てらさわホークさんの「シュワルツェネッガー」主義が発売された。
シュワルツェネッガーだけで300P、武器に使えそうなくらい厚く、そして重い。バッキバキの笑顔の御大の表紙(裏表紙もこれまたバッキバキの笑顔が出迎えてくれる)といい「ラスト・アクション・ヒーロー」だけで1章使う内容といい何から何まで、どうかしている。
確かにシュワルツェネッガーは人気ものだ、かつてはお茶の間にも進出し、CMでカップヌードルを3口で完食していた。
しかし今は2018年だ!!、相変わらず現代ではスカイネットが暴走しないが、 この本こそが現実世界における「審判の日」なのだろう。
我々ビーパワーハードボイルドも早速手に入れて貪るように読み終えた。
一人でも多くの人に読んでもらい、そして鳥貴族あたりで語り明かしたい。
というわけで2016年12月1日「バットマンVSプレデター」以来のビーパワー読書感想文です。
2014年の4月の事。
「子供の頃淀川長治さんが好きで日曜洋画劇場が楽しみでした。」
「わかります!!、淀川さん死んでからショックだったけど、最近だと
てらさわホークさんの書く解説が好きです!!」
「俺も大好きです、あの人の文章めっちゃおもしろいし、映画をさらに楽しくしますよね。」
「俺達もあんな文章が書けたらなー、そういや昔ホークさんてダブルダイナマイトってコンビしてましたね」
「あれ死ぬほどおもしろかった!!俺達も何か二人でしたいですね!!」
「コンビ名は「ゴリラ」のキャッチコピーからとってビーパワーハードボイルドにしましょう!!」
「いつか、ビーパワーハードボイルドで映画のコメントとかに載ったりしてね(笑)絶対ないか(爆)」
ライトアップされたレインボーブリッジを見ながらの会話。
どちらかというと忘れたいものだが、こびりついたクソのように消えない記憶。
これがビーパワーハードボイルドの結成である。
軽快でユーモアたっぷり、それでいて深い内容の記事を書かれるホークさんは淀川さん亡き後の師匠であった。
「ホークさんのような映画の感想を書きたい」、というのが我々の共通の認識なのは今も変わりない。
人生とは不思議なものでホークさんと二回お会いしている。しかもプライベートの形で。あれほど緊張した事は現時点でない。
バッキバキに緊張しながら「ホークさんのような文章を書きたくて俺達ブログ始めました」というとホークさんは我々の将来を心から心配してくださった。
あのホークさんに会える。映画スターにインタビューした時の話や映画の話をたくさん聞きたい。会う何週間も前から聞きたい事をまとめていた。
それなのに、当日は3人でほぼ「ストリートファイター2」の話だけで終わってしまった。
ビーパワーハードボイルドのサイトを立ち上げた時、サイト用にロゴも書いてくださった。
ホークさんのサービス精神が加速したあまり便所のラクガキのようなクオリティに仕上がったが宝物である。
(本人は全力で嫌がるだろうが)事実上、ビーパワーの生みの親であるホークさんの「シュワルツェネッガー主義」 は素晴らしい著書だった。
映画の良い記事というのは「より映画を楽しくみれる内容」の一点だと思う。
SNSがそれなりに影響のある現在、試写会に呼ばれる事、レッドカーペットに参加する事、SNSのフォロワー数の多さを「社会的ステータスの高さ」と勘違いしている連中がwikipediaのコピペみたいな内容を自慢げに発信している様子は反吐が出るが、これは「本物」だ。
読めば読むほどシュワルツェネッガーが好きになり、シュワの異常性に興奮する。そして何度も観たはずの主演作をつい再生してしまう。
(読みながら思わず「ゴリラ」の正しい男の出勤風景・・・大量の銃器に弾を込めていくのだが、安全装置を一切かけずにカバンに突っ込んでいく名シーンで・・・をまたしても見てしまった。)
シュワルツェネッガーを愛している、いや、憑りつかれているからこそ書ける考察もある。
あまりの景気の良さにネタ扱いされ、誰もが冷静には見られない「コマンドー」を製作の背景を交えながら娯楽作品として掘り上げている。
敵の飛行場には裏口のフェンスを破ってこっそり潜入したのに、なぜ、軍放出品店にはブルドーザーで正面から突っ込んで豪快に万引きしたのか!?
同じようにこっそりやれや!!というのはよほどの回数を観ないと気づけない。次に「コマンドー」を観るときに爆笑してしまうだろう。
「ランボー怒りの脱出」の試写を観た監督のマーク・L・レスターが「負けるわけにはいかない!!」と奮起し、娘がどこで誘拐されているかわからないのに、建物を次々と爆破、わずか20分程で100人を殺すクライマックスが出来た裏話も最高だ。
また、他の作品とは逆に手放しで絶賛される「ターミネーター2」への問題提起や駄作扱いされがちな「3」の魅力について記述しているところ、政治家としての評価には、思わず唸ってしまう。
年齢的には90年代中盤の低迷期からの後追いであるが、「コナン」といえば名探偵ではなく「グレート」な我々としては、シュワルツェネッガーは常に人生の要所要所では超人的な強さで活力を与えてくれた。
この本で一気に読むことで新たに知ったこともあるし、改めてこの名前の長い男に夢中になる。
ファンとしては政治家としての失敗、スキャンダルでの転落を考えると全盛期には及ばないにせよ「ラストスタンド」からの数々の復帰作での哀愁を帯びたカッコよさを観て人生の困難に立ち向かう勇気を貰っている。
昨日よりももっとシュワルツェネッガーが、そして映画が好きになる一冊。是非とも読んでください。
万全の体制で読もうと思い、カフェで読書していたのだが、あまりの表紙の圧力に、近所にいた他の客にガン見された。 こんな経験は初めてだ!!