いつも適当に映画を見ている俺にも「人生のベスト映画10本」というのがある。
昨年「ジョーカー」が入ったが、基本的に10本の内容が入れ替わる事は滅多にない。
(その前の変動が2015年の「ジョン・ウィック」だったので数年変わらなかった)
その10本の中の1本が「アイアンマン2」だ
「アイアンマン2」・・・個人的に大好きなアメコミ映画ならスパイダーマン(サム・ライミ版)」や「ウォッチメン」「シン・シティ」があるし、MCUなら「アイアンマン」1作目はもちろん「アベンジャーズ」「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が一般的に評価が高い。
確かにアイアンマンはDNAレベルで好きだし、アイアンマンで一番好きなアーマーはマーク4だという事ははっきりしている。
とはいえ、果たして人生の10本に入る内容だっただろうか?
というわけで今回は公開から10周年(マジか!?)を記念して「アイアンマン2」について紹介します。(ビーパワー記事リブート第2弾でもある)
あらすじ
「俺がアイアンマンです」と言っちゃった前作から半年後、トニー・スタークはアーク・リアクターの動力源のパラジウムが原因で猛スピードで不健康になっていた。
青汁をがぶ飲みしながら解決策を探す日々!!
焦るトニーだが
・政府から「存在が兵器」とディスられる
・鳥好きのおじさんから因縁をつけられる
・ドン・チードルにアーマーを借りパクされたあげく勝手に改造される
・イケる!と思った女が黒豆親父ニック・フューリーからのハニートラップだった
・スタークまつりの準備もしなくちゃ!!
とハプニング続出。
このままじゃ死んじゃう!!トニーは健康になれるのか!?
という風に観返したら「トニーが青汁がぶ飲みしながら戦ったり、泥酔したり、ナンパしたり、たまに親父の愛にしんみりしながら健康を求める」だけで説明できる映画だったりする。
シリーズを通して「軍事産業をしていていいのか」「ヒーローとは」「自分自身とは」と悩んだり、その後アベンジャーズのリーダー的存在として毎回地球の平和のため無理してきたトニーとしては一番軽いエピソードと言える。
ディズニーのマーベル買収一発目の作品だったので舞台裏でも色々あったのかジョン・ファブローはこれを最後に監督を降りている。
今となっては「かなり勢いで作った感じだな」と思いながらも自分が人生の10本に選んでいる事がはっきりとした。
映像、キャスト、音楽、ひたすら俺の心をカツアゲし続ける映画だった。
冷静に考えてカツアゲポイントは5点あった。
■1.ドン・チードル
ローディー役が1作目のいかにも軍人な面構えのテレンス・ハワードからドン・チードルに交代している。
ハリウッドに出てくる黒人と言えば、ウェズリー・スナイプスやエディ・マーフィー、ウィル・スミスのような明るくてファンキーというイメージの俺にとってドン・チードルは衝撃だった。
失礼を承知で書くが、ひょろひょろしてて、切ない苦笑いを浮かべている。
・休日出勤を命じられても断れなさそう
・いつも飲み会の幹事をやらされてそう
・了承していないのにバーベキューの買い出しをさせられてそう
と勝手に妄想しては、一瞬で「非ファンキー黒人」のドン・チードルが気になった。
そんな彼が劇中アイアンマンマーク2をパクってトニーに無断でウォーマシンに改造したり、360度ガトリングガンを回転させて至近距離でドローンをメッタ撃ちするヤンチャな戦闘スタイル!!
さらに「別れた妻」という気の利いた一発ギャグも見せてくれるのだから好きにならないわけがない!!
「アイアンマン2」以降もウォーマシンとしてMCUになくてはならないヒーローとなり、プライベートでもノリについていけないのかド派手なラスベガスの夜景を背景に無表情の画像をネットで見つけたりツイッターに食べかけのオムレツの画像をアップしてハリウッドスターなのにリツイートが1というドンを見てはうれチードルな気持ちになっている。
■2.ミッキー・ローク復活!!
前作「アイアンマン」ではロバート・ダウニーjrが劇的復活を遂げたが、今回はハリウッド表舞台復活第2弾としてミッキー・ロークが登場!!
子供の頃「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 」が好きでセクシーイケメン俳優だったミッキーローク。
猫パンチで世間の失笑を浴び、整形で顔は崩れてキレイなゴリラのようなルックスになりドン底生活。
昔、バラエティ番組でガッツ石松と輪島功一がハリウッドに行く企画で登場したが
「今は仕事がない」と号泣し二人に慰められながら抱き合う姿がつらかった。
玄関まで出て二人を見送る姿に「本当はいい人なんだろうな」とせつなくなっていたが「シン・シティ」でやや上昇。
一般的にはゴールデングローブ主演男優賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされた「レスラー」が復活作という扱いだが、あの映画はミッキーロークの人生そのものなので観ていてつらいものがあった。
その点でザ・エンターテイメントな本作での登場が真の意味でのハリウッド復活作だと思う。
メッシュの入ったロン毛と哀愁漂う目、キバタンを飼っているというかわいい設定はもちろん鋼鉄製の亀甲縛りのようなお手製リアクターでバッシバッシF1を破壊するウィップラッシュのカッコよさ!!
キャラ的にはキルモンガーが一番だけど、カッコよさはMCUヴィランで断トツ!!
惜しい所はラストの凶悪なパーフェクトジオングみたいなウィップラッシュマーク2の活躍をもっと見たかった。
■3.歴史上最もカッコいい着替え
エキスポでの挨拶からホームパーティーまで、フォーマルにもカジュアルにも着こなせるマーク4
リアクターの改造で体に優しいマーク6
はもちろんだが、モバイル型アーマーであるマーク5の装着シーンは人類の歴史で最もカッコいい着替えだった。
総出演時間たった1分50秒のマーク5だが、あの着替えの再生回数を考えると最も目にしているかもしれない。
持ち運び便利で軽量、何年も早くから働き方改革をしていたトニーはすごい!!
というわけでホットトイズ、ダイキャストマーク5を再販して!!
■4.エロエロ!!ブラック・ウィドウ!!
今となってはアベンジャーズのお母さん的なナターシャだが、1作目の正体を現すまでの姿は男の妄想を形にしたようなエッチな秘書だった。
この表情、体にぴったりの白シャツ、隙だらけの胸元・・・
けしからん・オブ・ギャラクシーだ!!
しかも名前でGoogle画像検索をしたらエッチな画像まで出てくる!!
俺が提唱する「会社の同僚や学生時代の友達がFacebookで水着やコスプレの写真をアップしてたら3倍ドキっとする」理論の最高事例だ。
もし現実にこんな事が起こったらと考察しよう・・・僕はダメです。
そんな最高の女がニック・フューリーが監視するため送ったハニートラップだったなんて。
まだイケイケだった頃のトニーのこの表情を見て欲しい。
驚きと恥ずかしさが凝縮されている。
劇中でも「欲しい」とかなりストレートに口説いていたが、おそらくゴリゴリに攻めたメールも送っていただろう。
返信がなくても「今日会える?」くらいの誘いは3000回くらいしていたはず。
偽装とはいえ、わざわざネットで検索したらエロい画像まで出てくるなんて・・・
これはロンドンハーツか!!サミュエル・L・ジャクソンがロンブー敦に思えた。
当時アメコミに詳しくなかったのでブラック・ウィドウをカミングアウトしてからの戦闘マシンぷりにトニーだけでなく俺も心がついていけなかった。
■5.最大級の感動
前作同様AC/DCの曲が使用されたが、アイアンマン2のサントラという名目でベストアルバムも発表したのは音楽史的にも大事件だった。
今日に至るまでAD/DCがベストアルバムを出したのはこの時だけという事実からどれだけすごいかはロックファンじゃなくてもわかるはず。
エンディングでの爽快な気持ちになりながらの「Highway to Hell」も最高だけど、やっぱり最初の「Shoot to Thrill」
花火が昇る夜空を急降下するアイアンマン、映像にシンクロするヤング兄弟のギターリフとブライアン・ジョンソンの金切り声
きっちりサビと同時に着陸して歓声に包まれる会場とキレイなお姉さん達のダンス。
「映像と音楽が完璧に合わさった時、最大級の感動が生まれる」と思っているがこのオープニングは俺的にエンターテイメントの頂点だ。
大物アーティストのライブに行った時の暗転して1曲目が始まりバンドが登場する瞬間。会場中がアドレナリンに包まれるあの瞬間と同じレベルの鳥肌が立つ。
カッコいい、カッコいい、そしてカッコいい・・・
この記事を書いて思い出したが、それまで「安いから」という理由で映画ソフトはDVDだったけど初めてブルーレイで買ったし、ホットトイズを集めるきっかけになったのも「アイアンマン2」だった。
そう考えると俺の生活にも大きな(悪)影響を及ぼしている。
健康的でロックでちょっとエッチ。うれチードルな「アイアンマン2」、日曜日の夜くらいに観るのがおススメです。