さらに熱く、さらに激しく、さらに青白く(画面が)・・・そして生まれる新たな伝説
いつも書いているがDCEUの「ロジックより強烈な絵力と気合」というスタイルに、
ゆでたまご先生に通じるものを感じDCEU=ハリウッド版「キン肉マン」と提唱している。
中でもシリーズの集大成的位置づけの「ジャスティス・リーグ」は特に思い入れが強い。
前作「マン・オブ・スティール」「バットマンVSスーパーマン」を担当していたザック・スナイダーが家族の不幸により、途中降板、ピンチヒッターとしてライバルMCUの「アベンジャーズ」でお馴染みのジョシュ・ウェドンが担当した。
その結果、2017年に公開された「ジャスティス・リーグ」はこれまでと明らかに作風が異なっていた。
前2作も「おかんが同じ名前で仲直り」など良い意味で「どうかしている」映画だったが、「ジャスティス・リーグ」に至ってはもはや「映画」というカテゴリーでは収まらないものになっていた。
俺はハワイに海外旅行中に見たのだが(現時点で海外で見た唯一の映画)英語圏では5分に一回大爆笑が起こっていた。
俺は英語は苦手だが、見終わった後はとにかく夕暮れが美しかったのと足取りが軽かったことは覚えている。
2017年版の記事
この映画のヤバさを軽く紹介すると
特に理由はなく2つ返事でサクサク集まるヒーローたち。
人付き合いが苦手なのにヒーロー内の幹事として苦労するバットマン。
決戦前に「はじめて本当の友達ができた気分」と告白するアクアマン
友情パワーで押し切る戦闘
寝起きが悪すぎるスーパーマン。
ヴィランのステッペンウルフについてはヒーロー達にビビっているのがバレて
部下たちに「おまえはダメだ、帰るぞ!!」と強制送還させられるまさかの展開。
と、本作を語るといつも顔がニヤけてくるほど、ツッコミどころだらけ。
「要所要所でエクスペンダブルズ2を超えた」といえばおわかり頂けるだろうか。
主題歌のゲイリー・クラークjrによるビートルズのゴリゴリにハードなカバー「Come Together」効果もあり、俺個人としては「とにかく元気になれる。」と定期的にリビングで流すほど好きだが「映画の枠組みを無視したお祭り」っぷりに喝采と同じくらい叩かれていた。
その結果、「ザック・スナイダーが作る予定だった本来のジャスティス・リーグを見たい」と署名活動が起き、この度活動再開したザック・スナイダーにより新たに作られたのが今回紹介する「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」だ。
「地球を守ろう!!みんなで出そう!!火事場のクソ力」という大枠はそのままに
開始早々から画面が青白い!!これだけでザックが作っているのがよくわかる。
晴れでも曇りっぽい空、これがスナイダー印だ。
アクアマン登場時のBGMもホワイト・ストライプスではなく地元の人々が合唱している。「俺ならRockを流さなくてもRockできる!!」という彼の意気込みを感じた。
今回は各ヒーローの背景を掘り下げているので、「友達が出来そうだったから」「ワンダーウーマンに誘われたから」と割と軽いノリで参加してそうだったフラッシュとサイボーグの印象は大きく変わるし、同時にバットマンがきちんと採用活動を頑張っていたのが良く分かる。
「とにかく箱を取られたらダメ」「とりあえずステッペンウルフは地球を征服したい」
とふわっと描かれていた事象も時間をかけて描写されるので今回は話が成り立っている!!(決してバカにはしていない)
とはいえ、ストーリー重視になり勢いが失ったのかと言われたら決してそうではない。
戦闘シーンは大増量(特にフラッシュとアマゾネス女学院が大活躍)
ワンダーウーマンに至っては光の速さで悪党退治していた。
このシーンについては「うっかり早送りしてしまった」と思ったが通常の再生速度だったと気づいた時背筋が凍った。
2017年以上に既読スルーが絶対に出来ないアマゾネス緊急配信メール
寝起きが悪すぎるスーパーマン
寝起きのスーパーマンとワンダーウーマンの頭突き合戦。
やっぱり彼女優先のスーパーマン
やっぱりターミネーター2のダイソンと同じ俳優だけあってダイソンなサイボーグの親父
どさくさに紛れてスーツが黒になっているスーパーマン
もうあの頃のビビりのステッペンウルフじゃない。
そしてステッペンウルフもどさくさに紛れてイメチェン
と一般の我々の想像レベルを軽く飛び越える衝撃はたっぷりある。
それぞれの背景深堀り成功によりファミリー要素もアップ。というかこの図ワイスピっぽいよね?
そして以下はネタバレになるが・・・・衝撃のエピローグ。
お馴染みのバットマンが見る夢もジョーカーとの悪口合戦や深層心理でやっぱりスーパーマンの事はあまり好きではない(ヤバイ人だと思ってる)のがわかるのもすごいが・・・・
まだ朝日も昇りきっていない早朝にバットマン宅に押し掛ける新ヒーロー。マーシャン・マンハンター!!
「ダークサイドはまた来るからね!!立ち向かわないといけないよ!!その時は俺も手伝うよ!!」
といきなり興奮気味に話すミスターマンハンター。
それに対して「とにかく早く帰って欲しい。もう一度寝たい」というのがあからさまに表情に出ているバットマン
空気を一切読まず「すごかったよ!!ヒーローが団結したのは君のおかげ!!ご両親も喜んでると思うよ!!また会おう!!あっ、俺の事はマーシャンって呼んでね!!」と言って飛び立つ。
それを見て「朝から変なのに絡まれた」と言わんばかりに首をかしげながらベッドに戻るバットマン。
ヒーロー以前に人として「自分が一方的に知ってる人の家に早朝に押し掛ける」のは最悪だが
俺はそんなマーシャンの事が一瞬で好きになってしまった。
ネットで彼について調べたところ
スーパーマンと同じくらいの強さ
人間臭くてめっちゃ良い人
火が苦手
好きな食べ物はオレオ
という事がわかった。
おそらくザック・スナイダーカットベースで続編が作られると思うので空気の読めないナイスガイの活躍が楽しみだ。
4時間半の長丁場であるが新カットも多く。7つのエピソードに分かれているので見やすい。
また衝撃シーンだらけのエピローグはほぼ新規だし、残り30分は「俺は映画が好きだ!!」と悲しみを乗り越えたザック・スナイダーが笑顔で語る「情熱大陸:ザック・スナイダー」なので2017年版とはほとんど別物として楽しめる。
俺からは最後に
「バットマンとマーシャンの温度差のありすぎるやり取りは是非とも自身の目で確かめて欲しい。」
と言っておきます。
Do The Justice!!