ジョーカー 考察まとめ

30歳を超えると健康診断でバリウムを飲む。

これがなかなか気持ち悪いもので俺はいつも苦労する。

しかもバリウムを飲んだ後は白い「それ」が出る。
(「それ」というよりバリウムの塊)

それは俺だけじゃない、キレイなお姉さんが飲んでも結果は同じなはず。

しかも水に溶けず流れないため注意が必要だ。
健康診断後はいつも気をつけないといけないのだが、すっかり忘れていた俺は翌日、打ち合わせ前に客先のトイレで用を足した。

最悪の事態が起こった…Holy Shit…バリウムうんこが流れない。

どれだけ水を流しても流れない。

「俺はここだ」と言わんばかりにトイレで存在感を放っている。

客先のトイレでうんこを流さずそのままにするなんてビジネスマナー以前、それこそ人間としてクソだ。

俺は自分自身から出た白い悪魔を見て途方にくれた。

あいにくブラシはない。俺は便器に手を突っ込んで素手で細かくうんこをちぎらないといけないのか?

神よ、汝は俺にこの手を汚せと言うのか?

最悪な状況に不思議と笑いが出た。

「人生は悲劇だ。同時に喜劇だ」

ジョーカーの勢いが止まらない。

松田聖子も思わず日本語を忘れて英語でコメントしているくらいだ。

俺もかなりハマっている口で普段滅多にこんな事しないが他の人の感想などを読み漁って「なるほどー」とか「それは違うような」とか「ていうかこいつ、やっぱり嫌いだわ」「女にだけリプ返すとことか気持ち悪い」と言った風に映画の後味を楽しんでいたりする。

「混沌の中で生まれた崇高なルサンチマン。決してフィクションじゃない。これは僕たちの物語なんだ。」

とか書けばサマになるのだろうが、あいにくここはビーパワーハードボイルドだ。

前回は公開前だったのでネタバレなしで「ジョーカー」ついて書いたが、今回は公開して1週間以上経ったし思う事をガンガン書こうと思う。

社会に「痛い奴」の烙印を押された人間の先。「ジョーカー」

↑前回の記事

【アーサーが履いていたブリーフは何製?】

おそらくグンゼ製

【デッドプー太郎の解釈】

「主人公のジョーカーことアーサーが元々メンタルがやられていて妄想癖がある」という設定で何とでも受け取れる作りの映画なのだが、個人的な解釈は

・描写されていたネガティブな内容については全て実話。
・テレビの司会者マレー・フランクリンを射殺して一躍、英雄に。
・本人はアーカムアサイラムだが、今回の一件でフォロワーが生まれていき、
第2、第3のジョーカーが生まれていった。(例えは悪いけどチャールズ・マンソン的な感じ)

なのでこの世界観でバットマンが続くなら、アーサーに憧れた別の人間がジョーカーとして登場するのではないだろうか。

ちなみにもし、彼女が出来てたところだけが実は現実で、他が妄想と考えたら一気にカリスマ性がなくなりただのダメ男に見えてくるぞ!!

【元ネタとの比較】
ジョーカー鑑賞後に本作への影響が強いとされる改めて「タクシードライバー」と初めて「キング・オブ・コメディ」を観た。

実際、「元ネタの引用が露骨過ぎる」という意見もわかる程、そのままのシーンも多い。とはいえ「アーサーの方がかわいそうだな」と思った。

まず「タクシー・ドライバー」のデニーロはイケメンだ。アーサーはいかにもモテなさそう。

「キング・オブ・コメディ」は主人公が有名になる事が目的で、コメディアンとして努力しているような描写が見られない。

アーサーの場合、お笑いライブに言ってメモをするなどして努力していた。でも才能がなくてスベり倒していた。

このような点でアーサーの置かれている状況の方が容赦なく感じた。

【ジョーカーに感情移入したらダメなのか。】

ネット上でもよく見受けられたのが「映画に感情移入するな」という意見。

これについては「別にいいじゃない」という意見です。

俺も実際、映画に影響されやすい性格で「ジョン・ウィック」や「イコライザー」を見た後はいつも殺人マシンの気持ちになっている。

「ジョーカー」については他の映画以上に感情移入しやすいシーンがあると思う。

不謹慎だけど学生時代、割とかわいくて優等生だった女の子がいじめがきっかけで
有名なヤリマンになった(その後風俗嬢になったという噂)とか、失恋(相手の浮気)がきっかけでやせこけた友達を知っているので「人は簡単に壊れる」というのは理解している。

この映画はネタバレ前の記事でも書いたが陰湿な描写が生々しい
特に、デニーロがアーサーを紹介するくだり。痛いやつを晒しあげて笑いにするという点。

実際日本でもアウトな人を紹介する番組で「これはアウトではなくてマジで病気なのでは?」という人が放送されているが、テレビでもネットでも「普通じゃない人」をさらして笑うのは多い。

聖人ぶるつもりではないのでその手の物を見るのは決して嫌いではないしおもしろく感じるが、このように生々しくて大半の人が感情移入できてしまうからきつい映画なんだろう。

俺もあのお笑いライブでスベりまくるくだりは・・・

バンド時代、暗幕が開いたら、客が2、3人しかいなくて最前列にいた人がカレーパン食べていた事

イベントの大トリになって喜んでいたら大半の客が帰っていて、自分達の出番の時には精算待ちの対バンしかいなかった事があるので共感した。

ライブ後に深夜にみじめな気持ちで食べた牛丼の味を思い出してつらかった。

「俺はジョーカーだ」と書いて批判されるのは映画に感情移入しているのが原因ではなくてそいつが普段から人をいらつかせるような奴だからだ!!

【感情移入できない人は富裕層!?】

劇中でも暴動が起こっている外を尻目にチャップリンを楽しむ富裕層っぽい人が出てきたし格差社会がテーマだった。

じゃあ金持ちが、イケメンや美女など恵まれている人が見たら感情移入できないのかというとそうじゃない。

また自分の話になるが、俺の人格形成で大きな出来事の1つが大学時代に入ったゼミだった。

そのゼミは女子が美人ばかりいる事で有名で雑誌のスナップに載っていたり、同じ学部ならみんな知っているような子が多数いた。

男は男で「花より男子」のF4みたいな奴かアメフトで鍛えられた体育会系ばかり。

その中にチビでくせ毛でアイアンメイデンのバンTを着ている俺が入った。

教室から放つリア充オーラに死にそうになっていたが、男女限らずみんな良い人で劣等感で隅で黙っていた俺に「今からおいしいラーメン食べに行くけど一緒にいこうや!!」とすぐに仲間に入れてくれた。

イケメンも大学で有名な美人も喋って観たら割と同じような事で悩んでいたりするので「みんな一緒なんだ」と思うようになり卑屈な性格はかなり改善された。

(今も付き合いは続いているが、俺が中古で50万の軽自動車に乗っているのに対して800万のレクサスに乗っているのでやっぱり違うかなと思いつつもある)

なのでつらい思いやみじめな気分になるのは金も顔も性別も家柄も関係ない。

俺が思うに、この映画を見て感情移入できない人は恵まれた人ではなく、「自分が一番だと思っているタイプ」の人だと思う。

基本的に人を見下している。肩書きで相手を選ぶ。失敗や挫折は認めない。

こういう人間は実際いる。

【最後に】

アーサーはかわいそうなのか?と言われるとそうとは思えない。
他の人の記事で「なるほど」と思ったが他者への思いやりが欠けていたように思う。

最終的に人を殺すという形で自己承認欲求が満たされた彼だが、貧困や障害が原因でこのような形でしか世に出れなかったというとそれは大きな間違いだ。

俺は知っている。スラム街に生まれ、生まれた時から障害がありいじめられ続けた男を。

人の何倍もつらい思いをしてきたが、決して諦めなかった結果、大成功を収めた。

十年経った今も世界中の人々を励まし続けている。

結論:ゴッサムシティにスタローンがいたらよかったのに。

アーサーは階段を下りていったが、ロッキーは上ったぞ!!

しかも早起きしてノーメイク、スウェットで!!