子供の頃から強すぎるキャラクターというのはあまり好きじゃない。
例えばドラえもんは「四次元ポケットが反則」という理由で好きでなかったりする。
そういう意味でマーベルの中でも反則的な強さのドクター・ストレンジ先生(以下カンババ先生)は最初の印象は良くなかったが、登場を重ねるにつれて、
・みんなの無理難題に応え続ける様子
・戦闘スタイルが魔法は使うものの割と気合でなんとかするあたり
から好感を持つようになった。
また、俺が一番好きなロックバンドであるキッスのジーン・シモンズのポーズがドクター・ストレンジが元ネタと知ってさらに好きになった。
そんなカンババ先生単独作の2作目である「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」が公開された。
今回1日早く試写会で観賞させて頂いたわけだが・・・・
めちゃくちゃ困った。
何を言ってもネタバレになる。
どれくらい衝撃だったかというと久しぶりに都合があったので、写真家でビーパワーハードボイルドのリーダーのホット・ケノービさんと観に行ったのだが、帰りに日本橋に行った時にメイドカフェで80歳くらいのおじいちゃんが満面の笑みでメイドと写真を撮っていた。
普段であればどちらかが見つけて笑うのだが、今回ばかりはそれを観ても「ゴールデンウィークですね」と言うだけだった。
この衝撃をどう表すか一晩考えたがこれは難しい・・・。
というわけでガンガンネタバレするのでご注意ください。
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」にて大学に進学したいスパイダーマンに振り回された結果、人々の記憶を消すつもりがミスって時空を歪めてしまったカンババ先生。
一旦事態は落ち着いたものの、一度時空を歪めちゃったの影響で定期的に別次元からおかしな怪物が来る。
観てるアラフォーなら「あっ、シュマゴラスだ!!」とマーブルスーパーヒーローズVSストリートファイターを思い出して喜ぶが、カンババ先生は事故対応で大忙し!!※実際は違ってガルガントスというキャラクター
おまけにカンババ先生自身が消えていた5年間のせいで彼女には婚約者が出来ていた。
毎日がトラブル対応。プライベートは失恋と社会に出たての会社員ばりに悩み多き先生。
未練が残る彼女の結婚式に出席という、ある意味サノス戦よりダメージが大きい日々を過ごしているとアメリカ・チャベスという時空を移動できる少女に出会う。
これ以上面倒はごめんだ!!
俺だって家でゆっくりしたいし、しょんぼりしたいんだよ!!
ひとまずチャベスはカーマ・タージ魔法専門学校に預けて知り合いで一番頼りになりそうなワンダ(スカーレット・ウィッチ)に相談する。
「ワンダヴィジョン」にて色々やらかしてしまった事もあり、魔法についてちゃんと勉強するため隠遁生活をしていたワンダにアメリカ・チャベスについて相談したところ
「なんでこんなに自分は不幸なのか」
「他の次元の自分は幸せなのだろうか」
「コロナは風邪」
と様子がおかしい。
そして全く笑っていない目で「その子の力・・・ええやん」というワンダさんだった。。
はい!というわけで事前に紹介されていたあらすじはフェイク!!
魔法について勉強し過ぎた結果、闇の力についても学ぶようになり、怨霊レベルでヤバくなったスカーレット・ウィッチがカンババ先生ご一行を襲ってくる!!
誰しも友達が宗教にハマる、マルチにハマるといった経験はあると思うがマーベルなのでスケールが違う。
勉強の結果「他の次元の自分が幸せな家庭を持った自分がいる」と知ったスカーレットウィッチは「ムカつく。私と変われ」と乱暴な理由でチャベスの時空移動能力を奪うため、カンババ先生の母校であるカーマ・タージ魔法専門学校を破壊。
大いなる力には大いなる責任が・・・・知らんがな!!と言わんばかりにステイホームで得た知識をフル活用。
別次元に逃げても追ってくる。
本作の監督が「サム・ライミ」に決まった時、スパイダーマン3部作のテイストがMCUにもと喜んだわけだがサム・ライミの出世作は「死霊のはらわた」だった。
MCUお馴染みのサプライズキャラクターが今回も出てくるわけだが、登場に興奮する観客の心を打ち砕くかのようにグロめに殺される。
かつて、劇中でたまに映る胸の谷間にテンションが上がっていたのは遠い過去。
水たまりや闇の中から突然出てきて次々を殺し、ターミネーターのT-800ばりにゆっくりと追いかけてくるワンダはド直球でホラーだった。
エンドスケルトンではなくて美女のエリザベス・オルセンに追いかけられるのに怖いという驚きの体験。
子供が観たら生涯残るトラウマを植え付けるのではないだろうか。
上記の通り別次元のカンババ先生や別バースのアベンジャーズ的な方々。
まさかのあの人やあの人がMCUに殴り込みとサプライズがあるのだが、「あのスカーレットウィッチが貞子や伽耶子と同じカテゴリーになった」という衝撃、
ゴリゴリのホラー展開で常に緊張感が続く。
サム・ライミからの「マーベルだと思って安心して観れると思ったら大間違いだ」
というメッセージがビシバシ感じる作品だった。
サム・ライミ精神に乗っ取っとったせいかカンババ先生も
・カメオ出演でケンカを売ってきた「死霊のはらわた」のアッシュ(ブルース・キャンベル)を魔法で暴行
・「全ての次元で君が好きだ!!」という熱血ラブコール
・呪いVS呪いで悪霊バトル
と知性より気合で挑むのでさらに好きになった。
本作については過去の作品を観たうえで活きてくる内容なので映画だけでなく
ディズニープラスで配信されている「ワンダヴィジョン」「ホワット・イフ」あたりは抑えておきたいところ。
過剰過ぎるポリコレや過去のSNS上の発言まで問題にする最近の風潮。
特にディズニーは敏感過ぎるように感じるが、本作のゴリゴリに攻めた内容や、
「過去の失敗があるから今があるんだ!!」というカンババ先生語録を聞いて、
「やっぱ映画はちょっと矛盾してて暴走してるくらいがおもしろい」と思った。