清野菜名VSゾンビ軍団 inホームセンター!! DIVOC-12 「死霊軍団 怒りのDIY」

すごいものを見つけてしまった。

「DIVOC-12」という短編集の試写の案内をいただいた。

「12人の監督が10分間の時間を与えられたとき、どんな物語を紡ぐのか。
『DIVOC-12』は、ソニー・ピクチャーズによる新型コロナウイルス感染症の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めることを目的として製作されたオムニバス映画であると同時に、作り手各々の挑戦の記録でもある。」(ホームページより)

ソニーも粋な事をするもんだなと思いホームページを眺めていると、以前に観ておもしろかった
「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督や
「ヤクザと家族 The Family」の藤井直人監督
も参加している。

視聴前に一通り読んでいたらおかしな文章が飛び込んできた。

『死霊軍団 怒りのDIY』

「元空手部で男勝りな性格のマリ。
ある日、ホームセンターでバイト中に合コンの誘いが。
気合を入れるマリだったが、突如ソンビ化した市民が店内に侵入!
果たして、マリはゾンビ軍団により地獄と化したホームセンターから脱出し、無事合コンにたどり着くことが出来るのか!?
全く新しい恐怖!これが令和のゾンビDIYホラーアクションだ!」

「コロナ禍にいるクリエイターを支援」「これからの映画界を担う、12の才能の煌めき。」という言葉と目にしている文章がリンクしない。

確かにホームセンターで戦闘というのは映画好きなら誰もが憧れるシチュエーションだが合コンに行くためだと?

DIYホラーアクション!?

しかも主演が清野菜名ちゃん!?(「今日から俺は」の理子役で好きな女優さん)

2秒でわかる引用元「バイオハザードのミラ・ジョボヴィッチ」なヴィジュアル

「しょうもな!!」と画面の前でツッコミを入れながらも、あらすじとわずかな情報だけでめちゃくちゃ気になってしまっている。

視聴を始めてみるとやさしさや平和を感じる短編が並ぶ。
年のせいか昔だったら毛嫌いしていたような淡い映像が心地よかったり様々な人間模様にグッと来たり・・・

1話あたり10分なのもバイキングみたいでこういう楽しみ方もあるのかと発見した。
ただ、本当にこの作品群の中に「あれ」が混ざっているのか・・・・?

混ざってた!!

これまでの作品達が紡いだやさしい世界観を台無しにするぶった切るオープニング。

ホームセンターの店長が「戦慄怪奇ファイル」の大迫茂生さん、店員が「仮面ライダーゼロワン」の高橋文哉さんというこの手のジャンルが好きな人間には絶妙過ぎるキャスティング。

そしてアクション

清野菜名ちゃんが「彼氏の前で絡んできた不良を血祭にしてしまった」と落ち込んでいる。

言葉にするとすごいが、この光景を見た時、鳥肌が立った。「人気の女優さんがアクションに挑戦」みたいな生やさしいものではない。

ブルース・リーだった。

ブルース・リーの映画がすごいのは低予算なこともあり特殊効果がない分、全てのアクションが生々しく、どれだけブルース・リー本人がヤバいかが伝わる。

清野菜名ちゃんで全く同じ現象が起こっている。

空中回し蹴りが死ぬほどカッコいいのだが、「エクスペンダブルズ2」のジャン=クロード・ヴァンダムと全く同じ構図になっている!!

ホームセンターのテントで身を隠し、背中にはハンマーとスコップ、
二丁拳銃の代わりに腰に差した電動ドリルでゾンビ達の脳みそを破壊する。
俺が何度もホームセンターで想像してニヤニヤしていた闘い方そのものだ。

白ランニングにカーゴパンツ、工具を作業用ハーネスで固定という実際にあるものを組み合わせた「カッコいい」が爆発したファッション!! まさに「怒りのDIY」

そして何故かレイバンのサングラスに「パーティーはお開きよ」という知性のかけらもない決めゼリフ。

アクションといいキャストといい小ネタといい、この手が好きな人間のツボをひたすら突き刺してくる。

この他作品からの絶妙な引用っぷりはジェームズ・ガンやタランティーノ、ロバート・ロドリゲス作品を観た時の感覚に近い。

それに日本のホラー映画は怖さを突き詰めた作風が多いが、コメディ風味のホラーは少ないように思うのでこの作風は邦画で増えていって欲しい。
(実際海外ではサイモン・ペッグ主演の「ショーン・オブ・ザ・デッド」が大ヒットしたし)

ヤバすぎるぜ!!「死霊軍団 怒りのDIY」(オンライン試写をいいことに4回観た)

たった10分で和洋中ありとあらゆるアクション映画のおもしろポイントを抑えた作品を作る中元 雄監督って一体どんな方なんだろう。さぞかし才能の塊なのだろう。

本作のホームページに戻ったら新たな衝撃に襲われた。

他の監督達が「この苦しい時代に映画を作らせてもらえた事に感謝」「映画に救われた。」
とコメントしている中、一人だけ

「西暦2020年…人類は新型ウイルスの脅威にさらされていた!
そこに立ち上がった12人の命知らず!
果たして彼らは、創造力で世界を救うことができるのか!?
次回、最終回!「絶体絶命!?ナカモト爆破大作戦」ご期待下さい!(原文ママ)」

とんでもないバカだった。

ソニーは何故訂正を求めなかったのか、

チームリーダーで劇中カメオ出演もした上田慎一郎監督は何故カメラを止めさせなかったのか・・・

上映した時に事故になるんじゃないかとソワソワしている。
おせっかいだが一人だけ打ち上げに呼ばれていないんじゃないかと心配になった。

「死霊軍団 怒りのDIY」が衝撃的過ぎたので一旦再生を止めて後で残りの作品を観たが、期待していた上田監督の「ユメミの半生」は映画の歴史を追体験しているような楽しさだったし、藤井監督の「名もなき一篇・アンナ」はとにかく函館に行きたくなった。林田監督の「タイクーン」では窪塚洋介さんがカッコ良過ぎた。

全部見て確信に変わったが「死霊軍団」だけ浮き方が尋常じゃない。

深刻な事故だった。

9月14日に完成披露試写会があったみたいだが、案の定その場には中元監督の姿はなかった。

後日、中元監督と直接やり取りする機会があったのだがこのような事を仰っていました。

「試写ではじめて全作観て心配になりました。ヤバいやつだと思われているかもです。
コメントはソニーの人に怒られるかと思いきやそのまま掲載されてました。
ソニー製品は死ぬまで使い続けます!!」

中元監督へ

以前からビーパワーハードボイルドを読んでくださっていたと知って嬉しかったです。
本当におもしろかったです。
他の作品が見たくてYou Tubeチャンネルも見ました。

試写になるまで他の監督の作品の情報が一切入ってなかったと知って不謹慎ですが爆笑しました。

ご自身も「心配」との事ですが、非常に残念な事に思いっきり浮いています。
「立ち上がった12人の命知らず!」との事ですが命知らずはあなただけです。

公開されたらヤバいやつだと誰もが思うと思います。
「死霊軍団 怒りのDIY」はカルト的人気を得ると思います。
全国に多数いる清野菜名ちゃんのファンもみんな好意的に受け止めるでしょう。

作品が評価される分だけあのコメントは拡散されます。

あなたが今後どれだけ出世しても「「ナカモト爆破大作戦」はいつ製作されますか?」と
半笑いで質問され続けると思います。

もし今後「中元監督」ではなく「(呼び捨てで)ナカモト」もしくは「ナカ爆」と記載されるようになってもそれはあなたの責任です。

色々書いちゃいましたが「死霊軍団 怒りのDIY」の長編バージョンが見れることを心から願っています。

【追記】
本作にあたって上田監督チームの4監督が作品について語る配信がございました。

簡単な宣伝かと思いきや、ほとんど各作品のメイキングに近い濃い話だったので必見。

一つネタバレするとポスタービジュアルのバイオハザードのミラ・ジョヴォヴィッチのパロディは監督の趣味だと思っていましたが実際のところ、清野菜名ちゃんがアクションの訓練をしたきっかけが「バイオハザード」だったらしく、深い話でした。

中元監督ご自身は「恥ずかしくて見返すことができない」との事です。

『DIVOC-12』
10 月 1 日(金)全国ロードショー
製作・配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
制作統括 :and pictures
(C)2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.