This Is 男の夢「イコライザー2」

男の夢

この言葉を聞くと何を思い浮かべるだろうか。

マイホーム、高級車に乗る、良い女と付き合う

学生向けでも中年向けでも雑誌では書いている事はこんな感じだ。

確かに正しいかもしれない。ただ、もっと深く掘り下げていこう。

「男の夢」の本質は「カッコいい」である。

お金があったり聞き上手だけでは手に入れる事ができないもの

それは全て「イコライザー」にあった。

・昼間は気の良いホームセンター店員だが、裏の顔は伝説のCIA工作員
→世の中、元〇〇といった経歴に溢れかえっているが、本当にすごい経歴というのは元CIA、元FBI、元デルタフォースくらいだと思う。

・一人で過ごせる行きつけのダイナーがある。
→決して日当たりがよくて、カフェラテに動物の絵を描いてくれるところではない。深夜にふらっと入れる。静かな店、そして自分の指定席があることだ。

・程よい距離感の水商売の女
相手がクロエ・グレース・モレッツでもワンチャンを狙わない。
がっつかず他愛のない話、時として悩み相談に乗る抜群の安心感。

・身の回りの物全てが武器になる。
→「シューター極大射程」や「アイアンマン3」でも証明されている通り、男の価値とはホームセンターで売っている工具を武器として使えるかだ。

・大爆発に振り返らない。


→死ぬまでにInstagramかFacebookに投稿したい。

「男が想うカッコいい」のすべて・・・初めて劇場で「イコライザー」を観た後は、ロマンスが溢れて放心状態だった。実際70歳くらいのおじいちゃん3人組も映画館の外で少年のようにはしゃいでいた。

その3年後、スラッシュとダフ・マッケイガンが復帰したガンズ・アンド・ローゼズのライブのオープニングSEがイコライザーのテーマだったので、憧れのカッコいいロックスター達でもデンゼル・ワシントンから「男の夢」を感じたんだなと思った。

そんなイコライザーの続編が公開された。
映画レビューするサイトである以上、「絶対に続編には出ない」と公言していたアカデミー俳優デンゼル・ワシントンがキャリアで初めて続編に出たという事がどれだけすごい事かを語らないといけないところだが、ここはビーパワーハードボイルドだ。

そういう事はキネ旬かスクリーンでも読んで保管してくれ。

あらすじ

「イコライザー」ことロバート・マッコールはボストンでタクシーの運転手に転職していた。
生き別れの姉を探す老人の話相手になってあげる裏では、

誘拐された本屋の女主人の娘を奪還するためトルコまで出張しならず者達をティーポットで皆殺し。
レイプされた港区女子のために若いエリート会社員達を二度と出社できない体にするなど、

社会の風紀委員として親切な暴力を炸裂させていた。

また、同じアパートの住人である絵の才能もあり心も優しいが、不良の道に引きずりこまれようとするマイルズ少年の更生のため、壁の修復でおこづかいをあげる、読書を薦める、不良グループにサブマシンガン両手持ちで殴りこむなど素敵なご近所関係も構築していたマッコールの元に悲しいニュースが飛び込む。

なんと、CIA時代の上司だったスーザンが殺された。

前作で我々に「男女間の友情は成立」する事を見せてくれたマッコールとスーザン、勝手に相手の家に転がり込む関係だった彼女との突然の別れに悲しみ、そして怒るマッコール。

Amazonで買い物する感覚でスーザンの遺品のスマホのデータを解析、ホテルの監視カメラや警察のデータベースをハッキングしたところ、スーザンを殺した犯人が同じCIA時代の同僚だったデイブ達だと知る。

妻や子供に恵まれた家庭を築きながら、裏では悪のイコライザーとして稼いでいるデイブは言う。
「CIAの頃から俺達の仕事は暗殺。ただ、雇い主が国家でなくなっただけで変わらない」と開き直るデイブ達にマッコールの怒りは爆発。

「お前たちを全員殺すしかない。一人1度しか殺せないのが残念だ」

という名言をキメて、イコライザー同士の戦いがはじまる。

レイプした若いエリート達をクレジットカードだけで壊滅させた時は指を全て折りながら 「タクシーの評価を5つ星にしておくように」と言い放ち、デイブを殺すと決めておきながらも家庭訪問してあえてデイブの嫁や子供と仲良くなる。
マイルズの更生のために顔面に銃を突きつけるなどジャスティスがスパークし過ぎてサイコパスになるのはご愛嬌。

暴走する教育的指導!!生き残るには今すぐ更生するしかない!!

世界中のどこを探しても、ストップウォッチを起動し、寝る前にソファに寝そべりながらゲームをするようなリラックスした表情で殺していくのは「イコライザー」だけである。心優しいものにはとびっきりの思いやりを、悪いやつには生まれてきた事を後悔する程の痛みを与える。

前述の名言である「一度しか殺せないのが残念だ」の通りたった1つの命を噛みしめて、ナイフで全ての腱を切り裂く、血がよく出るところをメッタ刺しにする姿にただただ痺れるしかなかった。

そしてイコライザーはまた新しい「男の夢」を見せてくれた。

1つは「本棚の奥に隠し部屋」、そしてもう1つは「無人になった住宅地でサバゲー」だ。

クライマックスでイコライザー同士の対決に挑む時、マッコールは舞台を自分の持ち家がある海沿いの住宅地にするのだが、台風が来ており住民は避難しているので無人状態。

嵐でまともに歩くことも出来ない中、暗殺のプロ達によるサバゲー。
マッコールは台風通過後の生活をガン無視で建物を爆破するなどして、一人一人残虐かつ丁寧に消していく。

もしこれからの人生で大金が入るのであれば、淡路島あたりで大雨の中の住宅地サバゲーを開催したい。

私事だが、今社会に出て一番というほど仕事がきつい。朝3時に起きてPCを開いても仕事が終わらない。ずっと頭痛がする。歩いて2分の所に映画館がある職場なのにレイトショーにも行けない。

これまでの会社と比べると今の会社には感謝しているがさすがに参っている。
メンタル以前に体がもたないのではないかと思っている。

常に死んだ目で苦笑いしているここ最近だが、「イコライザー2」を観て「今は耐えよう」と気力が出たのは事実だ。

月並みな表現だが映画で救われた。

最近、「プーと大人になった僕」で救われたという感想をたくさん見たが、俺の場合は黄色いクマのぬいぐるみではなく、腱という腱をナイフで切り刻み、少年に銃をつきつけて説教するデンゼル・ワシントンに救われたのだ。

全く持ってカッコよくない、むしろみじめな俺だが、少しでもイコライザーになれるように毎日を強く生きたい。

まずは美容整形の金を貯めて黒人になろう。

的確過ぎる中国のタイトル。「人熱血沸騰的」と言葉がわからなくとも想いは伝わるメッセージ。

https://ameblo.jp/deadpootarou/entry-11944012436.html

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