男の価値は年収や顔じゃない!コルトパイソンで決まる!『シティーハンター新宿プライベート・アイズ』

このブログに好き好んで来ている方は、恐らく一人では解けない愛のパズルやら、一人では消せない痛みを心に抱いて生きている方が大半でしょう。
いや、そうに違いない
 
かくいう俺も最近は全然ワイルドにもタフにもなれず、心の中の掲示板にXYZと書きたくなる日々を送っていたのだった。

 

そんな俺の耳に「君が待っていたのは俺だろ?(CV神谷明)」というセリフおよびgetwildのイントロが入ってきた!
そう、シティーハンターのアニメ最新作が公開されたのだ!十数年ぶりに!
というわけで今回はシティーハンター新宿プライベートアイズについてアレコレ書かせて頂きますよ。
 
公開されて一ヶ月近く経ってから今更記事書くのもどうなのよ?と言われるかもしれない。
まあ、それも「香に対して素直になれない獠」オマージュという事にしてくれ!頼む‼
個人的には、アニメ一期オープニングの香の反りが凄い!という位に長年思い入れがあったシティーハンター。
 
 
 
 
だが、「果たして大丈夫かしら…」と今回の映画版に一抹の不安があったのは正直否定できない。
何せ『もっこり』という言葉を使うのすら憚れる今の世の中である。
ある程度、時代に合わせちゃうんじゃないのかしら・・・と恐る恐る劇場に向かった。
しかし!それは俺の杞憂で終わったのだった。 
何と本作、いきなり新宿のTOHO前が爆発!という、どうかしているオープニングから始まる。
この瞬間、『映画である以前にシティーハンター』という前提を観客に叩き付けたのであった。
有名なアニメだと聖地巡りが楽しみの一つらしいが、本作は新宿で見に覚えのある場所が爆破されまくる。
まさに、ご当地破壊アニメ映画の様相を呈する。
確かに、スマホや伝言板、ドローンなど劇中のガジェットは現代風にアップデートされている。
その反面、獠と香をはじめ、脇を固める冴子、海坊主、美樹というシティーハンターの面々のキャラクターや関係性は驚くほど昔のままだ。

果てはシティハンターの十八番である、香の100tハンマー、カラスや極楽とんぼの演出も健在である。

一見すると古臭い演出かもしれんが、この映画は押し通す。
そして劇中、必要性があるかないかで言ったら多分ない、歴代のオープニングとエンディングが強引に挟み込まれる。
このブレなさはどうだ!?
まさに往年のファンにとっては満漢全席である。
時代という皿は変わっても、シティーハンターという具材は変えねえ!という製作側の頑固一徹ぶりが伺える。
これは中々出来るもんじゃないのではないだろうか?
 
思えば冴羽獠とは、ある種の俺の理想の男でもあった。
普段はスケベでふざけいているが、キメる時はとことんキメる。
カッコ良さに嫌味がない、とでも言おうか。
しょうもない部分があってこそ、底光りするカッコ良さがあるだろうと俺に教えてくれた。
そして相棒の香には己の想いを言葉にしないシャイさも実にニクい
 
人は生きていると、シティーハンターのエンディングみたいな瞬間を迎える経験がある
かくいう俺も学生の頃、普段から仲が良く「これは口説こう!」と決意した女の子に、告白する前に別に好きな男がいるとガッツリ言われまあ…頑張れよと自分の気持ちを押し殺して去ったのだが、そん時はガンガンに流れたもんです。
俺の中でGETWILDが。
他人からしたら、『止めて引く』じゃなく単純に『身を引く』じゃねえか、という話なのだが、あの時の俺は間違いなく冴羽獠だった。
シティハンターのエンディングのように止めて、引くだった。
 
 
 
 
そして久しぶりの本作シティーハンター新宿プライベートアイズである。
見終えた後、こう思うでしょう。
男の価値は年収や見た目ではない。
コルトパイソンを持っているかどうかで決まると。
 
 
 
思い出補正があるのは十分承知しているが、あの時に感じたシティーハンターへの憧れが時代を超えて俺のハートを撃ち抜いた
本作では外面のいいIT長者もキャラとして出てくるが、やはりカッコ悪いようでカッコいいコルトパイソンが得物のスイーパーこそが俺の理想だな!やっぱ!と改めて思わせてくれたのだった。
 
そして20数年ぶりの新作に意義を見いだせるのは、もちろんカッコ良さだけではない。
本当の強さについても本作の香はシンプルに言い切る。
「本当に強いのは、誰かの為に力を使える人よ」と。
どうしても誰かに優しくなるのが難しい世の中だが、大義名分の為に力を振りかざすのではなく、あくまで身近で困っている人間の為に力を使うという部分が何故か新鮮に感じられた。
奇しくもgetwildの歌詞でも誰かのために生きられたなら』という一節があるが、果たして俺は誰かのために力を使えるだろうか…とボンヤリ考えてしまったのだった。
とりあえず『クルマのライトにキスを投げては車道で踊るあの娘』を探すしかない!明日から!
 
 
 
 
ともあれ、例え街や時代が変わっても、獠と香が変わっていないのが何だか嬉しくなる映画であった。
そして冴子も相変わらず良い女だった…(遠い目)
初見の人がいれば、本作をきっかけにアニメシリーズや原作漫画を追って痺れるのも良いだろう。
そして、かつてのファンは俺のように傷ついた夢を取り戻せるオススメな映画…もといシティハンターですよ。