炎となったヴァンダムは無敵だ!映画『ダブルインパクト』

皆さん問題です。

こちらの画像をご覧頂きたい。

さあ、二人の名前を答えてみてください。

「オマエどっちもヴァンダムじゃねえか!!」と答えたアナタ!

気持ちは分かる。

けど残念ながら不正解だ!

「あ!左がアレックス、右がチャドだ!」と即答した、そこのアナタ!

正解だ!

正解だけど、全く自慢にならないぞ!

・・・と、唐突にヴァンダム検定略してヴァン検2級問題を出してみたのだが、いかがだったでしょうか?

「マジどうでもよい」という方がほとんどであろう。

俺もそう思う。

だが、何かの拍子に…例えば大事な商談相手や上司、気の置けない異性…もしくはデスゲームの主催者がヴァンダムガチ勢の可能性だってある。

天パっぽいのがチャド!

オールバックはアレックス!

こう答えるだけで心の距離が近づく、あるいは命が助かる可能性だってあるかもしれないじゃないですか

例え年末ジャンボ宝くじ1等当選位の確率だとしても。

…という訳で、今回はチャドとアレックスが出るヴァン検2級必修科目映画『ダブルインパクト』を御紹介させて頂きますよ!

ともすれば「 え!?ヴァンダムが双子!?」と目を疑うと同時に出オチじゃねえか!」と思われるかもしれん。

しかし、それはビッグな間違いである。

原案・脚本がヴァンダムなのもあり、カラテ、開脚、ヤン・スエ、…そして双子と属性盛りだくさん! 

『ヴァンダム、爆風に吹き飛ばされがち』など、その後の主演作品あるあるもキッチリ抑えている。  

ダブルどころじゃない勘定狂わせのインパクトっぷり。

彼氏の気合並々ならないのが伺える。

まさにヴァンダムの役満状態な作品—-それが『ダブルインパクト』なのだ!  

その後『マキシマム・リスク』、『レプリカント』と、ヴァンダムが双子づいた作品に出るキッカケともなった本作。

ヴァンダム双子三部作の一発目を華麗に飾っている。

シュワの『ツインズ』から始まり、ジャッキーの『ツインドラゴン』、実際の双子バーバリアンブラザーズの『シンクビッグ』(知ってる人いるのか?)などなど…88年から92年の間に何故か世の中では双子作品が連発。

(厳密にいえばコメディだが『ツインズ』で双子路線を開拓したのはシュワだと予想される)

そんなアクションスター双子路線に満を持してヴァンダムは殴りこんだ。

おかげさまでポスターには『俺達最強双子兄弟世界一』と実に景気の良いキャッチコピーが踊り、こちらにキメ顔を向ける二人のヴァンダムが並んでいる。

もうこっちとしても黙って頷くしかない説得力だ。

彼の気合が功を奏したのか、この映画でヴァンダムは文字通り、更にキャリアが跳ねた。

↑跳ねるヴァンダム

それまで地道に積んできた主演作品でも本作は最大のヒットを記録!

その後『ユニバーサルソルジャー』『ハードターゲット』『タイムコップ』『ストリートファイター』とステップアップするきっかけを作ったと言っても過言ではない。

そんな本作の気になるあらすじ。

事業家の両親を何者かに惨殺された双子=チャドとアレックス。

修羅場になりながらも双子を救おうとした両親の友フランクであったが、多勢に無勢なのも手伝ってか、力が及ばず。

何とか弟チャドのみを救出し命からがら香港を脱出するフランクなのだった。

それから25年。

チャドはフランクの庇護の下、すくすく成長。

今ではエアロビトレーナーとして生きていた。

↑どことなくチャラさのある弟チャド。タンクトップのショルダーが紐のような細さだ

今日も開脚およびレオタードで女性たちを魅了するハンサム生活を送っていたチャドであったが、ある日フランクから衝撃の事実を告げられる。

双子の兄=アレックスが生きているのが判明したという。香港で。

行方不明だった兄のアレックスは、みなしごの身の上ながら、ストリートをタフに生き抜いていたのだ。.

↑渋めの兄アレックス。やさぐれヴァンダムっぷりがタマらない。

居ても立っても居られないチャドとフランクは、久しぶりに香港へ凱旋!

↑香港に降り立つチャドとフランク

何せ生き別れの兄弟だ。

再会を喜びたいところであったが、そうは問屋が卸さない。

フランクが両親の仇が香港経済界の大物と暗黒街の黒幕なのを突き止めたのだ。

とはいえ三人で立ち向かうには無理のある相手である。

黙るか、お礼参りか。

二択を迫られ「殺るに決まってんじゃねーか!」と即答するアレックス&チャド兄弟。

こうして、育った環境も性格も違う二人のヴァンダム=ダブルインパクトの絆が試されるのであった。

陽気さと爽やかさが満点なカリフォルニアボーイのチャド。

サグいアウトロー気質のアレックス。

顔は同じなものの対照的な二人だが、ファイトスタイルも地味に違う。

アレックスはナイフおよび銃を使うなどミリタリー寄りなファイトスタイルに対し、チャドは基本カラテをベースにしているなど差別化を図っている。

こうした一人二役はさることながら、弟が俺の彼女と良い感じになってんじゃねえか?」と酒を飲みながら悶々とするなど、実に複雑なNTR演技も披露!

やれベルギー訛りがヒドイだのカラテバカじゃんとか揶揄する人に見て欲しいヴァンダム渾身の演技だ。

結果、ヴァンダムVSヴァンダムというカードが実現!

タッチでいえば達也と和也が南を取り合って殴り合うようなもんである。

そんな兄弟喧嘩を経て、互いの大事なものの為に確執を乗り越える二人。

ブラザー精神が燃え上がる最終決戦は、観てるコチラも熱くなれるだろう。

だが敵側も一筋縄ではいかない。

ボンテージバトル秘書、ブーツにピザカッターがついた足技メインの用心棒などなど・・・キャラ立ちまくりの強敵が二人に立ちはだかる。

その中でも一番強烈なのがヤン・スエだろう。

CGを越えたガタイおよび顔圧のオーナーっぷりに目を見張ってしまう。

思えば『ブラッドスポーツ』でヴァンダムとの名勝負数え唄を生産していたが、もちろん本作でも健在!

何処から見ても「こりゃあ強敵だ!」という説得力に満ち満ちている。

まあ、 ほとんどセリフはないんだけども!

それでも、この演技を越えた存在感はどうだろう?

凄い顔をした二人が、凄いリアクションで殴り合う一挙手一投足は、手数重視の現代アクションにはないカロリー過多なバトルだ。

実に香港らしい決着を含めて目を見張ってしまう。

こうした最終的に互いに上裸で殴り合う映画が、金曜ロードショーで地上波初放送された事実があるのだが、中々信じられない方もいるでしょう。

俺も「時代は遠くになりにけり…」と遠い目になってしまう。

一方のヴァンダムである。

かれこれ本作公開から30年は経っているが、エクスペンダブルズ2のヴィランの弟を続編に出そうと提案、ダブルインパクトの続編トリプルインパクトを企画するなど、未だに隙あらば双子を出そうとしている。

彼にとっても特別な作品なんだろうなあ…というのが伺える。

ともあれ、一人一人のヴァンダムでは小さな『火』だが、二人合わされば『炎』となる。

『炎』となったヴァンダムは無敵だ!を証明している映画ですよ。