ネタバレなし!安心できる「クリード 過去の逆襲」解説

ロッキーのスタローン魂をマイケル・B・ジョーダンが継承した「クリード」シリーズ。

1作目の「クリードチャンプを継ぐ男」で何度泣かされただろうか。

アドニスの健気な心に涙
ロッキーがガンを患って涙
いつの間にか死んでるポーリーに涙
星条旗柄パンツで涙

2023年現在でも映画館であそこまで泣いたのはクリードだけだ。
星条旗柄のパンツ(しかも男用)で号泣させられるのはこれからも本作だけだろう

主演のマイケル・B・ジョーダンが1987年生まれで我々ビーパワーハードボイルドと同年代というのもあっただろう。
頑張るのがカッコ悪いと捉えられがちな時代に「証明する、俺は過ちではない」と立ち上がる姿はある意味スタローン以上に勇気づけられた。

人生で観てきた映画で一番泣いたシーン。(公開されて7年経過したが、俺たちビーパワーは未だに何も証明できていない!)

映画館の照明が明るくなってもしばらく席を立てなかったし、ブルーレイを購入しても毎回泣いてしまうのであまり観れていない。

続編「炎の宿敵」ではロッキーの宿敵でありアドニスにとっては父の仇であるドラゴの息子が登場。

前作でガン闘病中だったはずだが、冒頭から元気いっぱいのロッキーを見て、「スタローンの奴、また設定ド忘れしてるよ!!」と爆笑したのもつかの間今度はまさかのドルフ・ラングレンに泣かされた。

他の映画でお馴染みのヤバい目つきで笑っているドルではなかった。

ドルの演技は完璧だった。

家族にも国にも見捨てられたが、息子への愛に溢れたドラゴ。
そして父を心から慕う息子。

「まさかドルに演技で泣かされるなんて」と思いながら俺は嗚咽してしまった(隣の方に迷惑だったと思う。あの時はすいません)

もちろんブルーレイは購入したが、やっぱり今日に至るまであまり観れていない。だって泣いてしまうから。

作品単独としての完成度はもちろん、従来黒歴史扱いだったロッキー3,4,5も名作に変えた奇跡の新シリーズ「クリード」

今回3作目である「過去の逆襲」を一足早く観させてもらった。

観賞後、観たメンバーで3時間も喫茶店で感想について話合った。
俺はあの氷で薄まったコーヒーの味を忘れないだろう。

大の大人が試写会のために会社を休んで平日に3時間も映画の話をしているのは「仕事しろよバカ!!」の一言に尽きるが、それだけ俺たちの心を突き動かしたという事はわかって欲しい。

我々は子供の頃から「ロッキー」で育ってきたガチ勢だ。
普段気の利いたことは書けないがこのシリーズについてはうまく紹介できる自負がある。

ネタバレ一切なしで本作について紹介しようと思う。

あらすじ
アドニスは最後の試合も勝って引退。プロモーターやジムの経営などマルチに事業をこなすビジネスマンに。
妻のビアンカはプロデュース業で成功。

子供も生まれハリウッドの豪邸で悠々自適の日々を過ごしていた。

ある日、出所したアドニスの幼馴染デイムが現れる。人生の大半を刑務所で過ごしたデイムはアドニスにめっちゃキレてる。

実は、アドニスには誰にも言えない過去の過ちがあったのだ。

本作のキーパーソンとなるデイムを演じるのがジョナサン・メジャース
1989年生まれ(年下かよ!!)の彼氏の怒り方が「絶妙」だ

本作では一応敵に位置するわけだが、デイムを観て感情移入する方は多いと思う。

初登場シーン。経営するジムから出てきたアドニスの車にもたれかかっている。

この顔を見て欲しい。

「相手に対して内心めちゃくちゃムカついているが、あえて感情を抑えて話す時」の顔だ。

車に持たれかかっているという、家族にされてもムカつくムーブを決めているのが静かに心情を現している。

再会した時のアドニスのクソ気まずい表情も劇場で観て欲しい。

再会を祝して二人で飯を食う二人。
セレブな店ではなく二人で子供の頃通っていたダイナーだ。
アドニスはデイムを兄のように慕っていた。

この顔を見て欲しい。

「今すぐにでも殴ってやりたいが、とりあえず相手の様子を見る時」の顔だ。
アドニスの様子からして少なくともデイムが服役した背景には自分にも何しかしらの原因があるみたいだ。

その証拠にハンバーガーセットを頼んでもポテトを一本づつしか食べない。

会話の内容は当たり障りのない思い出話だが、「ヒート」ばりにヒリヒリしている。

その後、アドニスのジムに通うようになったデイム。

しびれを切らして自分の方から「もし俺のこと考えてくれてるのならお願いがあるんだけど・・・」とアドニスにアプローチするが、それとなく流されるばかり。

自分の希望は叶えてもらえず、アドニスの計らいで興味もないセレブが集まるパーティーに普段着で参加するデイム。


劇中の画像がないのでネットで拾った画像で代用するがこんな感じだった。

この時点で「あの時はごめん」とアドニスの口から出ていれば状況は変わっていただろう。
実際は飯をおごってもらってセレブ生活を見せつけられるばかり。

ついにデイムの怒りが爆発する。
怒りに満ちていても冷静さは失わないデイム。
純粋に暴力に頼るのではなくアドニスのプライドをへし折り、リングに上がるようにけしかける。

そしてこの顔だ。


「ここまでの問題にしたのはお前のせいやで、お前が謝らへんからやで」という顔だ。

本作のアドニスは、これまでアドニスに勇気をもらい続けた我々でさえも

「おい!!虎の目失ってるぞ!!」

と思う程セレブ生活にどっぷりだったので、デイムの肩を持ちたくなる気持ちにもなった。

そしてリングの中のデイムの顔はこれだ。

「アドニスなぁ・・・かわいいで。子供の頃は懐いてくれてたし。
出来れば昔のように仲良くしたいけど、もう無理やわ。

こっちは散々譲歩したのにあれやもん。

ひょっとしたら自分のしたことをそこまで悪いことだと思ってないんじゃないか。

ふざけんなよ。俺がどれだけ苦しんできたと思ってるねん。

久しぶりに会ったらへらへらしてるし。お前がいらんことしなかったら俺も金持ちなってたのに・・・

こっちはずっと刑務所やぞ。

考えたら考えるほどムカついてきた。

いくら昔は仲良かったとしても限度を超えた。うん、無理!!」
が詰まっている。

結果、ジョナサン・メジャーズの顔しか紹介していないわけだが、今回ばかりはどうか信じて欲しい。

「クリード過去の逆襲」は二人の関係が鍵となる。

会社、学校、夫婦・・・誰しも人間関係で問題を抱えたことがあると思うが本作は「少しでも自分が悪いと思えば謝ろう」という教訓を教えてくれる。

学校の道徳の時間、会社の新人研修、サミット等で流せば解決する問題もあるのではないだろうか。

現時点で判決は出ていないが、諸事情で出廷中のジョナサン・メジャース。
結果次第では今後のキャリアも危ういし、作品の興行収入にも少なからず影響しているだろう。

とはいえ本作でのデイム役で見せた輝きは本物なのでどうか劇場で観て欲しい。

きっと観賞後に思うはずだ。

「ジョナサン・メジャースの顔が絶妙だった。」と

<最後に>
ビーパワーYouTubeで「クリード 過去の逆襲」回をする予定です。

今回はお便り募集します。
かなり意見が分かれる作品かと思いますのでみなさんの正直な感想を読みたいです。

deadpootarou2014@gmail.comまでよろしくお願いいたします。