やりすぎ!ドニー伝説!ドラゴン危機一発´97

ドニーやりすぎ!
思わず、こう言いたくなる映画。
それがドラゴン危機一発´97だ!
 
主演は、「イップマン」「ローグワン」「トリプルX:再起動」に出演し、飛ぶ鳥をローリング・ソバットで落とす勢いドニーさんことドニーイェン!
  かつてのドニーさんといえば知る人ぞ知る…ていうか知らない人が殆どだったりしたわけですが、そんな彼氏がパッとしなかった時期に起死回生で放ったのが本作。
 
生粋のブルース・リー大好きっ子として知られ、各所でリーへのリスペクトを語っていたドニーさん。
今ではリーの師匠にして詠春拳の名手イップマンという当たり役を演じているが、かつてはリーのリメイク作品によく顔を出していた。
イップマンだと落ち着いたキャラ造形であったが、これらの作品では怒りに震えるリーのムーブを完コピ。
映画だけでなく、ドラゴン怒りの鉄拳をリメイクした連ドラ「精武門」にも主演し、あまつさえ主題歌まで披露した。(『誰がアジアの病人だ~♪』という歌詞が実に痺れる。必聴。)
まさに全世界のドラゴンファンからしたら理想のキャリアである。
 
そんなドニーさんのリーへの愛が過剰なまでに爆発ていうか最も狂った形で描いたのが、このドラゴン危機一発97!
まず見てくれ!この表情を!
 
 
 
並々ならぬ気合をビシバシ感じる!
似てるか似てないかは、この際置いといて!
そしてキャッチコピーである。
ビッグボスは俺がる‼︎
物騒だなあ!おい!
もう見ている俺も頷くしかない迫力だ。
でまあ、リーのドラゴン危機一発をドニー流にリメイクし、結果、全然別物に仕上がっちゃった!な出来なのだが、見るものに強烈なインパクトを与えたのは間違いない。
まさに一度見たら嫌でも覚える、ドニー成分の供給過多な作品である。
…というわけで、あらすじ
舞台は現代。
何だか伝説っぽくなった老人メイクのドニーさんが血気盛んなルーキーから訪問を受け、意味ありげに自らの過去を語り始める。
ぶっちゃけ現代パートいるか?という話ではあるが、そこは大人になりましょうや。

過去語りによると、こうだ。

貧乏が極まり、食べ物にも困る無法の時代。
ストリート感溢れるサグい村にフラリと現れたドニーさん。
腰にはナタを装備。
どう見ても怪しい風体だったが、更に記憶喪失という不審者の役満であった。
覚えているのは寺で恋人と再会するという約束のみ。
そんなロマンチックドニーさんは村にいたイキリボーイ=ワイと知り合う。
彼の案内の元、約束の寺へ出発するドニーさん。
しかし、ここは無法の地。
行きがけの道中で山賊のカツアゲに遭遇してしまうのであった。
だが記憶は失っても戦闘力は失っていなかった。
結果、お釣りが出るほどの蹴りおよびナタで支払いを済ませるドニーさん

 

やっぱりドニーさんはタダモノではない!と改めて確信したワイはなんやかんやで約束の寺へ彼を案内。
だが、記憶にあった約束の寺はスッカリ土日の俺の部屋ように荒廃していたのであった。
途方に暮れていたドニーさんであったが、とりあえず寺での不法占拠を決意する。
だが、ドニーさんに安息はない。
一泊して速攻、再び山賊が寺に殴り込みをかけてきた!
どんだけ山賊いるんだよ!この時代!という話であるが、そこはドニーさん。
手加減なしの怒兄ー(ドニー)アクションで全員の息の根を止めるのであった。
ここまで狙われるのは時代のせいじゃない…
もしや俺のせいか⁉︎
…と、ようやく気づき始めるドニーさん。
 
 
果たしてドニーさんの失われた記憶とは?
寺での再会は果たされるのか?
山賊がドニーさんを付け狙う目的とは? 
そして、この話を黙って聞いているルーキーは、どんなオチを聞かされるのか?
こうしてやりすぎ‼ドニー伝説が幕を開けるのであった。
現代パートは置いといても、過去パートではカジュアルにナタやらカマやら手斧が飛び交う本作
この世界観はどうだ⁉︎
 
まさに生きるか死ぬかのみで決着するハードコアスタイルである。
 
おかげさまで今作でドニーさんは、ナタを振り回すブルータル(残酷)カンフーを披露。
ナタ=ドニー。
ドニー=ナタ。
そんなインパクトを叩きつけた。
 
 
リー作品オマージュなのもあり、怪鳥音を律儀に発するわけですが、ぶっちゃけドニーさん以外の何者でもない。
だが、そんな野暮なツッコミお構いなしにドニーさんはナタで敵の頭をカチ割り、首を吹っ飛ばす。
ナタを手放してからは、マッハカンフーを繰り出し、容赦なく撲殺。
ドニーさんが放つ、人間の限界を超えた速さのパンチ及びキックは見る者の動体視力の限界を試してくる。  
 
 
高速のビジョン見逃すな、ついてこれるなら。
そう言わんばかりのドニーさんは必見だ。
更にド迫力のバトルシーンには、ファイナルファイトばりの打撃音が重なってくる。
これまた凄い音なんだわ。
ともすれば大袈裟と言われるかもしれんが、ヤケクソのように打ち込んだであろう過剰な擬音は必聴である。
 
 
本作はセクシーアピールも忘れてはいけない。
シャツのボタンが全開なドニーさん。
雨の中で繰り広げる、ドニーさんとヒロインの生々しいラブシーン。
夕暮れで黄昏るドニーさん(やっぱりシャツ全開)
などなど…
…って、全部ドニーじゃねえか!!
このようにドニーさんのセクシーアピールにおいても過剰さにぬかりはないのであった。
 
 
そんな訳で劇中、全方位的に過剰なドニーさんだが、もちろん敵も負けてはいませんよ!
その名も盗賊団「7人の狼」
 
首相撲世界チャンピオンのラスボス=ビッグウルフを筆頭に、早すぎたクラピカと言わんばかりの鎖野郎アサシンクリードっぽい斧使い、龍が如くの真島の兄貴っぽいガンマン、唐突に空中から襲ってくる逆立ちマンという、クセが凄い構成だ。
ていうか、こう考えると一番地味だなあ!ラスボスが!
 
 
だがラスボスだけに全身凶器ドニーさんに食い下がる!
首相撲で!
なんというか、地味な技ほど効くという格闘的リアルさに溢れている。多分な!
 
 
残酷模写、スピード、擬音、敵・・・
全てにおいて過剰な本作。
ラストでは取ってつけたかのように暴力の虚しさを訴えるのだが、それまで見てきた暴力の過剰さのおかげでバッチリ記憶に残らないのであった。
 
 
 
よりによって俺にとっての初ドニーさんが本作なのだが、何とこの作品、かつて一度だけ地上波で流していたのだ。
たしか日曜の昼下がりとかに。
どう考えても昼下がりに放送するにはエクストリームな映画であったが、ドラゴン危機一発97というタイトル、およびドニー・イェンという言葉が脳裏に刻まれたのは言うまでもない。
こりゃあ大人になってから見るしかあるまい!とAmazonあたりで検索してみるとDVDおよびVHSがプレミアがついて¥19,700になっていた時期も過去にはあった。
もう俺も劇中のドニーさんのようにナタを振り回すしかなかった。
しかし!昨今のドニーさんの目覚ましい活躍によりDVDが適正価格で再販
なんならAmazon primeでも視聴が可能だ。
良い時代になったなあ…
ともあれ最もドニーさんが荒ぶっていたと言っても差し支えないであろう本作。
ナタを振り回す位にヒマな人は必見ですよ。
 

以前のブログに書いたドニーさんの記事。3本しか無えじゃねえか!