アクアマン。
ビシバシ入ったタトゥー。
ゴリゴリのガタイ。
DHC知らずのヒゲ。
どう見てもカタギじゃない、ジャスティスリーグでも異彩を放つ、この男。
バットマンVSスーパーマンにて、一人だけCGなしで深海から顔を出 す衝撃の登場を披露。
当時「深海からハードコアメタルのバンドマンが現れた!」と、 ある意味で一部の人間をざわつかせた。
それから数年後、「DCだよ!全員集合!」な作品「 ジャスティスリーグ」では、 バットマンやスーパーマンが深刻な顔している中、 誘われたらなんやかんやで断らない気風の良さを発揮!
「われは海の子アクアマン!」 と言わんばかりに、陸にも関わらず槍一本で異星人に戦いを挑み、 底の知れなさを俺たちに見せつけた。
花の慶次しかり、やはり傾奇者には槍が似合いますな。
まさにDCの花の慶次ポジションのアクアマンだが、よく考えてみると基本は海の人である。
果たして、 水を得たアクアマンの全力とは如何ばかりなのだろうか・・・
そんな疑問に答える単独主演作品「アクアマン」 が遂に公開された!
どんな話かと言われれば、作画:クリスチャン・ラッセンの『 崖の上のポニョ』×『キン肉星王位争奪戦』=『海のワイスピ』ですよ。
他にもプレデター要素、パシフィックリム要素、 クリード要素があり、一本の映画では片付けられない大漁ぶり。
どんな映画だよ!
マジメに話すと、はぐれ者として生きてきたアクアマン。
そんな彼が周りの者に素朴なナイスガイっぷりを認められ真の王に なっていくあらすじです。
自分で偉そうに肩書きを語る人やらオンラインサロン開いて悦に入る人がのさばる昨今、やはり自分で「 俺すげえ!」 という奴にロクな野郎がいないのが本作を見ていると分かる。
海底人の王族の血と寿司屋の大将みたいな人間の血を引くアクアマ ンだが、王様という出自以前にビッグな男気と下町気質に目を見張ってしまう 。
本作を見ると、どんなに強くても特殊能力があろうと「 心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ」 という串田アキラの歌の正しさが、改めてよく分かった。
そんなジャスティスリーグの中でも一緒に飲んでて楽しそうなのが アクアマンなのだが、本作を見ると思わず「アクアマンに乾杯!」 と言いたくなることでしょう。
海の中だけあって見てるコチラも息継ぎができない展開が「これでもか!」 と連発する。
思えばマーベルがロジカルな内容でオタクの舌を巻かせる一方、 DCはというとロジックは一旦そこに置いといて、 ひたすらオタクを絵で殴る作風を続けてきた。
本作もご多分に漏れず、 外を見るとニコールキッドマンが打ち上げられているという衝撃の オープニングから始まり、目を疑う模写が連発!
もう全ての絵面がコチラを殴ってくる。
ラストはハリウッドが金をかけたCR海物語。
魚群リーチに乗ったヒゲ面の王様の模写が延々と流れるのだ。
この爽快さ。
絵面の強さ。
パチンコでドル箱を積む以上の感覚が劇場で味わえる。
今まで我々ビーパワーはDC作品=『ゆでたまごバース』 と勝手に定義してきた。
バットマンVSスーパーマンから始まったDCのゆで路線。
合間に7人の悪魔超人編なスーサイドスクワッドを挟み、 ゆでイズムがマッスルスパークした『ジャスティスリーグ』 を発表。
しかしワンダーウーマンから、そこにジブリ要素を追加。
渾身のゆでたまご版・魔女の宅急便として世に放った。
最新作アクアマンも味を占めたのか、ゆで路線はブレずに再びジブリ成分を投入、ゆでたまご版・崖の上のポニョの実写化に成功している。
アクアマンは、ワンダーウーマン以上にジブリとゆでたまごのマッスルドッキングに拍車を掛けていると言っていいだろう。
思えば初期のDCは試行錯誤もあり劇中の空も曇りがちだったが、アクアマンの空は何とも晴天だ。
ここに来て、DCが諸作品で積み重ねてきた要素が結実したのではないだろうかと思わずにはいられなかった。
まさにDCが放つ乾坤一擲の槍。
それがアクアマンだ。
ともあれアメコミ好きも、