「スカイウォーカーの夜明け」で今さらスターウォーズにハマる。

※「エピソード9/スカイウォーカーの夜明け」のネタバレ満載なのでご注意。
※真面目にフォースと向き合っているファンは怒らないでください。こういう入り方もあるという事でご勘弁!!

スターウォーズがおもしろい。

「映画のブログを何年も書いていて何を今さら・・・ついに気が狂ったか」と思うだろうが、俺は変なクスリはやっていない!!
2020年はまだ始まったばかりだ!!

俺とスターウォーズのこれまでの関係だが

5年間付き合っていた彼女から「他に好きな人が出来た」と言われ、別れた時。

じっとしてても落ち込む、だからと言って外出したくないのでエピソード1~6を一気見したのが始まりだった。
特に期待せず時間潰しで観たのだが、「エピソード3/シスの復讐(以下EP3)」が終わる頃には劇中のセリフをずっと真似しており、自然と心の傷が癒えていた

フォースの力(映画の効果)にびっくりした。

なのでスターウォーズにはそれなりに恩があるのだが、そこまでハマらず「でもSFなら「アイアンマン」の方がおもしろいよな(当時はMCUという言葉が浸透していなかった)」くらいの感想だった。

2015年の「エピソード7/フォースの覚醒(以下EP7)」からは毎年新作が劇場公開されるので観に行っていたが、そこまでハマらなかった。

そんなスターウォーズも「エピソード9/スカイウォーカーの夜明け(以下EP9)」でついにシリーズが完結との事。

聞こえてくる意見は割と否定的なものが多く特に思い入れがある人ほど受け入れられないみたい。

2019年は某シリーズが壮絶にスベって終わったし、スターウォーズもやらかしたかと思いながら大晦日に映画館に行った。(毎年年末は友達親子とスターウォーズを観に行くと決めている。)

「遠い昔、はるか彼方の銀河系で」とお馴染みの一文とBGMが始まる。ハードなファンではないのでここでテンションはあがらない。

しかしこの直後だった。

「エピソード9/スカイウォーカーの夜明け・・・・パルパティーンが復活!!

思わず飲んでいたアイスコーヒーが逆流した。いきなり雑過ぎる!!
確かに「エピソード8/最後のジェダイ(以下EP8)」の評判が悪かったので今回はテコ入れしたという話は聞いていたが・・・いくらなんでも乱暴すぎる!! パルパティーンなんてパの字も触れてなかったやん!!

普段スタローンやシュワルツェネッガー主演の途中で設定をド忘れするような雑な映画に慣れている俺でも強引過ぎる話の進め方に笑いが止まらない。コーヒーが気管に入って咳が止まらず苦しかった。

実際久しぶりにスクリーンに登場したパルパティーン自身も生きている理由を聞かれても「シスがどうのこうの・・・」と歯切れが悪い回答をしていた。

これは俺好みの映画かもしれない・・・

前回割れたマスクを部下に小学生のプラモ作りかってくらい雑に修理されるカイロ・レン(つなぎ目消せよ!!)

出自のわからなかったレイがパルパティーンの孫だったという強引過ぎる展開

42年の歴史で初めてじゃないかとくらい自発的に行動しているチューバッカ。

レイが悩めば即座に復活するルーク。しかもライトセーバーをもう一本くれるしXウィングまで用意する気配りが出来る男っぷり

EP3のアナキン以上に猛スピードで更生するレン。

最後だしとにかく盛り上げないと、とにかく終わらせないとという台所事情がひしひしと伝わる突貫工事に笑いが止まらない。

とはいえさすが老舗スターウォーズ

「エピソード5/帝国の逆襲(以下EP5)」以上にキマるハン・ソロの「I Know」。

ピンチの度にランド・カルリジアンが粋なセリフと共にやってくる。

これぞ戦争!!と言わんばかりの陸も空もド派手な戦い。

名もなき兵士達の散り様。

ベタと言われたらベタだけど最高のタイミングで熱い展開が起こる。

最後にレイが夕日をバックにあのセリフを言うシーンではちょっと泣けていた。

個人的にシリーズ完結編といっても新キャラ達の活躍に新しいシリーズの始まりを見ているようだった。

特にスカイウォーカー家が中心で「家族の絆」がテーマだったシリーズが、血縁的にはパルパティーンの孫という事で最悪レベルのレイが気合と根性で自分の道を進んでいく流れに「クリード」を思い出した。

「クリード」も過去の作品の価値を上げる作品だったが、EP9も同じように感じた。

個人的に超傑作、スターウォーズにハマる作品となった。

一緒に観た友達が一本何万円もするライトセーバーを持っていたり、オーケストラのコンサートにも行くくらいの熱心なスターウォーザーなので聞いてみたら「良かったけど批判したいポイントは山ほどある」との事。

なるほど。興味を持ったのでごはんを食べながら話した。

あかんポイントとしては
「EP8がほとんど意味ない」
「無理矢理終わらせた」
「レイとカイロ・レンがヨーダよりフォースが強力。」
「テレパシーで会話出来たりフォースが都合良く使われ過ぎ」
とどんどん出てくる。

「エピソード4/新たなる希望(以下EP4)」から「エピソード6/ジェダイの帰還(以下EP6)」はリアルタイムじゃないとして「エピソード1/ファントムメナス(以下EP1)」以降の3部作は評価高かったの?と聞くと、

「EP1は久しぶりの新作だったのにあの内容だから批判だらけだった。」との事。というか毎回何かしら批判されているらしい。

複数の人に「なんでダースモールってあんなに人気あるの?」と聞いた時も
「クソみたいなEP1を救ったのがダースモールだった」
「誰もが失望している時に最後の10数分であいつが過去にないハードなアクションをしてくれたおかげで良い映画になった」
「だからあいつは功労者」
という意見を聞いていた。

何故こんなにスターウォーズは批判されるのか?他にも人気シリーズはあるがここまで毎回論争になる作品はない。

例えば同じ時期にはじまったロッキーなんて・・・そこで我々の答えが出た!!

スターウォーズはEP4が社会現象になるほどおもしろかった。続くEP5、EP6が失速するどころか更におもしろ過ぎた。

対してロッキーは、アカデミー作品賞を受賞した1作目の後、すぐに肝心のロッキーが自分を見失っていた。

スターウォーズが3作目でルークとダースベイダーの決戦が終わり、ダースベイダーが正義の心を取り戻す姿に誰もが「映画史に残る名シーンだ」と感動していた頃、ロッキーの3作目ではタンクトップと短パンでロッキーがライバルのアポロと波打ち際で抱き合っており誰もが「何を見せられているのか?」と眩暈していた。

結論「スターウォーズは最初に頑張り過ぎた

ロッキーは5作目の「最後のドラマ」で一旦終わり、十数年後に「ロッキー・ザ・ファイナル」が公開された時、高く評価され、ゴールデングローブ賞も受賞したのは、映画の内容はもちろん「誰も期待していなかった。」という要素はある。

実際スタローン自身も「あの人は今」扱いだったのでハードルはめちゃくちゃ低くなっていた。

それに対してスターウォーズは最初の3作が完璧だった。だからハードルが上がり過ぎたのだろう。

最初の3作が良すぎた映画ってスターウォーズだけに思える。

「MCUこそ完璧」という意見もあるが、リアルタイムで観てきた俺の体感としては「アイアンマン」こそ大ヒットしたが、その後の「インクレイディブル・ハルク」、「アイアンマン2」はさほど話題にならなかった。

一大ブームにはならずとも、安定して良い映画を時間をかけずに年数本ペースで作っていき「アベンジャーズ」で爆発。

その後も製作ペースと作品の質を落とさなかったので世界一のコンテンツに「育っていった」ように感じる。

一覧で観てみると「よくここまでおもしろい映画を連発して作れるな」と感心する半面、スターウォーズと違って新作公開の間隔が短いので何本かある「・・・な作品」もクローズアップされるのを回避できているなとも思う。

スターウォーズは悪くない。ただ頑張り過ぎただけ。

「EP5でダースベイダーが即座に父親ヅラしていたら、ここまで賛否両論にならなかったかもね。」

「これでスタローンのようにスカイウォーカーファミリーにも優しくなれそう。」

友達の表情は穏やかだった。

正月で時間もあるので当時旧3部作に比べて「微妙」に感じたEP1~3を観返した。

改めて見ても

「EP1はポッドレースまで眠たいな。今となってはリーアム・ニーソンが出てきただけで笑ってしまう。」

「エピソード2/クローンの攻撃(以下EP2)のアナキンは暗黒の力より性欲に支配されているな。あの背中の触り方はあかんだろー」

「EP9までいかないにせよEP3の「戦争だ!!」も最高の掴みだな。それにしてもアナキンが猛スピードでグレる」

と思いつつも以前よりおもしろく感じた。

まずエンターテイメントの世界に大きな影響を与えているのがわかる。「あの映画のあのシーンはこのシーンの真似か」と改めて気づかされる。

例えば「チャーリーとチョコレート工場」で爽やかなイケメンではなく寿司屋の大将みたいなオッサンが大量発生したのは、ジャンゴ・フェットとクローントルーパーの影響に違いない!!と発見した。

また、「ほどよく雑」なのが良い。最近の映画は劇中に丁寧に登場人物を紹介するが、スターウォーズはガンガンおかしな顔の連中が突然出てきては消えていく。

少しでも油断すると、なんか良い事を言っていたり、死んでいたりする。

自然とインターネットで出てきたキャラクターについて調べてしまう。

すると納得いくばかりか、「公開後に人気が出た」という理由で出番の少ないキャラに山ほど裏設定があったり、スピンオフでの活躍まで書かれていたりして止まらなくなる。

改めて観返して「これで「やっぱ生きてた」って無理過ぎない!?笑」とか「出番一瞬やん!!人気出たからって後付けしまくりやん!!」と笑ってしまう。

また、大人になってこそ気づく事もある。昔はジェダイこそ正義と思っていたが

アナキンが家族が死ぬかもと不安を相談しても、「おまえは失う事に恐怖を抱いている。恐怖はダークサイドに通じる」と家族が死ぬ事を受け入れろとふざけた事をほざくヨーダや、

アナキンが帰省する事もなく頑張っていても「まだ若い」「精神的に未熟」と適当な理由をつけてなかなかマスターにしないサミュエル・L・ジャクソン他よくわからんジェダイ評議会の連中よりも

「君すごいよ!!俺よりすごいよ!!世界変えるよ!!」と褒めて良い役職にしてくれるパルパティーンの方が良い上司じゃないかと思う

EP7以降のレイやレンのフォースを観た後だと
「この緑ハゲジジイ、実はそんな大したことないんじゃないか?」とか
「ジェダイ辞めてから「弟のように思っていた」って。今更言われても何も響かない」とオビ=ワン・ケノービが俺が会社を辞める時にキレイごとで引き留めようとしてきた過去の会社の社長や上司を思い出させてムカついたりした。

ジェダイの何人かの実力を見ているとそんなに大した事ないのに親が昔ジェダイの偉いさんでコネで入ったのかなーとか思った。

映画では完全に説明されていない。それだけに後でネットで情報を調べまくったり、無視式にアナキンの心情を考えたりするので
「スターウォーズのファンが考察するのもわかるなー」と思ったり(違うか!?)

「話が雑でツッコミどころが多くておもしろい」という理由でスターウォーズが一気にお気に入りコンテンツになった私。

何にせよ新しい楽しみが出来たのは嬉しい。