騒ぎするなというのが無理な話である。主に俺が!

今回のシュワルツェネッガーは元刑事にしてSP。

過去に不正を告発したおかげで、家族を全員殺された悲惨な過去が彼にはあった。

今では運試しに毎朝ロシアンルーレットで自らの命を試すなど、ヤサグレ具合にも拍車がかかっている。

そんなシュワなので、神様など微塵も信じていない。

おかげさまでサタン相手に窓から放り投げる、躊躇なしにマシンガンをブッ放す、アホみたいな火力のグレネードをブチ込むど、オーバーザキリストな活躍を見せてくれる。

最終決戦ではマシンガンとグレネードで武装するわけだが、普通であれば、完全武装で魔王に立ち向かおうと誰が思うだろうか?

そんなシュワルツェネッガーファンタジーを本作は見せてくれる。

まさに劇中のセリフ「俺は信仰より拳銃を信じる」というマニフェストを実行するシュワなのだった。

この気合と根性のみで地獄の魔王と張り合い、中盤で磔にされるのは、彼氏の出世作「コナン・ザ・グレート」を彷彿とさせてくれる。

 

一方、シュワルツェネッガーの敵、大魔王サタンである。

1000年に一回、抽選で選出された女と年末にワンチャンを決めるべく現世に降臨してくる。

まあ、つまるところスケベですね。

というわけで復活早々、セレブのオッさんに便所で取り憑くサタン

便所を出たかと思えば、いきなり面識のない人妻の乳を揉んでキス

そのままを店を出たかと思いきや人妻が店ごと大爆発!

そのまま配下の家へ行くと親子丼3Pを決めるなど、のっけから地獄の釜のように有り余る性欲を燃やすサタンなのであった。

劇中のサタンの小便が引火性なのも頷ける。

さっきからシモの話ばっかしてる気がするが、まあいいか!

ともあれ煽り耐性が無い、面白半分で人を殺す、不死身など悪魔としての特性も持ちながら庶民性があるサタンなのだった。

しかも、やさぐれたシュワルツェネッガーとは対照的に、チェスターコートなんかが似合うイケてるオヤジの見た目である。

相手にとっては不足はない!

 

地獄のシュワルツェネッガー黙示録の様相を呈している本作。

オカルトの世界にシュワルツェネッガーがいる。 

こう字にしてみると簡単ではあるが、これを実現するのは並大抵ではない。

なにせシュワルツェネッガーという俳優の存在自体が濃い。

どんな映画もジャンルとして良くも悪くもシュワルツェネッガー映画になってしまいがちだ。

もう個人経営の居酒屋のチューハイみたいな濃さである。

 

だが、本作は果敢にもホラー摸写を挟んでくる。

結果としてシュワルツェネッガー6割、ホラー4割くらいだろうか。

充分濃いじゃねえか!と言われれば俺も黙るしかない!

他にも、全然使えねえバチカン、  十字架より悪魔に効くグレネード、ババアと激闘を繰り広げるシュワルツェネッガー、ブレストファイアーを放つシュワルツェネッガーなど、普通の悪魔映画やシュワルツェネッガー映画でも中々お目にかけない摸写が見れる意味でも一線を画している。

これだけでも元が取れるんじゃないかなあ!多分!

という訳で、かの名作プレデターにおける「血が出るなら殺せるはずだ」精神を悪魔相手に発揮しまくるのだが、 思えば悪魔祓い映画「エクソシスト」も何やかんやでマウントパンチからの窓ダイブで決着をつけた。

なので本作の物理で決着をつけようとする姿勢は間違っていない。

意識してかしてないのか分からんが、コナン・ザ・グレートやプレデター、ターミネーターを思わせる摸写もあり、年季の入ったシュワルツェネッガーファンにも嬉しい作りだ。

是非、鑑賞後に周りに「あ!ここはプレデターだ!」「コナン・ザ・グレートのオマージュだ!」とか得意げに周りに話してほしい。

心底嫌な顔をされるでしょう!

シュワルツェネッガーの迷走作と言われがちな本作。

痛快丸かじりな内容ではないが、例え人類が悪魔を許してもシュワルツェネッガーは許さない!」という 意味では、全然ブレてない!

暇ならサタンから世界を救うほどある!という方にはオススメですよ。