【ネタバレ注意】やり過ぎフェイタリティ♪スパイラル:ソウ オールリセット

※注意 思いっきりネタバレします。

昔は苦手だったものが年を取ると平気になる。

俺の場合、ホラー映画が割と見れるようになった。

とはいえ、ある日急にレバーやししとうが食べれるようになった的なそれではなくきっかけが明確で、以前勤めていた会社のメンバーで怖いで有名だったお化け屋敷に行った時だった。

社長が嘘ばかりつく会社でどれだけ頑張っても新卒で勤めていた会社の年収に戻ることもできないので転職を決めたのだが、職場の人間関係は良かった。

自分で決めた事とはいえ、同僚や後輩達を見ていると週明けの朝礼には転職することを言わないといけないと思うとつらくなった。

そんな事を考えながらお化け屋敷を進んでいると、後ろから襲ってくるオバケも突然の大きな叫び声にも何も恐怖を感じない事に気づいた。

泣いている女の子もいるようなアトラクションだったがあの日の俺にとって恐怖の館は住宅内覧会と大差なかった。

転職は恐怖を上回る。

あの日以来、相変わらず苦手ではあるが比較的ホラーやグロい映画も見れるようにはなった。

先日、人気サイコスリラー「ソウ」シリーズの新作「スパイラル:ソウ オールリセット」が公開された。

映画『スパイラル:ソウ オールリセット』公式サイト 9.10(fri) (asmik-ace.co.jp)

「ソウ」といえば2004年に始まり、怖さはもちろんあっと驚く展開で大ヒット。
やがてリンキンパークのチェスター・ベニントンも喜々として劇中で殺されるほどの人気シリーズになった。

監督のジェームズ・ワンも後に「ワイルドスピード SKY MISSION」や「アクアマン」でも大成功。

今回は過去と関係する登場人物が一新、ジグソウを超える猟奇犯が登場する。

シリーズお馴染みの殺人ピタゴラスイッチは健在

地下鉄で舌を固定され宙吊りにされた人が電車に追突されて四散したり
熱い蝋を顔面にかけられる人。

犯人は警察に被害者の体の一部分を速達で送り届けてくれる細かい気配り。

サミュエル・L・ジャクソンが「パルプフィクション」ばりに「F**K」というところも
映画ファンとしては嬉しい限り。

おもしろい本作だが、観賞後に「事前に犯人知ってたらもっとおもしろかったのに!!
と悔しい気持ちになった。

———————–以下超絶ネタバレ——————————

ソウは理不尽な理由でゲームに参加させられ痛々しい拷問を受けるのが怖いところだが、本作については真犯人の殺人動機が明確。

警察の汚職を明るみにしようとして殺された父親の仇のために刑事になった真犯人

ゲームに参加させられていた痛い目にあうのが、手を下した人物や汚職刑事、もしくは汚職を知りながら隠ぺいしていた人たちなので

「スタローンが頑張り過ぎたコップランド」
「キアヌ・リーブスの聖人パワーが暴走したフェイクシティ」

ともいえる。

しかも今年は「モータル・コンバット」が公開されて爽快なグロ描写が話題になった。

映画を見ていて、憎たらしい悪役がラストであっさり殺されて消化不良気味の気分になった事はないだろうか?

主要キャラを殺したのに、主人公の家族を殺したのに、撃たれて終わり?全然苦しんでない!!みたいな。

その点本作は、身勝手な都合で父親の命を奪った、正義の面を被った汚職警官共が時間をかけて体の一部を引きちぎられたり、痛みにのたうち回りながら死んでいく。

息子の復讐っぷりに天国のお父さんもきっとため息が下がっただろう。

親子愛に満ちた、ポジティブなフェイタリティが炸裂する本作

公開がそろそろ終わりつつあるので映画館で観賞は難しいかもしれないが、ブルーレイで販売もしくは配信が始まったら、グロシーンがはじまった時に「フェイタリティ」と呟いてみてください。

2021年製作/93分/R15+/アメリカ
原題:Spiral: From the Book of Saw
配給:アスミック・エース