ビーパワーがずっと観たかった映画。黒光り伝説「アクション・ジャクソン/大都会最前線」

人生とは願いをこつこつと叶えていく事に喜びがあると思う。

高級焼き肉店でお腹いっぱいになるまで食べる。

ハワイに行く。

ホットトイズをたくさん手に入れる。

ヴィンテージギターを手に入れる

家を買う。

犬を飼う。

俺にもあるし叶えたものもある。

大抵はお金、もしくは時間があれば叶うものだが、それだけでは解決しない特別なものがある。

俺にとってそんな映画があった。

かなり昔からその映画の存在は知っていた。

ある日インターネットで1枚の画像を見つけた時、衝撃が走った。

黒光りする筋肉、ジーンズ。ホルスターに入れず股間にダイレクトに差したハンドガン。

「なんて・・・不適切なんだ!!」

アクション・ジャクソン、少しでも油断すると「アクソン・ジャクション」と言ってしまいそうになるタイトルは俺の精神を一瞬にしてキャパオーバーにした。

画面の前のカール・ウェザース(ロッキーのアポロやプレデターのディロンで有名な最も信頼できる黒人)の視線は力の抜けていく俺を見て嘲笑するかのようだった。

かつて、ジョン・レノンはオノ・ヨーコの個展に行き天井に小さく書かれた「YES」という文字を見て一瞬にして心を奪われたそうだが、俺の場合黒光りするカール・ウェザースがそれだった。

DVDは売っていない、ましてやレンタルも出来ない。

情報が普及し黒澤明もチャップリンも気軽に観れるのに、「アクション・ジャクソン」は見れない。俺の中で「アクション・ジャクソン」は孤高の存在となった。

さらに数年が経ちAmazonプライムで観れる事がわかった。

大喜びするはずなのに俺は冷静だった。

「まだ・・・その時じゃない。」

俺はまだアクション・ジャクソンを受け入れるだけの心の準備が整っていない。

そしてさらに時が過ぎた。

ただの素人である我々ビーパワーハードボルドにいつも試写を案内してくれる映画会社の皆さんにお礼を言うために東京に来ていた。

親切にされたらきちんとお礼を言いなさい。

34歳になっても両親からの教えは守っている。

特に今年は本当にたくさんの映画を見せて頂いた。
「ジョン・ウィック チャプター3」「ジョーカー」「アクアマン」「やっぱり契約破棄していいですか?」etc・・・

どれだけありがたいか、俺は心の底からの感謝を伝えた。

「いつもおもしろい映画を一足早く観させてくださってありがとうございます。しかもタダで!!」

冷静に考えて業界関係者でもないオッサンが事務所にやってきたら警察に通報だが、映画会社の皆さんは歓迎してくださるどころかグッズも頂きおまけにご飯も食べさせていただいた。

皆さん本当に映画が好きでこんな人たちが配給したり宣伝したりしているんだと思うと改めて嬉しくなった。

そして邦題にいちいち文句をつけるバカ共は早く死ねばいいのにと思った。

帰りはダイスケさん家に泊めてもらった。前回来た時はマットレスがMDみたいな薄さで、これなら「西成の簡易宿泊所の方がまだマシだよ」と心の中で思っていたが今回はふかふかしていた。

その日もらったジョン・ウィックのTシャツに早速着替えてレディプレイヤーワンの光るメガネをかけて遊んでいた時だった。

俺の中で整理がついた。

「今日はアクション・ジャクソンを観ましょう」

さすがパートナー。ダイスケさんも同じようにあえて観ないでいたらしい。

世間が東京コミコンやアナ雪2に興奮する11月22日、我々はついに「アクション・ジャクソン」を観た。

とにかく素晴らしい内容でした。映画の感想は自分の胸の中で留めておきたい。

 

 

 

 

・・・はさすがに映画サイトとして終わっているのでちょっと書きます。

1.あっ、ビル・デュークだ!!

ストーリー自体はデトロイトを舞台に「アクション・ジャクソン」の異名を持つ型破りな刑事ジェリコ・ジャクソンが自動車産業の闇を暴くべく大活躍!!

という典型的な80年代ポリスアクションだが、あらゆる点で常軌を逸しているので
ネタバレにならない範囲で紹介する。

開始3分で装弾数という概念のない銃と盛大に燃える死体と景気が良い。

舞台をガラの悪すぎるデトロイト市警に移してアクション・ジャクソンことカール・ウェザースがついに登場と思いきやビル・デュークが登場だ!!

(ちなみにこの映画他にもシャロン・ストーン、コマンドーでシュワルツェネッガーに飛行機で殺されて「死ぬほど疲れている」事にされた人、「ブラックレイン」や「ダイハード」にちょいちょい出てくるロン毛のアジア人とソウルフルなメンツが揃っている。)

いきなり「暴力的過ぎる」と勤務態度についてビル・デュークに叱られるカール・ウェザース。

アクションの時代はとっくに終わったんだ」と怒るビル・デュークに対して一応ちゃんと聞いている。

ある意味この発言はネタバレなのだがビル・デュークが怒るのも頷けるほどアクション・ジャクソンがアクションし過ぎているのがこの映画のポイントだ

2.ジャクソンがアクション、いや、アクションこそジャクソン

まず車検が通らなさそうな巨大なアメ車を乗っている点でToo muchアクションだがジャクソンのアクションは留まらない。

シャロン・ストーンを横山やすしスタイルのファッションで出迎え

走って車に追いつく。

サウザーの天翔十字鳳ばりの跳躍力

火薬量が核兵器クラス(劇中、たびたびカークラッシュや小型爆弾が作動するシーンがあるが毎回街1つが消し飛ぶレベルの爆発が起こる。)




最終的に車に乗り銃を持った相手に対して口で煽って勝つ。熱意は人を動かすぞ!!

3.Hot,Hotter,Hottest!!

そんなアクション・ジャクソンの魅力はアクションだけじゃない。

補導した少年、宿兼隠れ家の主人、歌手であるヒロインのボディーガード
ジャクソンが出会う者全てが仲間となりアクションする。(明らかに戦闘員でない人たちが総出で戦いに挑むクライマックスはある意味でエンドゲームを彷彿とさせる)

意味はわからんがとにかく仲が良い事はわかる。

ヒロインが悪役の不倫相手であったり出会った時からジャクソンを誘惑してくるビッチなキャラなのだが、そこは性の乱れがない事に定評のあるカール・ウェザース。

ひたすら硬派を徹するわけだが、せきを切ったようにガッつく


ボディタッチもエロい言葉もガンガンのヒロインも圧倒されて奥手になっていくという男女の駆け引きの崩壊が炸裂する

どんどん何がしたいのかわからなくなる悪役の自動車産業の重役たち。カールウェザースの服を奪い取り適当な黒人に着せてなりすまししようとする。

やっぱり火薬量を誤ったとしか思えない核兵器クラスの爆発

焼き肉に行くときに使いたいセリフ。

クライマックスが近づくにつれてカールウェザースの尋常じゃない程の汗を書き
筋肉の黒光り臨界点を達した時アクション・ジャクソンが覚醒する。

スポーツカーごと家に突撃し

Hot!!

Hotter!!!!

Hottest!!!!!!!!

クライマックスの拳を交えた死闘、男の信念がぶつかり合う中でアクション・ジャクソンが放つ激怒宣言!!

この戦いの果ては・・・衝撃のラストは是非とも見届けて欲しい

【おまけ】One More Action!!

映画に負けないくらいActionしている劇中歌も紹介しておきたい。

Pointer Sistersの「He Turned Me Out」

集中しているカール・ウェザースの隣でひたすら踊り続けるというビリヤードで一番やったらあかん行為をし続ける。邪魔だよ!!

他にも「I Want Action Jackson♪ I Need Action Oh,Jackson♪」というサビがしばらく頭から離れず苦しむ主題歌も是非ともチェックして欲しい。

映画を観るというより「アクション・ジャクソンする」という動詞の方がしっくりくる本作、年末は是非ともアクション・ジャクソン体験して欲しい。っていうか観ろ!!

いろんな映画観なくて良い。これだけ100回観ろ!!