今、心のヌンチャクを振り回せ!『ドラゴン怒りの鉄拳』

 

今の俺に足りないのは何だ!?

ドラゴンだ!

 

いきなり何だオマエは…と言われるかもしれんが、そういう時ってありませんか?
己の中のドラゴンが騒ぎ始める時が。
ていうか、ブルース・リーが。
なんで今更リー??と言われるかもしれんが、ふと以前のブログや、ここビーパワーでも「そういや書いてなかったな…ブルース・リーについて…」とボンヤリ思い出したのだった。
すまん、リー師父!
 
 
 
ブルース・リーについては、色んな所で誰もが語り尽くした俳優さんなので、わざわざ、こんなサイトで書く必要もないだろと言われるかもしれん。
 
あるいは熱心な人からしたら「何をいまさら!お前はドラゴン愛がないだろ!?」と言われるかもしれませんが誰がアジアの病人だ!」と全然答えになってない言葉を叫んで裏拳を繰り出す位に俺には馴染みがある。
 
そんな俺のドラゴン不足に一番効くのが、ドラゴン怒りの鉄拳だ!
 
もうリー作品は全部俺的に傑作なのだが、そんな中でも一番キレているのがドラゴン怒りの鉄拳。
 
ていうかブルース・リーの作品は基本的にブチキレているのだが、本作の怒りっぷりは目を見張るものがある。
もう何回も見ているが尋常じゃないキレっぷり
思わず見ているコチラも元気になる。
 
 
こうして俺は家でドラゴンになるべく、深夜一時という完全に気の狂った時間にドラゴン怒りの鉄拳を再生したのだった。
というわけで、今回はドラゴン怒りの鉄拳をご紹介しようと思います。
 
 
戦争真っただ中、日本が絶賛侵略中の中国。
空も泣いていたが、リーも泣いていた。
自らに武術のイロハを教えてくれた精武館の師匠が謎の死を遂げたのだ。
脇目を憚らずに取り乱すリー。
 
 
 
結果、見かねた周りの仲間にスコップでブン殴られ(!?)強制帰宅させられるのであった。
ともあれ悲しみに暮れ飯もノドを通らないリーであったが、喪が明けぬうちに日本の武術道場が分かり易いほどの嫌がらせ…ていうか喧嘩を売りに来る。
何せ「アジアの病人」と書かれた看板持参ですからね。
舐めてるといわざるおえない。
クレーマーのように喚く日本人達。
追随する腰ぎんちゃくの通訳。
 
 
 
『笑ってはいけない』ならぬ『怒ってはいけない』精武館である。
一触即発ではあったが、その場は周りの制止もあり何とか我慢するリー。
しかし、「やっぱ許せねえなあ!アイツら!どう考えても!」と思い出し怒り!
後日、頂いた「アジアの病人」看板を持参で、たった一人で道場へお礼参りするのだった。
 
 
 
門弟および師範代をボコボコにして看板を道場に投棄、おかげさまでスッキリしたリーであったが、夜更かしをしていると衝撃の事実が耳に入る。
なんと料理番が日本人側のスパイとして師匠に毒を仕込んでいたのだ!
おまえ、日本人だったのかこの腹巻が何よりの証拠だ!」と推理するリー。
見ているこっちの「え!?それで分かるの!?」という疑問はそのままに、師匠殺害の張本人は日本人らしいと睨む。
いや!『らしい』じゃない。
犯人だ!アイツらが‼
考えるより感じろ‼を優先したリー。
こうして推定有罪の精神で復讐の戦い(主に素手)に身を投じるのであった。

この作品のリー師父、タイトルが怒りの鉄拳だけあって、基本怒っている。
凄い怒っている
 
 
 
 
もうどんだけ怒っているかといえば、プレデターばりに悪人を電柱に吊るす位に。
思わずリーやり過ぎ!と声が出てしまうでしょう。
少なくとも俺は声が出ました。
だが冷静に考えれば、リー師父の怒りの鉄拳を食らえば、皆死を覚悟するしかない。  
それが悪人であれば尚更である。
もう証人であろうが生かして返すなんてナマッチョロいことはしませんよ。
尋問と同時に、
殴る!

殴る!

殴る!!!

勢い余って殺す!!!!
とテンポよく証言を引き出して悪人を拳で屠っていくリー師父なのだった。 
 
 
こんなん言うのもアレですが、理由はどうあれ、早い話が連続殺人ですよ。
このやり過ぎ感は他のリー作品と一線を画す。
 
果たして映画として気が利いているのか!?と言われれば、うん…まあ、全然だ!としかいいようがない。
だが、しかし!
そんな粗を補って余りあるのが、リー師父の全力演技である。
カロリーが高い演技。
感情のこもった打撃。
万感の思いを込めた叫び(怪鳥音)
こうしたリーメソッドを駆使して、泣き笑いのような何とも言えない表情で敵をシバキ倒していく。  
まさにエモいという言葉はリーの為にある!
男が泣いて良いのは師匠が死んだ時だけなのだ!と思うことでしょう。
 
この時代を超えた凄み。
ドラゴンになりてえなあ!おい!と叫ばずにはいられない。
男女問わず、見た後はブルース・リーが心の中に宿るであろう。 

 

  
 
一部では国辱映画みたいに言われて嫌われてるらしい本作。
だが一旦見てほしい。
ゴキゲンじゃないのよ!
 
 
 
百田〇樹はキレるかもしれないけど、
むしろコレでいいよ!コレで‼
 
 
 
そうした政治的なアレコレを置いといても、
全編にわたって漲る、上から目線に対する怒り
虐げられたもんが、いよいよ立ち上がるていう構図。
舐められた経験のある人間からしたら、ビリビリくる本作。  
 
年齢男女国籍問わず、職場や学校で虐げられている人は、もう明日からヌンチャク持参ですよ。
多様性が叫ばれる昨今、人類はブルースリーを通ったか通ってないかで分けられる。
思わず見た後に心のヌンチャクを振り回してしまうでしょう。
というわけでドラゴンが足りない人には必見の一本です。